利益成長“青天井”銘柄リスト【総集編】第3弾 30社選出 <成長株特集>
本特集では、4月下旬から5月中旬までの決算発表集中期間に随時配信した「利益成長“青天井"銘柄リスト」を、“全期間”を対象に再構成した総集編をお届けします。「第1弾」(6月4日)、「第2弾」(6月8日)に続き、今回は時価総額250億円以上600億円未満の銘柄(第1弾を配信した4日時点)を対象に、23年1-3月期に四半期ベースの過去最高益を更新し、かつ今期も最高益を見込む、いわゆる利益が“青天井”状況になっている銘柄をリストアップした。
下表では、本決算月にかかわらず、23年1-3月期に経常利益が全四半期ベースの過去最高益を更新した銘柄をピックアップ。さらに、会社側が今期(通期計画)も過去最高益見通しを示している30社を選び出し、1-3月期の過去最高益に対する上振れ率が大きい順に記した。
上振れ率トップとなったのは、カンロ <2216> [東証S]。1-3月期(第1四半期)は力強い成長が継続するグミ市場で「ピュレグミ」をはじめとする主力ブランドの販売が好調に推移したうえ、新型コロナウイルスのオミクロン株の感染拡大や花粉飛散量の増加を背景にのど飴も大きく伸びた。業績好調に伴い、減益予想だった23年12月期通期の経常利益を一転して最高益見通しに上方修正するとともに、配当も増額修正した。これを受けて株価は5月8日に約33年3ヵ月ぶりに上場来高値を更新し、その後も上値追いを続けている。
2位にリスト入りした北海道ガス <9534> [東証P]の1-3月期(第4四半期)は、原料コストの変動を迅速にガス料金に反映させる原料費調整制度によってガスの販売単価が上昇したほか、原料調達の取り組み成果や業務改革の推進なども寄与し、売上高、経常利益ともに過去最高を更新した。併せて発表した24年3月期の経常利益は前期比0.8%増の135億円と4期連続で最高益を更新する見通しだ。好決算を背景に株価は約26年5ヵ月ぶりの高値圏を舞う展開となっている。
3位のファイバーゲート <9450> [東証P]は、マンションやアパート向け全戸一括インターネット接続(Wi-Fi)サービスを展開する主力のホームユース事業でリードタイムの長かった新築案件の貢献が始まり、1-3月期(第3四半期)の経常利益は前年同期比45.0%増の7.3億円に伸びて着地。また、創業20周年記念配当を実施する形で、期末一括配当を従来計画の7円→9円に増額修正した。株価は年初来高値を連日で更新している。
4位に入ったのはDTPサービス大手の日本創発グループ <7814> [東証S]。1-3月期(第1四半期)は行動制限の緩和によるイベント開催の再開などを背景に企業の販促・広告活動が持ち直し、販促ツール・サービスの需要が増加したほか、前期に買収した企業の業績上積みなども寄与し、売上高、経常利益ともに過去最高を更新した。好業績が評価され、株価は5日に上場来高値650円まで上値を伸ばしている。
6位のSBテクノロジー <4726> [東証P]は製造業向けのクラウド構築案件が増加したほか、マネージドセキュリティサービスなども好調だった。1-3月期(第4四半期)の経常利益は20.1億円(前年同期比33.0%増)と8四半期ぶりに最高益を塗り替えた。続く24年3月期の同利益は前期比15.5%増の63.5億円と5期連続の最高益更新を見込む。26位には子会社のサイバートラスト <4498> [東証G]も入った。
選出リストには企業の旺盛なIT投資需要を捉える情報・通信業が目立つ。ソフト開発会社のNSW <9739> [東証P]、クレスコ <4674> [東証P]、アイティフォー <4743> [東証P]、eBASE <3835> [東証P]のほか、ビッグデータや人工知能(AI)を活用した業務改善支援サービスに強みを持つダブルスタンダード <3925> [東証P]、ユーザーローカル <3984> [東証P]は決算発表後に年初来高値を更新している。
なかでもユーザーロカの株価は6月に入ってから急騰劇を演じている。直近3ヵ月の1-3月期(第3四半期)はマーケティング支援サービスやAIを活用した顧客サポート業務の自動化サービスの販売促進に注力し、3四半期連続の最高益更新を遂げた。また、「ChatGPT」をはじめとした対話型AI・生成AIとのサービス連携に積極姿勢で生成AI関連としても脚光を浴び、約6年2ヵ月ぶりの高値圏に急浮上している。
┌─ 四半期 経常利益 ─┐ ┌── 通期 経常利益 ──┐ 予想
コード 銘柄名 上振れ率 1-3月期 過去最高 上振れ率 今期予想 過去最高 PER
<2216> カンロ 59.8 1192 746 23.4 2470 2001 15.6
<9534> 北ガス 52.8 9708 6353 0.8 13500 13395 4.0
<9450> ファイバーG 45.0 738 509 22.2 1960 1604 23.8
<7814> 日本創発G 40.1 1568 1119 1.5 3700 3644 13.5
<3153> 八洲電機 37.5 2833 2061 2.4 3000 2929 14.0
<4726> SBテク 32.2 2010 1520 15.5 6350 5499 12.3
<9739> NSW 26.1 2001 1587 3.8 5650 5442 9.1
<4674> クレスコ 24.5 1933 1553 4.6 5370 5135 11.5
<7972> イトーキ 21.4 4824 3974 2 6500 6369 11.2
<6381> アネスト岩田 21.3 2191 1807 0.8 7100 7043 10.1
<2705> 大戸屋HD 19.6 324 271 77.9 1391 782 26.0
<3901> Mラインズ 18.5 525 443 17.1 1900 1622 26.0
<3772> ウェルス 17.4 5640 4805 41 7500 5317 6.6
<3496> アズーム 14.9 317 276 42.2 1240 872 43.5
<8798> Aクリエイト 11.1 1087 978 39.0 2800 2015 14.8
<5805> SWCC 10.0 3509 3190 2.0 10600 10393 7.9
<6099> エラン 8.7 997 917 6.1 3620 3411 19.7
<6564> ミダックHD 7.4 798 743 6.8 2875 2692 26.2
<3925> ダブスタ 6.6 658 617 10.4 2330 2111 18.8
<4743> ITFOR 6.5 1051 987 5.6 3460 3278 12.1
<7715> 長野計器 6.1 1487 1402 17.1 5800 4954 8.8
<6918> アバール 5.5 690 654 8.6 2710 2495 13.5
<3784> ヴィンクス 5.3 932 885 3.0 3150 3058 11.5
<3561> 力の源HD 4.7 712 680 10.5 2564 2321 23.1
<2749> JPHD 2.9 1223 1188 2.6 3842 3745 12.1
<4498> サイバトラス 2.3 398 389 31.5 1400 1065 30.1
<3984> ユーザーロカ 1.7 357 351 15.7 1178 1018 57.0
<6088> シグマクシス 1.4 992 978 17.9 3850 3265 18.0
<1870> 矢作建 1.2 3811 3767 21.3 9500 7829 7.7
<3835> eBASE 0.9 656 650 7.5 1500 1395 34.5
※2022年4月以降に上場した企業と今期見通しを開示していない企業は除いた。四半期の過去最高益は原則、四半期決算の開示が本格化した2003年4-6月期以降の業績に基づいたものです。
※過去最高益は同一会計基準内が対象。
株探ニュース
下表では、本決算月にかかわらず、23年1-3月期に経常利益が全四半期ベースの過去最高益を更新した銘柄をピックアップ。さらに、会社側が今期(通期計画)も過去最高益見通しを示している30社を選び出し、1-3月期の過去最高益に対する上振れ率が大きい順に記した。
上振れ率トップとなったのは、カンロ <2216> [東証S]。1-3月期(第1四半期)は力強い成長が継続するグミ市場で「ピュレグミ」をはじめとする主力ブランドの販売が好調に推移したうえ、新型コロナウイルスのオミクロン株の感染拡大や花粉飛散量の増加を背景にのど飴も大きく伸びた。業績好調に伴い、減益予想だった23年12月期通期の経常利益を一転して最高益見通しに上方修正するとともに、配当も増額修正した。これを受けて株価は5月8日に約33年3ヵ月ぶりに上場来高値を更新し、その後も上値追いを続けている。
2位にリスト入りした北海道ガス <9534> [東証P]の1-3月期(第4四半期)は、原料コストの変動を迅速にガス料金に反映させる原料費調整制度によってガスの販売単価が上昇したほか、原料調達の取り組み成果や業務改革の推進なども寄与し、売上高、経常利益ともに過去最高を更新した。併せて発表した24年3月期の経常利益は前期比0.8%増の135億円と4期連続で最高益を更新する見通しだ。好決算を背景に株価は約26年5ヵ月ぶりの高値圏を舞う展開となっている。
3位のファイバーゲート <9450> [東証P]は、マンションやアパート向け全戸一括インターネット接続(Wi-Fi)サービスを展開する主力のホームユース事業でリードタイムの長かった新築案件の貢献が始まり、1-3月期(第3四半期)の経常利益は前年同期比45.0%増の7.3億円に伸びて着地。また、創業20周年記念配当を実施する形で、期末一括配当を従来計画の7円→9円に増額修正した。株価は年初来高値を連日で更新している。
4位に入ったのはDTPサービス大手の日本創発グループ <7814> [東証S]。1-3月期(第1四半期)は行動制限の緩和によるイベント開催の再開などを背景に企業の販促・広告活動が持ち直し、販促ツール・サービスの需要が増加したほか、前期に買収した企業の業績上積みなども寄与し、売上高、経常利益ともに過去最高を更新した。好業績が評価され、株価は5日に上場来高値650円まで上値を伸ばしている。
6位のSBテクノロジー <4726> [東証P]は製造業向けのクラウド構築案件が増加したほか、マネージドセキュリティサービスなども好調だった。1-3月期(第4四半期)の経常利益は20.1億円(前年同期比33.0%増)と8四半期ぶりに最高益を塗り替えた。続く24年3月期の同利益は前期比15.5%増の63.5億円と5期連続の最高益更新を見込む。26位には子会社のサイバートラスト <4498> [東証G]も入った。
選出リストには企業の旺盛なIT投資需要を捉える情報・通信業が目立つ。ソフト開発会社のNSW <9739> [東証P]、クレスコ <4674> [東証P]、アイティフォー <4743> [東証P]、eBASE <3835> [東証P]のほか、ビッグデータや人工知能(AI)を活用した業務改善支援サービスに強みを持つダブルスタンダード <3925> [東証P]、ユーザーローカル <3984> [東証P]は決算発表後に年初来高値を更新している。
なかでもユーザーロカの株価は6月に入ってから急騰劇を演じている。直近3ヵ月の1-3月期(第3四半期)はマーケティング支援サービスやAIを活用した顧客サポート業務の自動化サービスの販売促進に注力し、3四半期連続の最高益更新を遂げた。また、「ChatGPT」をはじめとした対話型AI・生成AIとのサービス連携に積極姿勢で生成AI関連としても脚光を浴び、約6年2ヵ月ぶりの高値圏に急浮上している。
┌─ 四半期 経常利益 ─┐ ┌── 通期 経常利益 ──┐ 予想
コード 銘柄名 上振れ率 1-3月期 過去最高 上振れ率 今期予想 過去最高 PER
<2216> カンロ 59.8 1192 746 23.4 2470 2001 15.6
<9534> 北ガス 52.8 9708 6353 0.8 13500 13395 4.0
<9450> ファイバーG 45.0 738 509 22.2 1960 1604 23.8
<7814> 日本創発G 40.1 1568 1119 1.5 3700 3644 13.5
<3153> 八洲電機 37.5 2833 2061 2.4 3000 2929 14.0
<4726> SBテク 32.2 2010 1520 15.5 6350 5499 12.3
<9739> NSW 26.1 2001 1587 3.8 5650 5442 9.1
<4674> クレスコ 24.5 1933 1553 4.6 5370 5135 11.5
<7972> イトーキ 21.4 4824 3974 2 6500 6369 11.2
<6381> アネスト岩田 21.3 2191 1807 0.8 7100 7043 10.1
<2705> 大戸屋HD 19.6 324 271 77.9 1391 782 26.0
<3901> Mラインズ 18.5 525 443 17.1 1900 1622 26.0
<3772> ウェルス 17.4 5640 4805 41 7500 5317 6.6
<3496> アズーム 14.9 317 276 42.2 1240 872 43.5
<8798> Aクリエイト 11.1 1087 978 39.0 2800 2015 14.8
<5805> SWCC 10.0 3509 3190 2.0 10600 10393 7.9
<6099> エラン 8.7 997 917 6.1 3620 3411 19.7
<6564> ミダックHD 7.4 798 743 6.8 2875 2692 26.2
<3925> ダブスタ 6.6 658 617 10.4 2330 2111 18.8
<4743> ITFOR 6.5 1051 987 5.6 3460 3278 12.1
<7715> 長野計器 6.1 1487 1402 17.1 5800 4954 8.8
<6918> アバール 5.5 690 654 8.6 2710 2495 13.5
<3784> ヴィンクス 5.3 932 885 3.0 3150 3058 11.5
<3561> 力の源HD 4.7 712 680 10.5 2564 2321 23.1
<2749> JPHD 2.9 1223 1188 2.6 3842 3745 12.1
<4498> サイバトラス 2.3 398 389 31.5 1400 1065 30.1
<3984> ユーザーロカ 1.7 357 351 15.7 1178 1018 57.0
<6088> シグマクシス 1.4 992 978 17.9 3850 3265 18.0
<1870> 矢作建 1.2 3811 3767 21.3 9500 7829 7.7
<3835> eBASE 0.9 656 650 7.5 1500 1395 34.5
※2022年4月以降に上場した企業と今期見通しを開示していない企業は除いた。四半期の過去最高益は原則、四半期決算の開示が本格化した2003年4-6月期以降の業績に基づいたものです。
※過去最高益は同一会計基準内が対象。
株探ニュース