三井松島HD Research Memo(9):2023年3月期は中間配当、創業110周年・最高益記念配当を実施
■株主還元策
三井松島ホールディングス<1518>は、株主に対する利益の還元を経営上重要な施策の1つとして位置付けており、将来における安定的な企業成長と経営環境の変化に対応するために必要な内部留保を確保しつつ、経営成績に応じた株主への利益還元を継続的に行うことを基本方針としている。なお、中期経営計画における配当性向目標30%を目安とするが、最終的には総合的な観点から決定している。これらの基本方針に基づき、普通配当ベースで過去17年間減配なく配当を実施してきた。2023年3月期は中間配当80.0円及び創業110周年・最高益記念配当240.0円を行ったことにより、年間配当金(1株当たり)は前期比240.0円増の320.0円(配当性向18.1%)と前期(1株当たり80.0円)を大きく上回った。2024年3月期に関しては、1株当たり80.0円(中間40.0円、期末40.0円)に加えて、自己株式の取得を行うことにより、総還元性向30%を目指す。
2025年3月期以降に関しても、普通配当80円(年額)を下回らない水準を堅持しながら、株主還元を行う方針だ。M&Aを実行しながら同社のキャッシュ創出力は今後も順調に高まっていくと弊社は見ている。実際、生活関連事業のセグメント利益にM&Aの費用として損益計算書から引かれる「のれん償却費」(実際のキャッシュアウトは伴わないにも関わらず、毎年一定額が費用として計上されるため、足し戻した金額が純粋なキャッシュ総出力となる)を足し戻したのれん償却前セグメント利益は確実に増加してきている。今後も、質の高いM&Aを実施する中で配当の原資となるキャッシュを積み上げ、しっかりと株主に還元していくものと弊社は見ている。
同社は、株主優待制度も実施している。2023年3月期は花菱の商品優待券(10,000円)や、(株)エムアンドエムサービスが運営する18の宿泊施設及び三井港倶楽部、ラ・ロシェル3店舗で利用できる施設優待割引券(3,000円)を保有株数に応じて贈呈しているほか、新たにケイエムテイのプレミアムペットフード優待券(2,500円相当)を加えた。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)
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提供:フィスコ