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証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
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8769 アドバンRM

東証S
684円
前日比
-6
-0.87%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
16.8 3.31 2.19 9.82
時価総額 118億円
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ARM Research Memo(7):2024年3月期も2ケタ成長の増収増益を予想(2)


■今後の見通し

(d) 人材育成強化・健康経営推進
アドバンテッジリスクマネジメント<8769>は、健康状態向上につながる施策の実施・分析を継続しながら、社員の主体的な行動喚起と改善習慣の定着方法を創出し、健康経営の最先端企業を目指す。また働きがいの創出のために、人財開発の強化や人事制度の改革を進め、「アドバンテッジ インサイト」、EQI(EQ検査)、生活習慣、勤怠、評価などのデータを分析し、人財戦略に生かすことを目標とした。

実績として、「健康経営銘柄」への選定、健康経営宣言とその推進体制の構築、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン推進宣言などを行った。同社は、2022年3月期に続き2023年3月期も「健康経営銘柄2023」に選定された。従業員の健康と活力向上は、従業員とその家族の永続的な幸福のための、そして会社の活力向上のための、もっとも重要な礎であるとした「健康経営宣言」を掲げ、最高責任者、拠点責任者・推進者、衛生委員会、健康管理室による推進体制を構築した。従業員のウェルビーイング向上と持続的な企業価値向上のために、多様な個性と価値観を尊重して認めあい、生き生きと活躍できる環境を創るとした「ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン推進宣言」を掲げた。

(e) ITケイパビリティの強化
同社の付加価値をDXによってより広い顧客層に容易で安価に提供することで、企業価値の向上、従業員のウェルビーイングに貢献する。市場・顧客・競合の変化に迅速に対応するため開発を内製化し、中堅と若手のエンジニアを一緒に配置することにより社内で共有できる知識を蓄積できる環境を整備し、開発力の強化につなげることを目指した。具体的には2021年5月時点の10名の開発者を3年後に30名以上に増員し、SaaSを中心に3年後の年間収益力を40億円程度引き上げる原動力にすることとした。

実績としては、2022年3月期より社内DX推進部の設立、サービス企画部におけるUX/UIデザインの専任チームを発足し、内製化を推進している。IT企画開発職の新卒採用を強化し、2021年には3名、2022年には3名、2023年は2名の増員を図った。2024年3月期時点では、開発者18名(派遣社員を含む)となっている。

(2) 重点施策
各サブセグメントにおいて、中期経営目標を目指すために重点施策を掲げている。

(a) メンタリティマネジメント事業
同社グループは、1)「課題解決運営システム」としての訴求や価格競争力のある総合提案によって新規顧客獲得の再拡大、2)実効性の高いソリューションの積極的な提案とソリューション付帯率の向上、ストック化の実現、3)ウェルビーイングの状態把握・課題の明確化、試作推進を支援するためのクロスセル推進を重点施策とした。

同社は、中期経営計画2023の実施期間内に、「アドバンテッジ ウェルビーイング DXP」を軸に同システム内で稼働するさまざまな個別商材を総合的に提案する部署(「エンタープライズ営業部門」)を設立し、ソリューション付帯率の向上、ストック化、クロスセルを実現し、今後さらに実績向上につながると見ている。

(b) 健康経営事業
同社グループは、1)企業の健康経営推進を目的とした健康情報によるインフラの提供、2)従業員の健康増進に資する実効性のある生活習慣改善ソリューションの提供、3)提供するソリューションの効果検証の仕組み構築及び実行効果の可視化を重点施策とした。

同社は、健康管理システム「アドバンテッジヘルスケア」の提供により、健康診断の予約・結果管理などの健康診断業務の効率化を可能にしており、今後、その健康情報により産業医・保健師との連携がとりやすくなり、ソリューションの実行効果の検証が一層進むものと見られる。

(c) LTD事業
同社グループは、1)各チャネルとの連携強化・マーケティング施策拡大による新規契約獲得の推進、2)既存契約団体の特性に応じた営業施策強化、3)顧客支援システムの強化によるサービス向上を重点施策とした。

LTDは市場が活性したため、企業にとってLTDに対する特別感が減退している。今後、契約先である企業の従業員などに対して職域販売を強化するとともに、コモディティ化が予測される市場において新たな優位性を確立し引き続き新規顧客の獲得を目指す。

(d) 両立支援事業
同社グループは、1)私傷病や産育休におけるニーズなどのターゲットセグメントの拡大による案件の増加、2)各種支援メニューのアップセルによるARPUの向上、3)ADVANTAGE HARMONYの利用シーンを増やすための商品開発を重点施策とした。

会社と傷病休のほか産休・育休・介護休業等により休業中の従業員を繋ぐ休業者管理支援クラウドサービス「ADVANTAGE HARMONY」については、2022年4月から段階的に施行された育児・介護休業法改正への対応ニーズが追い風となり、2023年3月期は大幅に新規契約が増加した。また、コロナ禍において、企業の施設閉鎖や利用制限により、休業者の職場復帰が実施できない状況が続き、職場復帰支援プログラムのオンライン需要が急激に増加したため、もともとADVANTAGE HARMONYの機能の一つであるクラウド型の復職・両立支援プログラム「eRework」単体での販売提供を開始した。2023年4月、ダスキン<4665>にも提供している。

(3) 中期経営目標
中期経営計画における全社数値目標は、2024年4月期において、売上高9,000?11,000百万円、営業利益は1,600?2,200百万円としたが、2023年5月に売上高については7,280百万円、営業利益については850百万円に下方修正した。

2022年3月期に発生した新「アドバンテッジ タフネス」への切替えの負荷、コロナ禍における営業活動の停滞により新規契約の獲得やソリューション売上の回復に遅れが生じたが、2023年3月期の売上高は前期比で2ケタ成長、2024年3月期も順調に推移する見込みである。計画策定当初の取り組みは戦略的には十分な成果を出しており、同社では、今後は順調に成長すると見ている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 中山博詞)

《SI》

 提供:フィスコ

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