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1717 明豊ファシリ

東証S
870円
前日比
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PTS
870.2円
13:07 06/21
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
12.6 1.99 4.37
時価総額 111億円
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明豊ファシリ Research Memo(1):発注者支援事業を軸に脱炭素支援やDX支援で持続的成長を目指す


■要約

明豊ファシリティワークス<1717>は、建築に関して技術的な中立性を保ちつつ、発注者側に立って基本計画作成や工事発注方式の検討、競争入札、品質・工程・コストの管理などを行うコンストラクション・マネジメント(以下、CM)事業(発注者支援事業)を展開する。ITの積極活用によりプロジェクトのすべてのプロセスを可視化しており、「フェアネス」と「透明性」を保ちながら高い専門性と提案力に裏打ちされた「高品質なマネジメントサービスの提供」「プロジェクトの早期立ち上げ支援」を行うことで顧客からの信頼を獲得し、成長を続けている。2022年4月の東京証券取引所(以下、東証)市場区分再編に伴い、同市場第1部からスタンダード市場へ移行した。

1. 2023年3月期の業績概要
2023年3月期の業績は、売上高で前期比11.8%増の4,761百万円、経常利益で同11.0%増の960百万円となり2期ぶりに過去最高益を更新した。新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)で様子見していた工場や研究所、公共施設等の建設プロジェクトが動き始めたほか、建築資材価格の高騰や脱炭素化など難度が高まるプロジェクトについても、顧客側に立つプロとして高品質なCMサービスを提供する同社への期待が高まっており、受注粗利益※1についても過去最高を更新した。新規事業となるDX(デジタルトランスフォーメーション)支援事業※2も順調に売上が増加しており、今後の成長が期待される状況となっている。

※1 受注粗利益は、顧客との契約金額から外注費を控除したもの。
※2 DX支援事業では、自社で20年の活用実績を持ち、個人のアクティビティを可視化・定量化し、気づきの確認、一人ひとり及び組織での生産性や働き方向上を支援するマンアワーシステム「Meiho Activity Management System(以下、「MeihoAMS」)」と、建設プロジェクト管理情報や多拠点の施設の維持保全に関する情報を可視化・データベース化することで、効率的なプロジェクトの推進や計画的な維持保全等を実現する情報一元管理システム「Meiho Project Management System(以下、「MPS」)の2つのシステムを提供している。


2. 2024年3月期の業績見通し
2024年3月期の業績は、売上高で前期比0.8%増の4,800百万円、経常利益で同1.0%増の970百万円を見込む。景気の先行き不透明感が続くなかでも、難度の高いプロジェクトや脱炭素化支援などCMサービスの需要は引き続き旺盛だが、体制強化及び社員の処遇向上、DXのさらなる推進に向けた費用増と発注者の建設投資意欲が慎重になることも保守的に想定して横ばい水準とした。ただ、2023年3月期も期初計画では前期比横ばい水準の見通しを立て、結果的には2ケタ台の増収増益を達成したため、今後市場環境が急速に悪化するようなことがなければ、会社計画を上回る可能性が高いと弊社では見ている。なお、人員については前期と同様に10数名の純増を計画に織り込んでいる。

3. 中長期ビジョンと株主還元策について
同社は発注者支援事業の社会的貢献と人的資本経営に関する考えを踏まえて、10年後の明豊ビジョンを策定した。「顧客側に立つプロ」という軸を貫き、発注者支援事業を多面的に進化させることで持続的な成長を図るとともに持続可能な社会の実現に貢献していく考えだ。特に、最近は脱炭素化が建設プロジェクトには欠かせない要素となっており、豊富な実績と専門人材を持つ同社の活躍余地は大きい。また、DX支援サービスのうち情報一元管理システム「MPS」ついては多拠点を展開する大企業や自治体などで活用余地が大きく、今後の導入拡大が期待される。今後も人的資本経営の拡大を図りながら、着実な成長を目指す考えだ。なお、株主還元策として配当方針は1株当たり配当金で年間30円を下限とし、配当性向55%程度を目安に各期の業績の伸びに応じた配当を行うことを基本方針としている。2024年3月期の1株当たり配当金については、配当方針を変更することなく、前期比0.5円増配の32.0円(配当性向55.3%)を下限とし、11期連続の増配を予定している。

■Key Points
・2023年3月期はCM事業の好調により2ケタ増収、過去最高益を更新
・2024年3月期もCM事業がけん引するも、会社業績計画は保守的な印象
・発注者支援事業の進化と脱炭素化支援、DX支援の取り組みにより持続的成長を目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《AS》

 提供:フィスコ

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