天昇電 Research Memo(7):2024年3月期の営業利益は前期比32.2%増予想だが上振れも
■今後の見通し
天昇電気工業<6776>の2024年3月期の連結業績は、売上高28,000百万円(前期比17.2%増)、営業利益800百万円(同32.2%増)、経常利益750百万円(同0.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益500百万円(同18.3%減)と予想されている。依然としてロシア・ウクライナ情勢や米中の覇権争いの影響など不透明要因が多いものの、自動車生産はさらに回復すると予想していること、竜舞プラスチックも寄与すること、米国子会社におけるメキシコ第二工場の稼働が本格化することなどから、増収増益を見込んでいる。ただし、弊社ではこの予想はかなり控え目であり、自動車生産の状況や米国子会社の新工場の稼働率によっては、これらの予想が上方修正される可能性があると見ている。
メキシコ工場の稼働ペースが不確定であり、場合によってはさらなる追加投資の可能性もあることから、設備投資額と減価償却費の見込みは開示されていない。しかし弊社では、設備投資額は例年並みの1,500百万円~2,000百万円の水準、減価償却費は2,000~2,200百万円の水準になると推測している。仮に減価償却費が2,200百万円とすると、償却前営業利益は3,000百万円(前期比20.1%増)となり、好決算が続くと思われる。なお経常利益以下が前期比で減益となるのは、受取補償金や為替差益などの営業外収益、補助金収入などの特別利益が剥落する予定のため。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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提供:フィスコ