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証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
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2685 アダストリア

東証P
3,370円
前日比
-60
-1.75%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
12.3 2.05 2.67 1.82
時価総額 1,645億円
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【和島英樹のマーケット・フォーキャスト】─外国人買いの行方が焦点に、テーマでは全固体電池関連に期待


「外国人買いの行方が焦点に、テーマでは全固体電池関連に期待」

●リバランス売りは一巡、下旬のFOMCを注視

 7月の東京株式市場は、引き続き堅調な展開となりそうだ。6月期末を抜けて年金などのリバランス売りが一巡したほか、経済再開の動きの継続、円安による3月期決算企業の業績後押しなどが手掛かり材料となる。7月の日経平均株価の予想レンジは3万2300円~3万4200円。

 需給面では、外国人投資家の買いが継続するかが最大のポイントだ。6月第3週の現物市場では13週ぶりの売り越しとなった。4月以降の上昇局面で初めての売り越しであり、買いの勢いが弱まった可能性がある。また、7月7日、10日は指数連動型ETF(上場投資信託)の分配金支払日にあたり、この資金を捻出するために合計で1兆1000億円程度の換金売りが出るとの見方もある。一方、6月末を通過したことで、株価上昇に伴う年金などの株式リバランス売りは一巡した。

 主なスケジュールは、米国で3日にISM製造業景気指数、6日に6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録、7日に雇用統計、12日に消費者物価指数、13日に卸売物価指数、18日に小売売上高、26日にFOMCの結果発表などが予定される。欧州では、欧州中央銀行(ECB)理事会が27日に開催される。一方、国内では3日に日銀短観(6月調査)、14日にオプションSQ(特別清算指数算出)、28日に日銀金融政策決定会合の結果発表などが予定されている。注目は米雇用統計で、雇用や賃金動向などで景気の先行きを占う展開となる。また、前回のFOMCでは利上げを見送ったものの、今回再開されるかが焦点だ。為替市場では低金利策を継続する日本の円が独歩安となっており、日銀会合で動きが出る可能性を指摘する向きもある。

 また、米国では中旬から4-6月期の決算発表が増加し、国内では小売業を中心に3-5月期決算発表がピークを迎える。さらに月末以降から3月期決算企業の第1四半期(4-6月)決算の発表が本格化する。円安もあり、業績の上方修正期待が高まりつつある。

●出遅れセクターに出直りの動き、自動車・機械株の決算にも注目

 物色面では、先駆した主力の半導体関連株商社株に短期的な一服感が出ている半面、出遅れていたセクターなどに矛先が向かいつつある。そのリード役が川崎汽船 <9107> [東証P]を先導役とする海運株だ。日本郵船 <9101> [東証P]、商船三井 <9104> [東証P]などは2024年3月期の業績悪化を警戒して22年高値から調整してきたが、出直り色を強めている。また、PBR(株価純資産倍率)が低く、利回り面の妙味がある三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> [東証P]を始めとしたメガバンクや日本製鉄 <5401> [東証P]などの鉄鋼株、三井化学 <4183> [東証P]といった総合化学も堅調だ。

 経済再開やインバウンドの増加で、小売りの3-5月期決算への関心が高い。百貨店の高島屋 <8233> [東証P]、J.フロント リテイリング <3086> [東証P]、アパレルではオンワードホールディングス <8016> [東証P]、アダストリア <2685> [東証P]、また、ドラッグストアでスギホールディングス <7649> [東証P]、映画の東宝 <9602> [東証P]などをチェックしたい。

 3月決算企業の第1四半期決算発表では、半導体不足からの挽回生産が進んでいるとみられるトヨタ自動車 <7203> [東証P]、ホンダ <7267> [東証P]などの自動車株、設備投資増が追い風になるファナック <6954> [東証P]、ダイフク <6383> [東証P]、オークマ <6103> [東証P]といったFA(工場自動化)、機械株などの決算内容に注目したい。円安基調も追い風となる。

 テーマでは、トヨタが6月13日に航続距離を伸ばすことに有用な 全固体電池搭載の電気自動車(EV)を2027年にも投入すると発表したことを受けて、関連企業の業績への期待感が浮上しつつある。三井金属鉱業 <5706> [東証P]は全固体電池向け固体電解質「A-SOLiD(エー・ソリッド)」を手掛けている。同社が長年培った電池材料技術を活かして開発した。トヨタ向けに供給との報道がある。出光興産 <5019> [東証P]も6月19日に、全固体電池向け固体電解質の供給能力増強を発表している。

 豊田自動織機 <6201> [東証P]はトヨタとバイポーラ電池を共同で開発。バイポーラ型蓄電池は、1枚の電極基板の表と裏にそれぞれ正極と負極を有するシンプルな構造に特長がある。トヨタは先の発表でバイポーラ構造を全固体電池でも採用する方針を示したと報じられている。経産省の助成金の対象にもなっている。

 豊田通商 <8015> [東証P]はトヨタのEVに使われるリチウムなどの レアメタルをほぼ一手に供給。全固体電池になっても、レアメタルは引き続き重要だ。

(6月29日 記/次回は7月30日配信予定)

■和島英樹(Hideki Wajima)

株式ジャーナリスト
日本勧業角丸証券(現みずほ証券)入社。株式新聞社(現モーニングスター)記者を経て、2000年にラジオNIKKEIに入社。東証・記者クラブキャップ、解説委員などを歴任。現在、レギュラー出演している番組に、ラジオNIKKEI「マーケットプレス」、日経CNBC「デイリーフォーカス」毎週水曜日がある。日本テクニカルアナリスト協会評議委員。国際認定テクニカルアナリスト連盟認定テクニカルアナリスト(CFTe)。

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