コニシ---23年3月期は増収・2ケタ増益、化成品事業が順調に推移

コニシ<4956>は28日、2023年3月期連結決算を発表した。売上高が前期比8.5%増の1,233.39億円、営業利益が同1.7%増の74.21億円、経常利益が同1.3%増の79.27億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同95.4%増の100.32億円となった。

ボンド事業の売上高は前年同期比8.4%増の689.68億円、営業利益は同1.5%減の45.36億円となった。一般家庭用分野においては、ホームセンター向けやコンビニエンスストア向けは堅調に推移した。住関連分野においては、建築コストが上昇傾向となり新設住宅着工戸数の持ち直しの動きは鈍く、内装工事用の販売数量は減少した。産業資材分野においては、自動車・電子部品等に使用される弾性接着剤の販売数量が増加した。建築分野においては、建築補修用や建築用シーリング材の販売数量は増加し、土木分野においても、表面保護・はく落防止工法が好調に推移した。当年度については、接着剤やシーリング材に使用される原材料価格が過去にない水準で高騰したが、経費削減や原価改善の取り組み、製品販売価格への転嫁が年度後半にかけて進捗し、営業利益は前年同期並みまで回復した。

化成品事業の売上高は同8.9%増の346.74億円、営業利益は同27.9%増の12.65億円となった。売上高、利益ともに、仕入商材の価格改定による影響もあり、全体的に好調に推移した。化学工業分野においては、樹脂原料の販売が堅調に推移した。自動車向けの商材は、半導体不足等で需要影響はあったが、供給制約の緩和や新規採用により好調に推移した。また、電子電機向けの商材は、供給先の生産調整もあり低調に推移した。丸安産業は、コンデンサ用商材は半導体不足の影響を受け減少したが、半導体製造に使用される商材は引き続き好調に推移した。

工事事業の売上高は同8.3%増の195.14億円、営業利益は同4.0%減の16.06億円となった。公共事業を中心としたインフラおよびストック市場の補修・改修・補強工事が好調に推移し、ボンドエンジニアリングは売上・利益ともに増加した。また、2023年1月に子会社化した中信建設も売上・利益の増加に寄与した。その他の関係工事会社は、工事の受注状況は堅調であるが、資材価格の高騰や大型工事案件を得られなかったこと等により低調に推移した。

その他は不動産賃貸業等となり、売上高は同5.7%減の1.82億円、営業利益は同82.5%減の0.02億円となった。

2024年3月期通期の連結業績予想については、売上高が前期比4.6%増の1,290.00億円、営業利益が同25.3%増の93.00億円、経常利益が同22.4%増の97.00億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同38.2%減の62.00億円を見込んでいる。
なお、親株主に帰属する当期純利益が減益となる理由としては、2023年３月期第２四半期決算に固定資産の譲渡による固定資産売却益として、71.84億円の特別利益が発生したためである。

《YI》

　提供：フィスコ