NY株式:米国株式市場は続伸、主要企業決算を好感
ダウ平均は272ドル高の34,098.16ドル、ナスダックは84.35ポイント高の12,226.59で取引を終了した。
PCEコア価格や雇用コスト指数が根強いインフレを示唆したため金利高を警戒した売りで寄り付き後、下落。一方、消費が堅調で景気後退懸念が緩和し、上昇に転じた。また、経営難に見舞われている地銀のファースト・リパブリック(FRC)株は再び下落に転じたものの、地銀セクターは全般的に強く金融システム全体への波及懸念も後退し相場を一段と押し上げた。良好な主要企業決算や長期金利の低下で安心感も広がり、終盤にかけて上げ幅を拡大した。セクター別では自動車・自動車部品、半導体・同製造装置が上昇した一方で小売りが下落。
半導体メーカーのインテル(INTC)は第1四半期決算で四半期として過去最大の赤字を計上したが、今後底入れし下半期に向けて持ち直すと自信を表明、さらに、アナリストの投資判断引き上げもあり上昇。石油会社のエクソンモービル(XOM)は第1四半期決算で過去最大の黒字を計上し買われた。再生可能燃料会社のシェブロン(CVX)も第1四半期決算で調整後の1株利益が予想を上回り上昇。中堅銀行のUSバンコープ(USB)は幹部による大口自社株買いを受けて上昇。同業のザイオンズ・バンコーポレーション(ZION)も買われた。玩具会社のハズブロ(HAS)は決算を好感したアナリストの投資判断引き上げで上昇。
一方、オンライン小売のアマゾン(AMZN)は昨日引け後に発表した第1四半期決算で売上高が市場予想を上回ったほか、第2四半期見通しも予想を上回ったが、クラウド部門の成長鈍化を懸念した売りに押されて下落。地銀のファースト・リパブリック(FRC)は連邦預金保険公社(FDIC)の管理化に置かれる可能性が高いとの報道を受けて再び急落。画像共有サイト運営のピンタレスト(PINS)は第2四半期の見通しを失望した売りで大幅安となった。
連邦準備制度理事会(FRB)はシリコンバレー銀(SVB)破綻の検証に関する報告書の中で、同行が基本的な金利、流動性リスクの管理に失敗した結果だと指摘した。
(Horiko Capital Management LLC)
《YN》
提供:フィスコ