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2929 ファーマフーズ

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ファーマF Research Memo(8):2023年7月期上期の各利益は損失を計上も、第2四半期単独では黒字転換


■業績動向

1. 2023年7月期第2四半期の業績概要
ファーマフーズ<2929>の2023年7月期第2四半期の連結業績は、売上高が前年同期比21.9%増の35,143百万円、営業損失が883百万円(前年同期は2,032百万円の利益)、経常損失が912百万円の損失(同2,105百万円の利益)、親会社株主に帰属する四半期純損失が914百万円(同1,561百万円の利益)となった。

主力のBtoB事業及びBtoC事業は順調に拡大し増収となったものの、成長に向けて積極的な新製品研究開発投資や広告宣伝投資を継続していることから各利益は損失を計上した。全社ベースの売上総利益は前年同期比23.2%増加、売上総利益率は同0.9ポイント上昇の80.8%となった。また、販管費は同39.4%増加、販管費率は同10.4ポイント上昇の83.3%となった。

四半期別では、第1四半期(2022年8月~10月)の売上高は17,030百万円、営業損失は2,194百万円、第2四半期(同年11月~2023年1月)の売上高は18,113百万円、営業利益は1,310百万円であった。第1四半期は成長に向けて積極的に広告宣伝投資をしたため損失を計上したが、第2四半期は広告宣伝効果や新製品寄与などにより第1四半期比6.4%増収となり、広告宣伝費の効率的な使用も寄与し黒字転換した。販管費は第1四半期が前年同期比75.8%増の16,020百万円(うち広告宣伝費は同90.2%増の12,800百万円)、第2四半期は同11.4%増の13,250百万円(うち広告宣伝費は同13.0%増の10.035百万円)となった。

2. セグメント別動向
(1) BtoB事業
BtoB事業の売上高は前年同期比11.6%増の4,071百万円、セグメント利益は同29.5%増の700百万円となった。また、アイテム別売上は、機能性素材が同19.5%増の816百万円(うち「ファーマギャバ(R)」は同23.6%増の564百万円)、OEM・NB等が同83.6%増の773百万円、明治薬品が手掛けるCMO事業が同19.4%増の1,996百万円、CHC事業が同44.3%減の484百万円であった。「ファーマギャバ(R)」は食品メーカーによる「GABA」の採用拡大が継続していることに加え、米国や韓国での採用が拡大した。OEM・NB等はドラッグストア向けのPB育毛剤が伸長した。CMO事業は後発医薬品メーカーの品質問題等の影響で代替需要が高まるなか、価格転嫁や受託品目の絞り込みによる利益率向上を図っている。CHC事業は減収となったものの、ドラッグストア向け新規ブランド製品の展開を強化した。

(2) BtoC事業
BtoC事業の売上高は前年同期比22.9%増の30,923百万円、セグメント損失は857百万円(前年同期は2,070百万円の利益)となった。売上面は「ニューモ(R)育毛剤」が堅調に推移したことに加え、新製品の「まつ毛デラックスWMOA」、「DRcula」シリーズの成長が寄与した。一方、利益面では、積極的な広告宣伝投資(前年同期比46.3%増の22,771百万円)が影響し損失を計上した。ただし、第2四半期(2022年8月~2023年1月)は広告宣伝投資の成果により、売上高が四半期ベースで過去最高、セグメント利益も黒字転換した。

顧客獲得効率指標のCPO及び収益性指標のLTVを重視しながらも、新商品へ積極的に広告宣伝投資を行った結果、2023年1月末時点の定期顧客件数は1,050,880件(前年同期末は834,139件)となった。この基盤がもたらすリピート購入により、「利益回収の早期化」及び「利益水準の上昇」が続いている。なお、今後は売上やCPO、LTVの動向を見ながら広告宣伝費を適正化することで、広告宣伝費負担リスクの低減を図る方針だ。

アイテム別売上高については、主力の「ニューモ(R)育毛剤」を支える新商品が着実に成長した。「ニューモ(R)育毛剤」の売上高は13,708百万円、累計出荷件数は1,800万本突破(2022年12月24日時点)と好調に推移した。その他の売上高としては、「シボラナイト(R)GOLD」は4,230百万円、「まつ毛デラックスWMOA」は2,930百万円、「ニューモサプリ」は997百万円、「タマゴサミン」は969百万円、「DRcula」ホワイトニングジェルは849百万円であった。

(3) バイオメディカル事業
バイオメディカル事業の売上高は138百万円(前年同期比880.0%増加)、セグメント損失は145百万円(前年同期は138百万円の損失)となった。田辺三菱製薬との共同研究及びライセンス供与契約に基づく一時金収入はなかったものの、プロテオーム解析受託事業の微量タンパク質解析「Olink Target」サービスが好調に推移した。自己免疫疾患や繊維症などの新たな創薬パイプラインの強化を図るとともに、子会社のCVCを通じたベンチャーとのアライアンスにより、新たな創薬モダリティの獲得を目指している。

3. 財務状況
2023年7月期第2四半期末の資産合計は前期末比2,715百万円増加し33,875百万円となった。これは主に、現金及び預金が4,130百万円増加した一方で、受取手形及び売掛金が943百万円減少したことによる。負債合計は同4,038百万円増加し28,122百万円となった。これは主に、広告宣伝費の増加等により未払金が811百万円、シンジケート方式によるコミットメントライン契約に基づく借入実行により短期借入金が2,000百万円それぞれ増加したことによる。純資産合計は親会社株主に帰属する四半期純損失の計上や配当金の支払いなどにより、同1,322百万円減少し5,752百万円となった。この結果、自己資本比率は同5.7ポイント低下し17.0%となった。

売上高の急拡大に伴いバランスシート全体が膨張し、自己資本比率の低下傾向が続いているものの、積極的な広告宣伝投資により「利益回収の早期化」と「利益水準の上昇」を継続している。また、有利子負債の増加も利益圧迫要因となっていない。これらのことから、財務の健全性に懸念材料はないと弊社では判断している。なお、2022年9月に同社は、メインバンクである京都銀行<8369>及び地方銀行5行による総額76億円(契約期間3年)のコミットメントライン契約を締結した。これは、同社の創薬、機能性素材の研究開発及び通信販売事業に対するこれまでの実績が評価されたことに加え、ヘルスケア領域の拡大を目指す中期経営計画の実現性が高く評価されたものと言える。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)

《YI》

 提供:フィスコ

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