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証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
日経平均株価の構成銘柄。同指数に連動するETFなどファンドの売買から影響を受ける側面がある
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7201 日産自動車

東証P
406.3円
前日比
-5.7
-1.38%
PTS
407円
23:57 11/22
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
0.26 2.43
時価総額 15,090億円
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EVシフトで飛躍ステージ到来、「SiCパワー半導体」関連株を徹底追跡 <株探トップ特集>


―電動化加速に欠かせないデバイス、シリコンに比べ優れた特性に関心―

 脱炭素社会の実現に向け、ガソリン車やディーゼル車から電気モーターを動力源として走行する電気自動車(EV)に転換する動きが活発になっている。日産自動車 <7201> [東証P]は2月に電動化戦略の取り組みを加速すると発表し、2030年までに投入するEVのモデル数を15車種から19車種に上方修正。トヨタ自動車 <7203> [東証P]は5月に開いた23年3月期の決算説明会で、30年までのEV関連の投資額を従来の4兆円から5兆円に引き上げたことを明らかにした。EVの電動システムはバッテリー・モーター・インバーターで構成されているが、今回はインバーター向けSiC(炭化ケイ素、シリコンカーバイド)パワー半導体にスポットを当てた。

●サプライヤーは投資強化へ

 SiCパワー半導体とは、シリコン(Si)と炭素(C)で構成される化合物半導体のこと。 パワー半導体で多く使われているSiに比べて、「より高い電圧や電流、動作温度に耐えられる」「電気抵抗が生じる箇所の厚さを10分の1ほどに抑えられるため、電力のコントロールを行う際のエネルギーの損失が少ない」「エネルギーの損失による発熱を抑えるための放熱機構を小型・簡略化できるため機器の小型化が可能」「エネルギー損失が少ないことから電力をコントロールする機器が効率よく動作するため、一度の充電で走れる距離が長い」といった特徴があり、EV普及を加速させるデバイスとして期待されている。

 こうしたなか、自動車サプライヤーはEVシフトに対応するための投資を強化しており、三菱電機 <6503> [東証P]は5月に開いた経営戦略説明会で、重点成長事業と位置付けるパワーデバイスで30年度にSiCの売上比率を30%以上にすると強調。SiCに対応した新工場棟の建設をはじめ、SiCでの更なる事業拡大に向けて積極的な投資を継続するとしている。

 ルネサスエレクトロニクス <6723> [東証P]は年内にもSiCパワー半導体への投資を開始し、25年に量産化する計画だ。1月にはEVのインバーターに搭載するIGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)やSiC駆動用ゲートドライバICを開発したと発表しており、今後の動向から目が離せない。

 レゾナック・ホールディングス <4004> [東証P]は、エネルギー効率化を実現するSiCエピウエハーを次世代事業と位置付けて注力し、グリーンイノベーション基金事業(50年カーボンニュートラルの実現に向け、新エネルギー・産業技術総合開発機構に造成された基金)でSiCウエハーの研究開発を進めている。

●SiC製品を展開する企業群

 トレックス・セミコンダクター <6616> [東証P]はこのほど、EVチャージなどの電源システムの低消費電力化・小型化につながるパワー半導体の新製品として、SiCを用いた850V/10Aのショットキーバリアダイオード「XBSC11A108CS」のサンプル提供を開始した。同製品は年内の量産化を目指しており、今後も市場ニーズにあわせた製品開発を迅速に行っていくという。

 デンソー <6902> [東証P]は3月、同社初となるSiCパワー半導体を用いたインバーターを開発したと発表。同製品はBluE Nexus(愛知県安城市)の電動駆動モジュール「eAxle」に組み込まれ、同月に発売されたレクサス初のEV専用モデルである新型「RZ」に搭載されている。

 豊田通商 <8015> [東証P]は3月、関西学院大学とSiCパワー半導体ウエハーに関する研究開発会社「QureDA Research(キュレダリサーチ)」を設立したことを明らかにした。国内外の企業と大口径化(8インチ)を見据えた新たな製造法を25年に実用化することを目指すとともに、SiCウエハーの高品質化、生産性向上といったさまざまな市場課題に対する最適なソリューションや知的財産権のライセンスを提供するとしている。

 タカトリ <6338> [東証S]は、サファイアやSiCに代表される硬脆性材料、及びソーラーパネルなどのシリコンインゴットの精密切断(スライス)加工機(ワイヤーソー)の専門メーカー。パワー半導体向けSiC材料切断加工装置の大口受注を相次いで獲得しており、高いマーケットシェアを誇っている。

 ローム <6963> [東証P]は10年に世界で初めてSiC MOSFET(金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ)の量産を開始して以来、業界をリードするSiCパワーデバイスの技術開発を進めてきた経緯がある。同社はSiC事業の売り上げ目標を28年3月期に2700億円としており、達成に向けて生産能力を増強する構えだ。

●Mipox、オキサイドなどにも注目

 これ以外の関連銘柄としては、SiCをはじめとするさまざまな材料表面を原子スケールで平坦化する技術を持つジェイテックコーポレーション <3446> [東証P]、SiCコート被覆材「PERMA-KOTE」を手掛ける東洋炭素 <5310> [東証P]、SiCウエハーの内部に存在する結晶欠陥や内部歪みを高感度かつリアルタイムに可視化する装置を展開するMipox <5381> [東証S]、パワー半導体の測定で強みを持つテセック <6337> [東証S]、SiC用高温イオン注入装置を扱うアルバック <6728> [東証P]、SiC-MOSFETモジュールを提供する三社電機製作所 <6882> [東証S]、SiCウエハー欠陥検査装置を販売するレーザーテック <6920> [東証P]など。

 また、山梨県北杜市に第4工場と第5工場が完成したオキサイド <6521> [東証G]にも注目したい。第5工場ではSiC単結晶の量産に向けた研究開発を行う計画。同社はグリーンイノベーション基金事業を通して、高品質な8インチSiCウエハーの社会実装を目指しており、第5工場に結晶育成炉を新たに設置して量産化に向けた研究開発を加速させる構えだ。

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