GセブンHD Research Memo(5):財務基盤は安定、手元キャッシュの範囲内でM&Aを模索
■業績動向
2. 財務状況と経営指標
G-7ホールディングス<7508>の2023年3月期末の総資産は前期末比3,056百万円増加の57,202百万円となった。主な増減要因を見ると、流動資産は現金及び預金が1,345百万円減少した一方で、商品及び製品が1,128百万円、売掛金が403百万円それぞれ増加した。固定資産は有形固定資産が2,187百万円増加したほか、敷金及び保証金が407百万円増加した。
負債合計は前期末比1,046百万円増加の30,444百万円となった。役員退職慰労引当金が653百万円減少した一方で、資産除去債務が1,600百万円増加した。また、純資産合計は同2,010百万円増加の26,757百万円となった。親会社株主に帰属する当期純利益3,824百万円の計上と配当金1,674百万円の支出等により、利益剰余金が2,151百万円増加した。また、G-7 リコス・ストアズを完全子会社化したことにより、非支配株主持分152百万円がなくなった。
経営指標を見ると、自己資本比率が前期末比1.4ポイント上昇の46.8%となり、有利子負債比率は同3.0ポイント低下の34.8%となるなど財務体質はやや改善した。ネットキャッシュ(現金及び預金-有利子負債)は減少したものの60億円を超えており、財務の健全性は高いと判断される。同社は手元資金の使途については、既存事業への投資や株主還元に加えて、M&Aにも活用する方針としており、予算枠として70億円程度を確保している。M&Aの対象としては既存事業で商圏拡大につながる案件や、シナジーが期待できる周辺領域の事業を想定しており、前向きに検討を進めている状況にある。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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提供:フィスコ