貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
株価15分ディレイ → リアルタイムに変更

4763 C&R

東証P
1,580円
前日比
+4
+0.25%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
10.8 2.20 2.72 13.83
時価総額 364億円
比較される銘柄
ディーエヌエ, 
メドピア, 
ポート

銘柄ニュース

戻る
 

C&R社 Research Memo(5):クリエイティブ分野と医療分野が過去最高業績を更新(1)


■業績動向

2. 事業セグメント別動向
(1) クリエイティブ分野(日本)
クリエイティブ分野(日本)の売上高(社内取引含む、以下同様)は前期比3.2%増の30,429百万円、営業利益は同10.9%増の2,749百万円と過去最高を連続更新した。新規エージェンシー事業が伸び悩んだものの、ゲーム、Web、映像など主力分野でプロデュース事業が好調に推移し、人件費や教育研修費の増加、新規事業(メタバース等)への投資やDX投資、基幹システムの更新投資などの費用増を吸収した。なお、旧会計基準ベースの増収率は9.7%増であった。

分野別業績の前期比伸び率をクリーク・アンド・リバー社<4763>が開示している構成比から試算すると、映像(テレビ、映画)分野は11.5%増収、18.3%増益となった。テレビ放送各局の番組制作需要を的確に捉えた自社企画・制作番組が好調だった。ゲーム分野は12.0%増収、13.0%増益となった。新作ゲームの旺盛な開発需要を背景に、同社及び子会社のクレイテックワークスともに受託開発案件が好調に推移した。Web分野(紙媒体含む)も11.1%増収、33.1%増益と2ケタ増収増益となった。受託開発案件の受注が好調で、利益率も生産性向上により上昇した。

電子書籍・YouTube等分野は69.0%減収、15.5%減益となった。売上高は会計基準変更の影響で減収となったが、旧会計基準ベースでは若干の増収であった。電子書籍については、Amazon Kindle等の電子書店向け配信数やダウンロード数が順調に増加した一方で、「漫画LABO」で制作されたオリジナルコミックの販売が前期好調だった反動もあり減少した。YouTube関連では企業やテレビ番組のYouTubeチャンネルの運用受託が着実に増加し、ネットワークするYouTubeクリエイターのチャンネルも含めた総チャンネル数は前期末の300超から500超に拡大し、増収となった。利益面では、「漫画LABO」の落ち込みが減益要因となった。

新規エージェンシー・その他分野(建築、シェフ、コンピュータサイエンス、ライフサイエンス、アグリカルチャー、CXO、アスリート、舞台芸術、XR等)の売上高は3.2%増とやや伸び悩み、営業損失も新規サービスの投資負担により0.4億円と前期並みの水準に留まった。売上規模の大きい建築分野に関しては、一級建築士等の紹介及び設計・建築の受託案件が堅調に推移した。また、2021年12月にオープンしたVR建築展示場「XR EXPO(R)」も、掲載モデルハウス・実例が約100棟まで増加するなど着実に実績を積み重ねている。2022年11月にはメタバース空間での住宅展示場プラットフォーム「超建築メタバース」の提供も開始しており、今後、ハウスメーカーやデベロッパー、工務店などで導入提案を推進していく方針となっている。リアルの住宅展示場は1棟当たりの建築費が約1億円と言われているが、VRモデルハウスについては約15分の1の費用かつ最短2ヶ月で建築が可能となっており、住宅の新たな販売形態として普及拡大を目指す。そのほか、コンピュータサイエンスの技術者や博士、ライフサイエンスの研究開発者及び研究開発補助者、料理人、企業における業務や機能の最高責任者のエージェンシー事業等について、今後の成長に向けた取り組みを推進した。

(2) クリエイティブ分野(韓国)
クリエイティブ分野(韓国)の売上高は前期比0.3%減の3,459百万円、営業損失は16百万円(前期は0.1百万円の利益)となった。コロナ禍の影響で、テレビ局向け人材派遣需要の低迷が続いたことが収益伸び悩みの要因となった。ただ、コンテンツ事業においてデジタルコミック(Webtoon)の開発に注力しており、オリジナル作品の配信を韓国だけでなく、欧米やその他アジア各国向けにも開始するなど、新たな収益源として着実に成長し始めている。なお、低迷が続くテレビ局向け人材派遣事業については、改善施策を打つことで今後の立て直しを図っていくことにしている。

(3) 医療分野
医療分野では、子会社の(株)メディカル・プリンシプル社(出資比率100.0%、10月決算)で「民間医局」ブランドによる医師紹介事業を中心に、医学生・研修医を対象とした合同説明会「レジナビFair」や「レジナビFairオンライン」、臨床研修情報サイト「レジナビ」、若手医師向け情報収集サイト「民間医局コネクト」等のサービスを提供している。また、2021年6月に介護事業を含む効果的な地域医療周辺サービス事業を展開すべく、孫会社として(株)コミュニティ・メディカル・イノベーション(出資比率100.0%)を新設した。

2023年2月期の売上高は前期比18.6%増の5,227百万円、営業利益は同54.1%増の1,339百万円と過去最高を連続更新した。全国各地での慢性的な医師不足を背景に、スポット案件を含めた医師紹介案件が好調に推移した。特にスポット案件は2022年2月期から自動マッチングシステム「民間医局ポータル」を導入したこともあり成約率が向上し、増収とともに利益率の上昇要因となった。同システムは顧客の医療機関の約95%まで導入が進み(2022年8月末時点では約5割)、2022年12月からは定期非常勤医師向けでの活用も開始し、成約件数の増加につながった。このため、従来は大半を占めていた定期常勤医師の紹介案件の売上構成比も5割程度まで低下した。なお、定期常勤医師の紹介については今後も全国に配置する約200名のエージェントを介して営業活動を行っていくことにしている。

また、イベント事業の「レジナビFair」については、第2四半期からリアルでのイベント開催を再開したことにより、売上高で前期比1.5倍増、売上構成比で約1割の水準まで回復した。一方、新規事業であるクリニック経営支援サービスについては、支援先が2件と前期末から変化はなかったが、将来的には47都道府県に展開していくことを目標としている。

(4) 会計・法曹分野
会計分野は子会社のジャスネットコミュニケーションズ(株)(出資比率100.0%)、法曹分野は(株)C&Rリーガル・エージェンシー社(同90.0%)でエージェンシー事業を中心に展開している。2023年2月期の売上高は前期比9.3%増の2,314百万円、営業利益は同34.4%増の159百万円となった。売上高は3期ぶりに過去最高を更新し、営業利益も2期連続で増益となるなど回復基調が続いた。

同社が開示している分野別構成比から試算した会計分野の売上高は同8.0%増の1,941百万円、営業利益は同42.7%増の126百万円となった。セミナー開催等による認知度向上とサービスの拡充に取り組んだことで登録者数が増加したほか、コロナ禍で停滞していた企業や会計事務所における人材需要も回復してきたことが増収要因となった。また、新たに取り組んでいる事業承継サービスについても成果が出始めている。

一方、法曹分野については売上高で同16.4%増の373百万円、営業利益で同1.5%増の27百万円となった。採用費や人件費の増加により利益率は若干低下したものの、弁護士登録数が前期末の約2.0万人から約2.2万人と順調に拡大したことに加えて、企業における法務・知財関連職の人材需要が回復したことにより、売上高は過去最高を更新した。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《AS》

 提供:フィスコ

株探からのお知らせ

    日経平均