貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
日経平均株価の構成銘柄。同指数に連動するETFなどファンドの売買から影響を受ける側面がある
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東証P
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単位
100株
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17.9 3.63 4.46 20.83
時価総額 91,985億円
比較される銘柄
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SBG, 
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配当期待、残念さんの上位は海運やJT、億り人やバガーは

第7回 上級者・勝つ人はココが違う!(億り人・バガー・残念さん編)
~個人投資家3750人調査で判明~

筆者/真弓重孝 = 『株探』編集部・編集統括プロデューサー
ビジネス誌、マネー誌などを経て、2018年4月にみんかぶ(現ミンカブ・ジ・インフォノイド)に入社。現在に至る。

第5回「億り人はどんな人、負けが込んでいる人と含み損益の銘柄に違いは?」を読む
第6回「億り人と連敗中の残念さん、投資スタイルや売買益期待の銘柄での違いは?」を読む

億り人バガー残念さんシリーズの3回目は、

・今後6カ月の日本株の見通しや狙い方
・日本株投資で注視する国内外の指標および情報
・配当期待が大きい銘柄のランキング

――などを紹介する。

今後6カ月先の見通し、億り人は「強気」、残念さんは「慎重」

今後6カ月先の見通しは、3者の間で分かれた。億り人で最も多かったのは「強気」で、バガーの場合は「中立」、そして残念さんは「慎重」だった。

■今後6カ月先の見通し
順位億り人割合バガー割合残念さん割合
1位強気42%中立39%慎重39%
2位中立32%強気36%中立36%
3位慎重19%慎重20%強気19%
4位分析中7%分析中5%分析中6%
注:回答数は左から順に100、140、284

振り返ると、本調査の回答期間の3/15~4/2は、相場のモードが変わる過渡期にあった。

東証の投資主体別売買動向によれば、4月に入ると海外投資家が買いの姿勢を強め、それに伴い日経平均株価が上昇し始めた。以降、海外勢は現先合計(先物は日経225とTOPIXの各ラージとミニ)で、5月半ばまでに累計で4兆3000億円を買い越し、日経平均の3万1000円超えを演出した。

結果的に、億り人の40%強は4月以降の相場の動きが予想通りに進んだことになり、残念さんはその半分以下の20%未満にとどまった。

■海外投資家の売買動向と日経平均株価の動き
【タイトル】

強気に見る理由の傾向は概ね同じだが

「強気」の理由を聞くと、3者とも1位は「景気・業績の拡大」で、2位以下も概ね同じ傾向だった。

あえて違いに目を向けると、1位の割合が違うこと。億り人は52%と、バガー残念さんの60%台より低い水準になっている。

■強気の理由
順位億り人割合バガー割合残念さん割合
1位景気・業績の拡大52%景気・業績の拡大63%景気・業績の拡大65%
2位中国の経済再開29%米国の金融緩和転換35%米国の金融緩和転換45%
3位米国の金融緩和転換29%中国の経済再開27%中国の経済再開29%
4位円安継続26%円安継続24%原材料の上昇一服20%
5位その他24%日銀の緩和継続22%日銀の緩和継続18%
6位地政学リスクの後退19%原材料の上昇一服22%地政学リスクの後退16%
7位原材料の上昇一服17%地政学リスクの後退20%その他16%
8位日銀の緩和継続14%その他16%円安継続9%
9位国内の政策期待7%国内の政策期待6%国内の政策期待9%
注:回答数は左から順に。回答は3つまで

米国の景気減速懸念が高まる中で、市場の業績予想は下降している。下のグラフは日経平均株価の予想EPS(緑色の折れ線、1株当たり当期純利益)と予想PER(紺色の折れ線)を示している。EPSは昨年秋頃から低下する基調にある一方でPERの水準は切り上がっている。

足元の日経平均の上昇は、先物主導の需給相場といえる状況だ。億り人が「景気・業績の拡大」を挙げる人の割合が少ないのは、予想EPSが伸び悩んでいる状況が影響している可能性もある。

■日経平均株価の予想EPSとPERの動き
【タイトル】

出所:QUICK・ファクトセット。予想PERは加重平均値。予想EPSは、株価から予想PERを割った値


また億り人は「その他」が5位と他の2者より高い。

その他の理由として、米国の金利高止まりに伴いバリュー優位の転換となりやすい環境の中で、割安な日本株に資金が流れる需給面の動きを強気材料と判断している可能性もある。

億り人の慎重派のほとんどが、「米国の金融引き締め・景気悪化」を懸念

慎重の理由を聞くと、これも1位は3者とも同じ「米金融引き締め・景気悪化」となった。こちらについては、億り人の95%が挙げ、バガー残念さんより高い割合になっている。

■慎重の理由
順位億り人割合バガー割合残念さん割合
1位米金融引き締め・景気悪化95%米金融引き締め・景気悪化86%米金融引き締め・景気悪化69%
2位その他53%国内景気・業績の悪化50%国内景気・業績の悪化45%
3位センチメント・需給の悪化47%センチメント・需給の悪化32%センチメント・需給の悪化30%
4位国内景気・業績の悪化32%地政学リスクの拡大/深刻化29%現政権の政策29%
5位地政学リスクの拡大/深刻化21%その他29%地政学リスクの拡大/深刻化23%
6位実質賃金の停滞16%日銀の緩和からの転換14%日銀の緩和からの転換13%
7位日銀の緩和からの転換11%実質賃金の停滞14%実質賃金の停滞11%
8位現政権の政策5%現政権の政策14%その他8%
注:回答数は左から順に53、75、250。回答は3つまで

6カ月先の狙い方の1位は「割高回避」で一致も、2位以下に違い

6カ月先の狙い方については、1位は「割高回避」で一致したが、2位以下は3者の間で違いが出た。

例えば、億り人バガーの2位は「売上・利益の高成長」だったが、残念さんは「期待のテーマ株」が挙がっている。億り人とバガーはファンダを見る人が多くなっているが、残念さんは需給の影響を受けやすいテーマ株に注目する人が多くなった格好だ。

■6カ月先の狙い方
順位億り人割合バガー割合残念さん割合
1位割高回避46%割高回避46%割高回避36%
2位売上・利益の高成長34%売上・利益の高成長43%期待のテーマ株32%
3位インカムゲイン重視32%成長セクター33%成長セクター30%
4位成長セクター31%インカムゲイン重視31%売上・利益の高成長28%
5位期待のテーマ株31%株価モメンタム重視31%株価モメンタム重視27%
6位株価モメンタム重視30%期待のテーマ株31%インカムゲイン重視21%
7位ディフェンシブ重視16%ディフェンシブ重視18%高ボラ回避12%
8位内需・サービス系に配分増12%内需・サービス系に配分増17%未定・不明11%
9位マーケット・ニュートラル11%その他11%内需・サービス系に配分増10%
10位高ボラ回避10%高ボラ回避9%ディフェンシブ重視9%
11位その他8%景気敏感系に配分増6%マーケット・ニュートラル6%
12位未定・不明5%マーケット・ニュートラル6%その他5%
13位景気敏感系に配分増4%未定・不明4%景気敏感系に配分増4%
14位高ベータ値に配分2%低ベータ値に配分2%高ベータ値に配分2%
15位低ベータ値に配分2%低ベータ値に配分1%
注:回答数は左から順に274、404、660。回答は4つまで

日本株投資で参考にする国内外の情報は以下の通り。残念さんの2位は「注目銘柄の株価」となったが、億り人バガーは5位だった。

■参考指標&情報(国内)
順位億り人割合バガー割合残念さん割合
1位日経平均56%日経平均61%日経平均67%
2位注目銘柄の適時開示情報53%注目銘柄の適時開示情報51%注目銘柄の株価39%
3位TOPIX43%日銀の金融政策46%注目銘柄の適時開示情報34%
4位注目銘柄のIR情報43%注目銘柄のIR情報45%注目銘柄のニュース33%
5位注目銘柄の株価43%注目銘柄の株価40%日銀の金融政策27%
6位注目銘柄のニュース38%注目銘柄のニュース39%注目銘柄のIR情報27%
7位日銀の金融政策35%TOPIX37%TOPIX21%
8位注目銘柄の株価水準34%注目銘柄の株価水準34%注目銘柄の株価水準20%
9位東証マザーズ指数19%東証マザーズ指数28%東証マザーズ指数18%
10位225先物・225オプション19%国内の金利・物価水準26%225先物・225オプション17%
11位注目銘柄の信用動向18%日本政府の政策・予算21%日本政府の政策・予算15%
12位国内の金利・物価水準18%225先物・225オプション16%国内の金利・物価水準14%
13位日本政府の政策・予算18%注目銘柄の信用動向16%注目銘柄の信用動向13%
14位東証の業種別指数の動向8%日経平均VI8%東証の業種別指数の動向6%
15位日本の実質GDP成長率7%日本の実質GDP成長率8%国内の雇用・賃金5%
16位その他6%東証の業種別指数の動向7%日本の実質GDP成長率5%
17位日経平均VI4%国内の雇用・賃金7%特にない4%
18位投資部門別の状況4%その他6%投資部門別の状況4%
19位国内の雇用・賃金4%投資部門別の状況5%東証・名証の信用動向3%
20位特にない3%東証・名証の信用動向2%日経平均VI3%
21位東証・名証の信用動向2%特にない1%その他1%
注:回答数は左から順に475、707、1068。回答はいくつでも

■参考指標&情報(海外)
順位億り人割合バガー割合残念さん割合
1位ダウ平均65%ダウ平均72%ダウ平均68%
2位FRBの金融政策60%ドル円為替レート60%FRBの金融政策43%
3位ドル円為替レート57%ナスダック59%ナスダック41%
4位ナスダック56%FRBの金融政策56%ドル円為替レート40%
5位S&P50050%米国の金利・物価水準47%S&P50038%
6位米国の金利・物価水準44%S&P50045%米国の金利・物価水準30%
7位米雇用統計41%米雇用統計38%米雇用統計27%
8位米国政府の政策34%米国政府の政策30%米国政府の政策17%
9位VIX31%VIX24%VIX15%
10位中国政府の政策27%中国政府の政策22%S&P500セクター別13%
11位コモディティ23%コモディティ21%中国政府の政策12%
12位ナスダック10018%ナスダック10016%ナスダック1008%
13位S&P500セクター別14%S&P500セクター別12%コモディティ8%
14位ラッセル200012%ラッセル200011%米国の実質GDP成長率7%
15位米国の実質GDP成長率12%米国の実質GDP成長率9%特にない6%
16位MSCIのACWI10%MSCIのACWI7%MSCIのACWI6%
17位OECD景気先行指数8%ドルインデックス6%ラッセル20004%
18位中国のPMI8%中国のPMI6%中国の貿易収支2%
19位特にない7%OECD景気先行指数6%中国のPMI2%
20位ドルインデックス6%その他5%ドルインデックス1%
21位中国の貿易収支6%中国の貿易収支4%OECD景気先行指数1%
22位その他5%特にない4%その他1%
注:回答数は左から順に594、785、1114。回答はいくつでも

配当期待の顔ぶれ、残念さんは海運が上位に

最後に、配当期待の大きい銘柄のランキングを、「最大」「2番目」「3番目」に分けて紹介する。

下に挙げたのは残念さんのランキングで、上位には商船三井<9104>や日本郵船<9101>、そして川崎汽船<9107>の海運銘柄が挙がっている点などが目立つ。

次回は、『株探』および『株探プレミアム』の活用内容、アメ株の投資動向、日本株・アメ株以外の投資対象の動向、そして株主優待の期待が大きい銘柄のランキングなどを紹介する。

■残念さんの配当期待が最大・2番目・3番目に大きい銘柄のランキング(20位以内)
最大2番目3番目
順位銘柄名<コード>順位銘柄名<コード>順位銘柄名<コード>
1位商船三井<9104>1位郵船<9101>1位川崎汽<9107>
2位郵船<9101>2位商船三井<9104>2位JT<2914>
3位JT<2914>3位三菱UFJ<8306>3位日本製鉄<5401>
3位川崎汽<9107>4位川崎汽<9107>3位三菱UFJ<8306>
5位武田<4502>5位JT<2914>3位郵船<9101>
6位三菱UFJ<8306>5位SB<9434>6位三菱HCキャ<8593>
6位SB<9434>7位ENEOS<5020>7位りそなHD<8308>
8位オリックス<8591>7位日本製鉄<5401>7位オリックス<8591>
9位みずほFG<8411>7位日本郵政<6178>9位三井松島HD<1518>
9位三菱HCキャ<8593>7位伊藤忠<8001>9位信越化<4063>
9位乾汽船<9308>7位みずほFG<8411>9位三菱ケミG<4188>
12位三井松島HD<1518>7位三菱HCキャ<8593>9位三星ベ<5192>
12位ENEOS<5020>13位中部鋼鈑<5461>9位特殊陶<5334>
12位中山鋼<5408>13位ソシオネクス<6526>9位神戸鋼<5406>
12位トヨタ<7203>13位トヨタ<7203>9位JVCケンウ<6632>
12位東エレク<8035>13位プレス工<7246>9位キーエンス<6861>
12位三菱商<8058>13位任天堂<7974>9位トヨタ<7203>
18位タマホーム<1419>13位三菱商<8058>9位三井住友FG<8316>
18位INPEX<1605>13位三井住友FG<8316>9位セブン銀<8410>
18位双日<2768>13位JR東日本<9020>9位商船三井<9104>
18位LAホールデ<2986>13位NTT<9432>9位NTT<9432>
18位ドリームI<4310>13位KDDI<9433>9位SB<9434>
18位特殊陶<5334>
18位三菱重<7011>
18位キヤノン<7751>
18位丸紅<8002>
18位水戸<8622>
18位JR東日本<9020>
18位NTT<9432>
18位KDDI<9433>
18位学究社<9769>
注:回答数は117、89、82。銘柄名は略称

■残念さんが挙げた配当期待銘柄の関連情報
銘柄名<コード>配当
利回り
配当
性向
総還元
性向
純資産
配当率
商船三井<9104>5.63%25.4%25.4%10.5%
郵船<9101>3.93%26.1%26.3%12.6%
JT<2914>6.09%75.4%75.4%10.5%
川崎汽<9107>5.98%15.6%27.7%8.6%
武田<4502>4.13%88.1%97.2%4.6%
三菱UFJ<8306>4.45%35.3%75.2%2.3%
SB<9434>5.70%76.4%76.5%19.4%
オリックス<8591>3.93%37.0%55.9%3.1%
みずほFG<8411>4.65%38.7%39.3%2.3%
三菱HCキャ<8593>4.84%40.8%40.8%3.3%
乾汽船<9308>2.46%46.7%46.8%14.4%
三井松島HD<1518>2.79%18.1%18.4%9.1%
ENEOS<5020>4.66%47.2%116.3%2.4%
中山鋼<5408>4.77%29.1%29.1%3.2%
トヨタ<7203>3.34%33.4%50.9%3.0%
東エレク<8035>1.76%56.6%57.2%18.3%
三菱商<8058>3.55%22.2%30.3%3.5%
タマホーム<1419>4.33%44.2%49.7%12.9%
INPEX<1605>4.24%19.3%46.7%2.1%
双日<2768>4.63%27.0%27.2%3.8%
LAホールデ<2986>5.53%31.2%48.8%12.1%
ドリームI<4310>16.1%17.3%12.0%
特殊陶<5334>5.04%50.9%51.0%6.3%
三菱重<7011>2.78%33.5%33.5%2.6%
キヤノン<7751>3.50%50.3%91.3%4.1%
丸紅<8002>3.98%24.7%24.5%5.5%
水戸<8622>7.46%183.2%193.0%3.6%
JR東日本<9020>1.37%38.0%39.2%1.5%
NTT<9432>3.00%34.5%76.0%4.8%
KDDI<9433>3.15%43.5%79.5%5.8%
学究社<9769>4.17%50.7%50.7%17.8%
日本製鉄<5401>4.97%23.9%23.9%4.3%
日本郵政<6178>4.91%41.4%87.8%1.6%
伊藤忠<8001>3.34%25.6%33.2%4.5%
中部鋼鈑<5461>4.31%33.5%33.5%4.1%
ソシオネクス<6526>1.60%35.8%35.8%7.1%
プレス工<7246>4.61%32.0%46.6%2.2%
任天堂<7974>2.45%50.1%61.8%10.0%
三井住友FG<8316>4.43%40.4%57.7%2.6%
りそなHD<8308>3.38%31.1%40.6%2.0%
信越化<4063>2.33%28.7%57.8%5.7%
三菱ケミG<4188>3.94%44.4%44.5%2.8%
三星ベ<5192>6.23%100.4%117.3%8.2%
神戸鋼<5406>5.61%21.8%21.8%1.8%
JVCケンウ<6632>1.60%12.1%12.1%2.2%
キーエンス<6861>0.43%20.0%20.0%3.1%
セブン銀<8410>4.07%68.6%68.8%5.2%

出所:QUICK・ファクトセット。5月23日終値時点。配当利回りは予想値。
空欄はデータがない場合



※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。



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