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証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
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4687 TDCソフト

東証P
1,067円
前日比
-21
-1.93%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
16.3 2.72 2.25 4.07
時価総額 536億円
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TDCソフト Research Memo(5):2023年3月期は増収増益で過去最高を達成(1)


■業績動向

1. 情報サービス産業を取り巻く環境
情報サービス産業を取り巻く環境は、テレワーク環境の整備・強化に向けた需要が一巡した。一方で、クラウドコンピューティング、AI、IoT、RPA、ブロックチェーン、マイクロサービス等の技術革新によるDXの潮流が、企業の競争力強化に向けた戦略的な投資需要を高めた。特にTDCソフト<4687>が強みを持つ金融業界においては、老朽化した基幹システムではビジネス環境の激しい変化に対応できなくなってきており、現行の情報資産を生かしながら競争力強化に向けた次世代システムに刷新する、モダナイゼーションの動きが活発化している。

2. 2023年3月期の業績
2023年3月期の連結業績は、売上高35,242百万円(前期比14.0%増)、営業利益3,458百万円(同16.6%増)、経常利益3,714百万円(同20.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,490百万円(同20.4%増)と過去最高を達成した。テレワーク環境の整備・強化に向けた需要が一服する一方、DXを背景とした企業の戦略的なIT投資需要が活発になり、すべての事業分野が好調に推移。高付加価値SIサービスも順調に拡大。期初計画を期中に2回上方修正したが、最終計画に対して売上高は0.7%増、営業利益は0.3%増、経常利益は3.1%増、親会社株主に帰属する当期純利益は2.0%増で着地した。需要増に対応した技術者を確保するため外注費、労務費など原価が増加するとともに、将来の事業領域拡大に向けた職場環境の整備などワークプレイス戦略や技術、人材への積極的な投資を推進したことにより販管費も増加したが、増収効果により増益となった。

重点戦略分野としてアジャイル開発、セキュリティ関連のほか、これに続く要素技術の投資を積極的に推進。新たにフロントエンドフレームワーク、オートメーションマネージドサービスを投資対象に加え、次世代型SI事業の拡大を図った。また、マネージドサービス等の事業領域を拡大しているほか、マーケティング機能やプロダクトセールス機能の拡充によるサービス製品販売事業の拡大や、SAFe(R)を用いたコンサルティングサービスなどを専門的に推進する部署を新設して取り組みの強化を図っている。

分野別では、ITコンサルティング&サービス分野が前期比47.9%増と高い伸びとなり、分野別の構成比も前期の12.5%から16.3%に拡大した。そのほか、金融ITソリューション分野、公共法人ITソリューション分野、プラットフォームソリューション分野も堅調な伸びとなり、基本的に各分野とも好調だったといえよう。この要因としては、良好な事業環境のなかで豊富な仕事をこなすための人材を順調に投入できたことが挙げられる。人材投資は積極的に進めているものの、すぐさま戦力につなげるのは難しいと考えられるなか、パートナーとのアライアンスを強化したことが奏功した。さらに下請けといった位置付けから、パートナーと得意・不得意分野を補完し合う横のつながりを強めたことにより、新たなクライアントのニーズを取り込むことに成功している。情報サービス業界において当面は人的資源の確保が大きな命題となるため、パートナーとの連携を今後も強めるものと弊社では考えている。

3. 事業分野別の業績
(1) ITコンサルティング&サービス分野
2023年3月期においては、顧客企業のDX推進に向けたIT需要の高まりを背景に、ITサービス管理、クラウドマネージドサービス関連の案件が好調に推移。SaaS、iPaaSなどのクラウド系ソリューションにおいて収益性の高いプライム案件が拡大し、売上高は前期比47.9%増の5,733百万円となった。

(2) 金融ITソリューション分野
2023年3月期においては、クレジット関連の大規模案件がけん引して、売上高は前期比10.5%増の15,900百万円だった。クレジット、銀行関連のクラウド化やモダナイゼーション需要が活発に推移しており、弊社では先行きに対しても強気の見方を持っている。

(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)

《SI》

 提供:フィスコ

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