欧米為替見通し:ドル・円は上げ渋りか、米国の債務上限やインフレ指標を注視
9日の欧米外為市場では、ドル・円は上げ渋る展開を予想する。米連邦準備制度理事会(FRB)の引き締め期待でドル買いに振れやすい地合いに変わりはない。ただ、米国の債務上限問題やインフレ指標が注視され、ドルの上昇は限定的となりそうだ。
前日の取引で前週末の強い米雇用統計を受け、金利高を背景にドル買い優勢の展開に。ユーロ・ドルは1.10ドルまで値を下げ、ドル・円は134円60銭台から135円台に持ち直した。ただ、本日アジア市場で米金利は低下し、ドル買いは後退。また、植田日銀総裁が「基礎的なインフレ率にある程度良い目がでてきている」と発言し、円買いが強まる場面もあった。クロス円もおおむねドル・円に追随した値動きとなった。
この後の海外市場は様子見ムードが広がりやすい。米連邦政府債務の法定上限について議会が引き上げを認めない場合には「経済的な大惨事」(イエレン財務長官)とされ、バイデン大統領の発言が注目される。一方、明日発表の米消費者物価指数(CPI)は前回からの横ばい予想を上回れば引き締め長期化につながるため、内容を見極める展開に。ドル・円は134円台で買戻しが入りやすいものの、135円台は上値が重い。
【今日の欧米市場の予定】
・21:30 ジェファーソン米FRB理事オンライン討論会参加
・01:05 ウィリアムズNY連銀総裁講演(エコノミッククラブオブNY)
・02:00 米財務省・3年債入札
・米債務上限問題でバイデン大統領と下院議長ら議会指導部が会合
《CS》
提供:フィスコ