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2678 アスクル

東証P
1,880円
前日比
+5
+0.27%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
16.0 2.37 2.02 0.11
時価総額 1,799億円

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MRO Research Memo(1):2023年12月期第1四半期は、大幅な増収増益を継続


■要約

MonotaRO<3064>は、兵庫県尼崎市に本社を置く、間接資材のインターネット通販会社である。間接資材は、製造工程で使用される研磨剤やドリル、軍手など品目が多種にわたり、業種により個別性が高い。間接資材市場は5~10兆円規模であり、訪問工具商・金物屋・自動車部品商などが主な販売チャネルとなっており、インターネット通販チャネルの成長性は高い。同業他社には、アスクル<2678>、ミスミグループ本社<9962>、アマゾンジャパン(同)などがある。

1. 2023年12月期第1四半期の単体業績
2023年12月期第1四半期単体業績は、売上高は前年同期比13.1%増の59,594百万円、営業利益は同20.6%増の8,284百万円、当期純利益は同21.3%増の5,830百万円となり、大幅な増収増益を継続した。期初計画比では売上高でわずかに計画未達(計画比2.9%減)となったものの、営業利益及び当期純利益では計画を上回った。主力の事業者向けネット通販事業及び購買管理システム事業(大企業連携)においては、計画から若干下振れて推移した。これは、既存顧客の注文者数の成長鈍化や主要顧客である製造業の景況感の悪化の影響等が考えられる。顧客数は前期末比279千口座増と堅調に増加した。各利益が計画を上回ったのは、売上総利益率が計画を上回ったこと及び販管費額を計画比で抑えられたことが要因だ。営業利益率は前年同期比0.9ポイント増加、計画比でも1.3ポイント上回る13.9%と、順調な進捗となった。

2. 2023年12月期の連結業績見通し
2023年12月期通期の連結業績は、売上高は前期比17.4%増の265,195百万円、営業利益は同22.2%増の32,030百万円、経常利益は同21.2%増の31,986百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同22.1%増の22,789百万円と、売上高及び各利益の2ケタ成長を予想する。ネット通販事業の新規登録口座数に関しては、118万口座(前期は122万口座)と前期並みの獲得を見込む。既存顧客に関しては、伸び率はやや落ちる見込みではあるものの、広告宣伝や物流の各側面で取り組みを強化する。購買管理システム事業(大企業連携)に関しても引き続き高成長を見込む。第1四半期を終えて、業績の変動要因が顕在化してきた。マイナス要因としては製造業の景況感悪化が懸念される。プラス要因としては輸入コスト(コンテナ運賃等)の上昇緩和や1箱当たり注文単価上昇による配送料の売上比率の改善、休眠顧客への有効な販促手法の確立などが挙げられる。弊社では、2023年12月期は前期に対応した価格改定や新システム(PIM(Product Information Management:商品情報管理)、OMS(Order Management System:注文管理システム))本格稼働等のインフラ投資等の取り組みの効果を享受することができる年であり、長年にわたり各利益において前期比で20%以上の成長を継続してきた実績を加味すると、事業計画の達成は十分可能であると考えている。

3. 休眠顧客の掘り起こし策に手応え
同社の顧客層の中でも、ライトユーザー(休眠顧客含む)の注文率が低下する傾向が顕著となっていた。同社では、これまでのコミュニケーション・販促活動が新規顧客獲得とヘビーユーザー向けに偏りライトユーザーが手薄であったという課題に焦点を当て、2023年12月期第1四半期に解決策のトライアルを行った。その結果、効率的に再利用開始や利用増を促進できることがわかった。ライトユーザーの復活コストは、新規顧客獲得コストの半分程度であり、十分効果が見込める。2023年12月期は、ライトユーザーに向けた販促予算を配分することで、費用対効果の高い売上拡大を目指す。

■Key Points
・2023年12月期第1四半期は、売上計画未達も各利益は計画を上回る
・2023年12月期は、営業利益で前期比22%増の320億円を予想。猪名川ディストリビューションセンター(以下、DC)第2期の開設コスト等をこなして利益成長ペース回復見込み
・休眠顧客の掘り起こし策に手応え。サステナビリティの取り組み充実、情報開示を強化
・10年以上にわたり増配を続ける。2023年12月期は16.0円(前期比2.5円増)、配当性向34.8%を予想

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)

《YI》

 提供:フィスコ

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