いい生活 Research Memo(2):不動産業界へのクラウド・アプリケーションの提供
■いい生活<3796>の会社概要
1. 事業概要
元々金融業界出身であった創業メンバーが、金融業界でIT化が進んでいった時期にその構造変化を目の当たりにし、不動産も金融も同じく資産を運用する市場であり、本質的には共通する側面があることを感じ、金融市場での経験を基に不動産市場に応用できるビジネスモデルを考案した。2022年2月には(一社)全国賃貸不動産管理業協会(全宅管理)と業務提携を行い、全宅管理会員向けの推奨システムの1つとして提供されている。
2. 沿革
各社が個別のシステムを使うのではなく、インターネットを使ったシステムの提供によって不動産業者が本来の業務に注力できるような環境が整備できるとの考えのもと、2000年1月に同社はクラウドによるシステム・アプリケーションの提供を行うことを目的に設立された。2000年8月にはクラウドサービスを提供するためのノウハウを蓄積するために生活総合サイトの運用を開始し、2006年2月には、東京証券取引所(以下、東証)マザーズに株式を上場した。
設立当初からASP(アプリケーションサービスプロバイダ: インターネットを経由してソフトウェアやソフトウェア稼働環境を提供)によるシステム・アプリケーションを提供している。まず、不動産(賃貸・流通)物件情報管理データベース・システムのリリースを行い、情報セキュリティマネジメントシステムの国際標準規格である「ISO/IEC 27001」の認証を取得した。2012年4月から独自のクラウドサービス及び各種オプションをワンパッケージ化した不動産会社の基本業務全域をカバーする「ESいい物件One」の提供を開始し、2016年8月には東証第二部に市場変更を行い、2018年9月には、現 連結子会社である(株)リアルテック・コンサルティングを東京都港区に設立した。新サービスの開発にも積極的で、物件管理、入居者支援、業者間プラットフォーム、デジタルマーケティングといった各業務領域をつなぐ一元化されたクラウド物件・顧客情報データベースを基に業務クラウドシリーズ群、不動産プラットフォーム群の各サービスを開発、リリースしてきた。2021年3月には経済産業省が定める「DX認定取得事業者」に認定され、2022年4月には、東証の市場区分見直しに伴い、東証スタンダード市場に移行した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 中山博詞)
《AS》
提供:フィスコ