貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
株価15分ディレイ → リアルタイムに変更

7508 G-7ホールディングス

東証P
1,461円
前日比
+12
+0.83%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
11.4 2.08 2.74 82.83
時価総額 644億円

銘柄ニュース

戻る
 

GセブンHD Research Memo(6):2024年3月期は収益力強化、不採算事業の立て直しにより増収増益に


■今後の見通し

1. 2024年3月期の業績見通し
G-7ホールディングス<7508>の2024年3月期の連結業績は、売上高で前期比4.6%増の185,000百万円、営業利益で同18.4%増の7,700百万円、経常利益で同17.4%増の8,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同43.8%増の5,500百万円と2期振りの増益、過去最高益更新を目指す。原材料価格の高騰やエネルギーコストの上昇等により、景気の先行き不透明感が強まっているものの、人材育成に取り組みながら店舗当たり収益を拡大し、また不採算事業の立て直しに取り組むことで計画達成を目指す。なお、水道光熱費については前期比30%増で計画に織り込んでいる。

事業別では、車関連事業や業務スーパー事業、精肉事業が増益に転じるほか、その他事業もミニスーパー事業の損失縮小により黒字に転換する見込みだ。2024年3月期の出店計画は29店舗を予定しており、退店がなければ期末店舗数で626店舗となる見込みだ。中期経営計画では年間で50~70店舗の出店を目指しているが、建築コストやインフラコストが高止まりし、景気の先行き不透明感も強まっていることから、2024年3月期も新規出店を抑えて既存店の収益力回復に優先して取り組む方針である。

(1) 車関連事業
車関連事業のうち、「オートバックス」の新規出店予定はなく、既存店の売上増と生産性向上に取り組んでいく。カーAV機器の販売低迷が続くものの、車買取販売やタイヤ販売、メンテナンスサービスの増収でカバーしていく。利益面では光熱費の負担増が続くものの、増収効果や生産性向上で吸収する。その他業態の出店計画は、「シャトレーゼ」1店舗を予定している。

G-7バイクワールドは増収増益に転じる見通し。新たに2店舗を出店するほか、既存店売上高で前期比約8%増と回復を見込んでいる。積極的なプロモーション施策を展開し認知度向上を図り集客力を高めていくほか、メンテナンス等のサービス売上に注力することで売上拡大につなげる方針だ。

また、海外事業のうちマレーシアの「バイクワールド」は引き合い要請が強かったペナン島に1店舗を出店する。「オートバックス」については収益性改善を優先して取り組み、2024年3月期は2業態合計で黒字化を目指す。自動車輸出販売事業は円安を追い風に2024年3月期も好調を持続し、増収増益を見込んでいる。

(2) 業務スーパー事業
業務スーパー事業は前期比1ケタ台の増収増益を見込んでいる。出店計画は12店舗で、うち8店舗までの物件は確保済みとなっている。引き続き九州、北海道、首都圏を中心に出店していくほか、出店数が少ない愛知県への出店にも注力する考えだ。既存店売上高については前期比約2%増を見込んでいる。

利益面では、販売ミックスの改善や在庫回転率を向上することで粗利益率を改善し、光熱費の増加を吸収し、経常利益率で4.5%の水準を目指す(前期は4.1%)。顧客の利便性向上と回転率の上昇を図るため、セミセルフレジやキャッシュレス決済の導入も順次進める方針である。

(3) 精肉事業
精肉事業は増収増益に転じる見通し。8店舗を新たに出店するほか、値上げ効果によって既存店売上高も前期比約2%増を見込む。現状も牛肉は国産牛が主体となっており、輸入牛肉については相場の水準を見極めながら仕入れ量を調節することにしている。業績は2023年3月期第3四半期以降は増収増益に転じており、2024年3月期も回復トレンドが続く可能性が高い。

(4) その他事業
その他事業は増収増益となる見通し。利益面ではこだわり食品・プライベートブランド事業の増益が続くほか、ミニスーパー事業やアグリ事業も2023年3月期に不採算店舗の整理を進めたことから収益改善が見込まれる。出店計画については「めぐみの郷」で2店舗、「カーブス」で3店舗を計画している。

なお、「リコス」については2023年3月で旧親会社であったユニーからの出向者(7人)が離れ、4月以降は同社のマネジメント体制に完全に切り替わった。体制一新により商品戦略や人員配置等の抜本的な見直しを行っており、今後の収益改善が期待できる状況となっている。出退店については今後の既存店の収益状況を見ながら検討することにしている。

「リコス」は50~70坪の小型店舗のため、商品戦略が重要となる。特に競合店との差別化にはPB商品がカギを握ると見られる。従来はユニーからPB商品を調達してきたが(契約により2024年3月末でユニーからの調達は終了)今後は段階的に自社グループのPB商品の取り扱いを増やしていくことにしている。精肉については2024年3月期中に配送センターを整備して、G-7ミートテラバヤシから調達できる体制を構築する考えだ。グループ内の魅力的な商品を販売していくことで集客力をアップし、売上高の拡大と粗利益率の改善を図る。また、CRM戦略として電子ポイントサービスの導入を2024年3月期より順次進める予定で、既存顧客の来店頻度の増加と販売促進、並びに新規顧客の獲得を図る。課題は店舗スタッフの教育で、従来は外国人のアルバイトが多かったこともあり、離職率が高く採用・教育コストが嵩んでいた。日本人スタッフの採用や教育研修を強化することで離職率の低減と生産性向上を図る方針で、2024年3月期中に単月ベースの黒字化を、2025年3月期からは通期黒字化を目指す。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《AS》

 提供:フィスコ

株探からのお知らせ

    日経平均