コニシ Research Memo(4):「化成品」は自動車向けを中心に堅調に推移、営業利益は大幅増
■コニシ<4956>の業績動向
(2) 化成品
化成品の売上高は34,674百万円(前期比8.9%増)、営業利益は1,265百万円(同27.9%増)となった。主な業界別状況は以下のとおりとなった。但し、化成品は「収益認識に関する会計基準」の影響を最も大きく受けるため、下記に述べる業界別状況については「収益認識適用前」での開示となっている。「収益認識適用前」のセグメント売上高は、64,953百万円(同5.0%増)であった。
a) 自動車:売上高23,605百万円(前期比12.9%増)
新規採用、マグネットなどの車載部品用商材が増加し、売上高は伸長した。
b) 化学工業:売上高9,026百万円(同1.0%増)
樹脂原料が好調に推移し、増収に寄与。
c) 電子・電機:売上高7,251百万円(同4.5%減)
低利益商材の撤退により売上高は減少したが、放熱用材料などの好採算品が好調で利益は伸長した。
d) 塗料:売上高4,116百万円(同3.6%増)
需要は堅調に推移した。
e) 丸安産業(株)(連結子会社):売上高16,048百万円(同5.5%増)
半導体製造装置用材料が好調に推移した。
「工事事業」は増収ながら、前期の反動で大型案件が剥離して減益
(3) 工事事業
「工事事業」の売上高は19,514百万円(前期比8.3%増)と増収となったものの、前期に比べて採算の良い大型工事の完工が減少したことで営業利益は1,606百万円(同4.0%減)と、僅かだが減益となった。各子会社やサブセグメントの状況は以下のとおりであった。
a) ボンドエンジニアリング(連結子会社):売上高12,916百万円(前期比8.3%増)
橋梁などの社会インフラの補修・改修・補強工事が好調に推移した。
(注:2022年6月に山昇建設(株)を吸収合併したが、前期当期ともに山昇建設の売上高を含んでいる)
b) コニシ工営(連結子会社):売上高1,597百万円(同11.1%増)
公共工事関連が順調に推移し、増収を確保した。
c) 近畿鉄筋コンクリート(連結子会社):売上高1,206百万円(同12.0%減)
工事時期の集中があり、対応可能工事が減少して減収となったが、足元の受注は堅調に推移している。
d) 角丸建設(連結子会社):売上高3,273百万円(同3.0%減)
静岡を地盤とする土木建設会社である。前期並みの大型工事案件が得られず、減収となった。但し、受注は順調に推移している。
e)中信建設(連結子会社):売上高539百万円
2023年1月に連結子会社化した長野県にある土木建築工事会社である。
(4) その他
不動産賃貸業が中心の事業で、売上高182百万円(同5.7減)、営業利益2百万円(同88.2%減)となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
《YI》
提供:フィスコ