NSW Research Memo(10):「デジタル変革による社会と企業の持続的成長の両立」を目指す(3)
■中長期の成長戦略
4. サステナビリティへの取り組み
NSW<9739>では、企業理念である「Humanware By Systemware」に基づく事業活動を通じ、時代とともに変化する様々な社会課題の解決に取り組んできた。中期経営計画においても企業としての成長と社会課題の解決の両立を目指してESGをはじめとしたサステナビリティ(持続可能な社会の実現)経営を推進していく方針である。
環境への取り組みとしては2013年4月に環境方針を発表し、効率化・省力化のためのソリューションを提供することで環境負荷の軽減を目指すほか、オフィスの省エネ・省資源活動などに取り組んでいる。一例を挙げると、(一社)情報サービス産業協会(JISA)が策定した「低炭素化社会実行計画」に基づき、2030年度のエネルギー原単位をオフィスで37.7%削減(2006年度比)、データセンターで7.8%削減(同)することなどを目標としている。また、2005年2月には、日本規格協会ソリューションズ(株)から「環境マネジメントシステムISO14001」の認証を取得したほか、2010年度以降、東京都の条例に基づく「地球温暖化対策計画書」を毎年公表している。
社会との関わりとしては、ダイバーシティを挙げている。創業以来、個性、感性、創造性など「ヒューマンウエア」を大切にし、従業員の多様性、人格、個性を尊重するとともに、安全で働きやすい環境づくりに努めており、仕事と家庭生活の両立を支援する様々な施策、各種制度の整備(フレックスタイムなどの勤務体系の整備、失効年休の利用制度、出産などを理由に退職した社員の再雇用制度)を実施してきた。これらの活動が評価され、2007年から次世代育成支援対策推進法に基づく認定(認定マーク愛称:くるみん)を受けている。また、特例子会社のNSAを通じて障害者を積極的に雇用しており、事務系サポート、技術系サポート、ファシリティ管理サポート、企業内マッサージなど様々な業務を行っている。
ガバナンスでは従来からコーポレート・ガバナンスに注力しており、迅速かつ的確な意思決定を行うこと、並びに株主や投資家に対し、経営の透明性を高めていくことが企業としての重要課題であると認識している。そのために、取締役会構成員数の適正化、執行役員制度の導入、社外取締役の選任など、制度の見直しを適宜図っている。また、継続的なディスクローズ活動及びIR活動を通じて、株主や投資家の声を経営に反映する努力を続けている。
近年、「Environment(環境)」「Social(社会)」「Governance(企業統治)」に対する企業の取り組みを重視して投資銘柄を選定するESG投資が世界的に重視される傾向にあり、日本でも成長余地が大きいと見られる。その意味でも、環境・社会貢献活動に積極的に取り組む同社が注目される可能性は高いと弊社では見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
《SI》
提供:フィスコ