明日の株式相場に向けて=AI大潮流! 第4次黄金期突入か
週明け27日の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比91円高の2万7476円と3日ぶり反発。商いは薄いながらもプラス圏で引けたことはそれなりに価値がある。案の定というべきかドイツ銀行<DB>が経営不安の思惑から株価を急落させ、前週末の欧州株市場は大きく揺れた。しかし、米国株市場でこの波を止めたことは幸いだった。
クレディ・スイス<CS>のAT1債が株式に劣後して無価値となったことの波紋が広がるなか、ドイツ銀に投機筋の売り仕掛けが入ったが、渦中のドイツ銀は劣後債(Tier2)の前倒し償還を発表し、ショルツ首相の太鼓判と合わせて信用力の失墜を回避した。ただ、この火種は簡単には消せない。今回のコロナバブル潰しの反動、つまり過剰流動性の収縮が弱い銀行の経営を揺さぶっているという事実は変えられない。したがって、個別株物色も半身に構えて臨むよりないところだが、短期であればいかようにも対応は可能である。
全体相場は気迷い気味だが、中小型株のテーマ買いの動きは活発。何といっても人工知能(AI)関連株の人気が加速し始めた。物色の裾野も徐々に広がりつつある。この高揚感はこれまでとはちょっと違う趣きといってよい。2012年にディープラーニングが登場し、AIの飛躍的進歩の起爆剤となったが、この2010年代に訪れた第3次AIブーム初期の光景に似ている。今年に入って、“第4次ブーム”へといきなり舞台が回った印象がある。
直近、前週25日土曜日に配信された「躍動する『AI関連』、株価変貌ステージが待つ『次の6銘柄』 <株探トップ特集>」では、当欄でも以前に紹介したティアンドエス<4055>やPKSHA Technology<3993>、アステリア<3853>などもエントリーされていたが、そうした銘柄が明らかにテーマ性を宿して上値を指向する相場となっている。米スタートアップのオープンAIが開発したチャットGPTの上位モデルである「GPT―4」の進化の度合いが強烈で、これが米国株市場だけではなく世界的なAI相場を先導する格好となり、もはや大潮流といってよいのではないか。
オープンAI自体、会社としてはニューフェースであっても、既に歴史に刻まれつつあるキーカンパニーといってよさそうだ。あのITの大巨人マイクロソフト<MSFT>が目の色を変えて資本投下しているだけで注目に値するが、「GPT―4」の次のモデルが出てきた時、更に市場は驚愕するのではないか。かつてグーグルが英国のAI開発企業であるディープマインドを傘下に収め、同企業が開発した「アルファ碁」で当時世界屈指の棋士であったイ・セドル氏に圧勝した光景が蘇る。ただし、AIは昨年辺りから高速というより“光速”という形容がふさわしいスピードで進化をみせている。もちろんこれは現在進行形だ。
AIが感情を持つことはなく、AIはあくまで人間が利用するツールであるという見方はもっともな意見であるが、間接的に人間の方が操られるということは十分過ぎるほどあり得る。チャットGPTはそのAIによる人間支配の片鱗をのぞかせている。この根拠は次回に譲るとして、個別株に目を向ければ、百花繚乱の様相を呈するAI関連株が東京市場を再び席巻し始めた。かつて同関連の花形株であったが、足もとの業績悪を嫌気されて音無しの構えをみせていたブレインパッド<3655>とFRONTEO<2158>が、満を持して大底離脱の動き。これは、一つの号砲となる。
新しいところでは、AIシステムを活用したマーケティングやコンサルを手掛けるWACUL<4173>や、監視カメラと連動したAI映像解析で実力をみせる図研エルミック<4770>、AIソフトウェア実装を手掛けるブレインズテクノロジー<4075>などもマークしておきたい。
あすのスケジュールでは、国内で重要イベントは見当たらないものの、40年物国債の入札が行われる。また、IPOが3社予定されており、アクシスコンサルティング<9344>、モンスターラボホールディングス<5255>、Arent<5254>がいずれも東証グロース市場に新規上場する。海外では、2月の豪小売売上高、1月の米S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数、3月の米消費者信頼感指数などが注目されるほか、米5年物国債の入札も行われる。(銀)
出所:MINKABU PRESS
最終更新日:2023年03月27日 17時24分
クレディ・スイス<CS>のAT1債が株式に劣後して無価値となったことの波紋が広がるなか、ドイツ銀に投機筋の売り仕掛けが入ったが、渦中のドイツ銀は劣後債(Tier2)の前倒し償還を発表し、ショルツ首相の太鼓判と合わせて信用力の失墜を回避した。ただ、この火種は簡単には消せない。今回のコロナバブル潰しの反動、つまり過剰流動性の収縮が弱い銀行の経営を揺さぶっているという事実は変えられない。したがって、個別株物色も半身に構えて臨むよりないところだが、短期であればいかようにも対応は可能である。
全体相場は気迷い気味だが、中小型株のテーマ買いの動きは活発。何といっても人工知能(AI)関連株の人気が加速し始めた。物色の裾野も徐々に広がりつつある。この高揚感はこれまでとはちょっと違う趣きといってよい。2012年にディープラーニングが登場し、AIの飛躍的進歩の起爆剤となったが、この2010年代に訪れた第3次AIブーム初期の光景に似ている。今年に入って、“第4次ブーム”へといきなり舞台が回った印象がある。
直近、前週25日土曜日に配信された「躍動する『AI関連』、株価変貌ステージが待つ『次の6銘柄』 <株探トップ特集>」では、当欄でも以前に紹介したティアンドエス<4055>やPKSHA Technology<3993>、アステリア<3853>などもエントリーされていたが、そうした銘柄が明らかにテーマ性を宿して上値を指向する相場となっている。米スタートアップのオープンAIが開発したチャットGPTの上位モデルである「GPT―4」の進化の度合いが強烈で、これが米国株市場だけではなく世界的なAI相場を先導する格好となり、もはや大潮流といってよいのではないか。
オープンAI自体、会社としてはニューフェースであっても、既に歴史に刻まれつつあるキーカンパニーといってよさそうだ。あのITの大巨人マイクロソフト<MSFT>が目の色を変えて資本投下しているだけで注目に値するが、「GPT―4」の次のモデルが出てきた時、更に市場は驚愕するのではないか。かつてグーグルが英国のAI開発企業であるディープマインドを傘下に収め、同企業が開発した「アルファ碁」で当時世界屈指の棋士であったイ・セドル氏に圧勝した光景が蘇る。ただし、AIは昨年辺りから高速というより“光速”という形容がふさわしいスピードで進化をみせている。もちろんこれは現在進行形だ。
AIが感情を持つことはなく、AIはあくまで人間が利用するツールであるという見方はもっともな意見であるが、間接的に人間の方が操られるということは十分過ぎるほどあり得る。チャットGPTはそのAIによる人間支配の片鱗をのぞかせている。この根拠は次回に譲るとして、個別株に目を向ければ、百花繚乱の様相を呈するAI関連株が東京市場を再び席巻し始めた。かつて同関連の花形株であったが、足もとの業績悪を嫌気されて音無しの構えをみせていたブレインパッド<3655>とFRONTEO<2158>が、満を持して大底離脱の動き。これは、一つの号砲となる。
新しいところでは、AIシステムを活用したマーケティングやコンサルを手掛けるWACUL<4173>や、監視カメラと連動したAI映像解析で実力をみせる図研エルミック<4770>、AIソフトウェア実装を手掛けるブレインズテクノロジー<4075>などもマークしておきたい。
あすのスケジュールでは、国内で重要イベントは見当たらないものの、40年物国債の入札が行われる。また、IPOが3社予定されており、アクシスコンサルティング<9344>、モンスターラボホールディングス<5255>、Arent<5254>がいずれも東証グロース市場に新規上場する。海外では、2月の豪小売売上高、1月の米S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数、3月の米消費者信頼感指数などが注目されるほか、米5年物国債の入札も行われる。(銀)
出所:MINKABU PRESS
最終更新日:2023年03月27日 17時24分