芙蓉リース Research Memo(5):2024年3月期も過去最高業績を更新する見通し
■業績見通し
1. 2024年3月期の業績予想
2024年3月期の業績について芙蓉総合リース<8424>は、売上高を前期比1.6%増の7,000億円、営業利益を同10.5%増の570億円、経常利益を同7.2%増の640億円、親会社株主に帰属する当期純利益を同10.4%増の430億円と増収増益を見込んでいる。
好調な「不動産」「航空機」「エネルギー環境」や、需要が拡大している「BPO/ICT」の伸び(ノンアセット収益の拡大)などが増益に寄与する想定である。前期に中古車価格の高騰により売却益が上振れた「モビリティ」については、市場の落ち着きによる反動等を踏まえ、保守的に見込んでいるようだ。
全体のROAについても、収益性を重視したアセットコントロールやノンアセット収益の拡大により着実な改善を図る。
2. 弊社の見方
弊社では、収益性の高い資産が積み上がっていること、業務効率化や働き方改革などの需要が拡大している「BPO/ICT」の伸びが期待できることから、同社の業績予想は十分に達成可能であるとみている。特に、これまでサービス領域の拡大やチャネル強化に取り組んできた「BPO/ICT」については、「アウトソース+DX」を活用したトータルソリューションの体制が整ってきたことで、拡大する需要を取り込むチャンスが増える可能性が高いと期待している。もちろん、世界的な半導体不足やインフレの進行、金利上昇による影響などの先行き不透明感が漂う外部環境には注意が必要であるものの、複数の成長分野でバランスの良い利益成長を実現している同社にとっては適度な分散効果が期待できるため、下振れのリスクは限定的と捉えても良いであろう。注目すべきは、中期経営計画に掲げる財務目標、ならびに非財務目標の達成に向けた施策とその進捗である。特に社会的課題の解決に向けた取り組みのほか、人材投資やDX戦略をいかに進め、同社の持続的な価値創造に結び付けていくのか、短期・中長期の両面からフォローしていきたい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
《SI》
提供:フィスコ