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9256 サクシード

東証G
754円
前日比
-5
-0.66%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
11.7 1.15 1.86
時価総額 27.0億円
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サクシード Research Memo(5):「個別指導学院サクシード」で神奈川県以外へもドミナント拡大へ


■事業内容

3. 個別指導教室事業
学習塾・予備校市場における受講生の数は増加傾向にある。これは、2008年に「脱ゆとり」教育へと学習指導要領が改訂されたことによって学習量が増加、学習塾ニーズが高まったことが要因と見られている。その後は少子化もあっておおむね横ばい推移の模様だが、シックスポケットに象徴されるように子ども1人当たりの教育費は増加しており、引き続き中学受験者数は右肩上がりの状態にある。また、生徒の低年齢化や非受験生の増加といった傾向も現れてきている。こうした状況を反映して、サクシード<9256>が個別指導教室事業で展開している「個別指導学院サクシード」と学習塾付き学童クラブ「ペンタスkids」は人気となっている。

(1)「個別指導学院サクシード」
「個別指導学院サクシード」は、神奈川県内に26教室(2023年3月末現在)を展開する地域密着型個別指導教室である。同社は個別指導の草分け的存在の1つで、「すべての子どもたちに質の高い教育を」というポリシーの下、小学校1年生から大学受験生までを対象に、学校の補習や受験対策、各種検定の対策など様々なニーズに応えた授業を提供している。同社は、講師1人に生徒3人という授業スタイルを採用しているが、これは経済格差が教育格差になってはならないという起業当時の創業者の思いから構築した、授業の質を落とさずなるべく授業料を低く抑えるための仕組みである。個別指導は集団授業では手の届きにくい生徒一人ひとりの進路や学習状況に応じたカリキュラムを提供でき、集団指導に比べて客単価が高くなる傾向がある。このため最近、集団指導をメインとする塾で、個別指導塾に鞍替えしたり個別指導コースを新設したりするケースが多くなっているようだ。

ただ、単に個別指導にしたからといって、同社も生徒もメリットを簡単に享受できるわけではない。実際に生徒の学力が伸びなければならず、そのためには優秀な講師が必要となり、これはどの学習塾も抱えている課題である。しかし同社の場合、自社内の人材サービスで教育関連の登録者を幅広く確保しており、他社学習塾や私立学校、公立学校などの自治体向けに講師や教員を紹介・派遣している。「個別指導学院サクシード」ではこうした人材を活用できるため、ローコストで優秀な講師を多く採用することが可能なのである。また、全教室が同社直営で、授業カリキュラムや講師のクオリティ、教室運営などを均一化できるため、どの教室でも生徒や保護者が満足するサービスレベルを維持することが可能となっている。近年は高客単価の中学受験コースの生徒も増えている。

出店に関しては、コロナ禍で一時的に抑制していたが、講師陣など競争力のある個別指導の仕組みを既に構築していることを背景に、2023年3月期に入って再開した。ドミナントエリアの神奈川県に「個別指導学院サクシード」の出店を続けていくという戦略は今後も変わりないが、並行して、ニュータウンなど生徒の人口が増加している首都圏に新たなドミナントエリアを形成していく方針で、2024年3月期には新たなエリアに進出することを計画している。また、長期的には全国展開も考えているようだが、教育に関する理念を共有できる企業と提携してフランチャイズ展開することも検討している。なお、「個別指導学院サクシード」の出店コストは、内装費など多額の費用がかからないため、40ブース程度(1教室当たり在籍生徒数100人~150人)の標準的なモデルでは一般の小売や飲食店に比べて圧倒的に低くなっている。生徒数は出店から2~3年にわたってじわじわと伸びその後安定するため、一旦黒字化すると高い収益性を継続する傾向がある。

(2)「ペンタスkids」
同社は「ペンタスkids」ブランドで、学童クラブの預かり機能に学習と習い事をパッケージしたハイブリッド型学童クラブのサービスを提供している(2023年3月末現在2校)。子どもたちを預かるだけでなく学習と習い事の機能をプラスすることで、教育意識が高く放課後の時間を有効に使いたい保護者のニーズを取り込んだ。内容は、毎日の学習カリキュラムのほか、英会話、プログラミング、体操、思考・表現ワークショップなどが含まれており、料金はやや高めとなるが、これらをオールインワンで提供している。また、学習塾が母体となって運営しているため、経験豊富な講師陣や個別指導教室で確立した指導ノウハウを活用することができる。こうした習い事のオールインワンや学習塾が母体であるという点が、他の学童クラブに対し大きな差別化ポイントになっていると考えられる。現在、共働き世帯の増加とともに急速に学童保育のニーズが高まっており(「小1の壁」)、同社では2024年3月期以降、「個別指導学院サクシード」出店エリアを中心に「ペンタスkids」の出店を拡大していく方針である。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

《SI》

 提供:フィスコ

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