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5929 三和ホールディングス

東証P
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時価総額 1315億円
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三和HD Research Memo(6):2024年3月期は、減益予想となるものの、中計目標を超える利益を計画


■三和ホールディングス<5929>の今後の見通し

● 2024年3月期の業績予想
今後の世界経済は、コロナ禍の沈静化やサプライチェーン混乱の改善により回復基調にはあるものの、世界的なインフレーションやエネルギー価格の高騰に加え、各国での政策金利上昇や為替相場動向などの金融不安、地政学リスクの高まりにより先行きは不透明な状況が続くものと想定される。

こうした環境下、同社グループは、2023年3月期より「三和グローバルビジョン2030」を掲げ、その第一次としてスタートした「中期経営計画2024」の2年目を迎え、高機能開口部ソリューションのグローバルリーダーへ向けた基盤の確立に注力し、引き続き、基本戦略を推進する計画だ(詳細は後述)。

以上から、同社グループは2024年3月期について、売上高580,000百万円(前期比1.4%減)、営業利益47,500百万円(同15.6%減)、経常利益46,500百万円(同11.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益31,800百万円(同3.9%減)と、減収減益を予想する。売上高では、米州での売価軟化に伴う大幅減収を見込むものの、日本、欧州、アジアの増収によって、前期比で概ね横ばいを計画する。また、営業利益では、原材料価格は米州を中心に下落するものの、それを上回る販売価格の下落によって減益を見込む。それでも、予想する営業利益は推進中の中期経営計画最終年度の目標を上回る水準である。また、当期純利益については、当期は前期のような大きな特別損失は見込んでいない。ただ、例年、同社グループによる期初の業績予想は保守的であり、最終的には予想を上回って着地する可能性が高いと弊社では考える。

セクター別の業績見通しは以下のとおりである。

(1) 日本
グループの中心である三和シヤッター工業と国内子会社の業績は、売上高2,597億円(前期比2.7%増)、営業利益258.0億円(同4.4%増)を予想している。売上高は、大型都市開発や工場建設によるドア等の数量増が期待できることから増収を見込む。営業利益では、コストアップが継続するが、売価転嫁に取り組み、堅実な増益を計画する。営業利益率は前期の9.8%から9.9%と前期並みの水準を維持する見通しだ。

(2) 米州(ODC)
米国のODCの業績は、売上高2,013億円(前期比8.1%減)、営業利益179.2億円(同38.3%減)と、減収減益を予想している。住宅市場減速の影響を非住宅でカバーすることで数量増を見込む。住宅市場については既に減速が始まっているが、一方で非住宅は好調である。ただ、売価軟化の可能性を織り込み大幅な減益を予想する。その結果、営業利益率は前期の13.3%から8.9%に低下する見込みだ。

(3) 欧州(NF)
欧州のNFの業績は、売上高1,070億円(前期比1.4%増)、営業利益48.3億円(同13.2%増)を予想している。厳しい市場環境の中、非住宅を中心に受注の確保に努めることで小幅の増収を予想する。特に主力のドイツではエネルギー価格高止まりなど環境が悪く、また住宅セクターの環境が厳しいが、フランスを中心とした南欧での非住宅でカバーし、売上を確保する計画だ。営業利益は、コストアップが大きいものの売価転嫁により増益を計画する。営業利益率は前期の4.0%から4.5%に改善する見通しである。

(4) アジア
アジア事業の業績は、売上高153億円(前期比39.4%増)、営業利益5.0億円(同93.5%増)を予想している。三和NF常熟、香港のAUBの2社が新たに連結対象に加わることで、大幅な増収増益を見込む。営業利益率は前期の2.3%から3.3%に改善する見通しである。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)

《SI》

 提供:フィスコ

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