テクマト Research Memo(5):2023年3月期はM&A効果により過去最高業績を大きく更新
■業績動向
1. 2023年3月期の業績概要
テクマトリックス<3762>の2023年3月期の連結業績は、売上収益で前期比25.8%増の45,950百万円、営業利益で同36.5%増の5,098百万円、税引前利益で同36.3%増の5,066百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益で同24.4%増の2,950百万円といずれも過去最高を更新し、会社計画に対しても上回って着地した。なお、受注高は同36.6%増の58,427百万円、期末受注残高は前期末比31.2%増の52,409百万円となり、それぞれ過去最高を更新した。
売上収益は情報基盤事業の好調持続に加えて、医療システム事業において旧PSPの業績が通年で寄与した(前期は2ヶ月)。利益面では医療システム事業が増益のけん引役となった。親会社の所有者に帰属する当期利益の増益率が税引前利益よりも低くなったのは、新生PSPの利益増により非支配持分利益が前期の186百万円から687百万円に拡大したことによる※。会社計画比での業績上振れ要因は、新生PSPにおいてオンプレミス製品(旧PSP製品)のクラウドシフトが想定よりも進まなかったことで、計画以上に業績が伸張したことが主因だ。なお、同社は2022年12月に本社を移転(東京都港区港南)するとともに、グループ会社の本社機能も同一拠点に集約した。この移転関連費用として2023年3月期に339百万円を販管費に計上したが(前期はその他の費用項目として445百万円を計上)、本社機能を集約化したことによって、今後はグループの連携がより一層強化されシナジーが促進されるものと期待される。
※同社の新生PSPへの出資比率は50.02%。前期の旧NOBORIへの出資比率は66.66%であり、出資比率が低下したことも非支配持分利益が増加した一因となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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提供:フィスコ