ユミルリンク Research Memo(8):2023年12月期も増収増益により過去最高業績の更新を目指す
■今後の見通し
● 2023年12月期の業績予想
ユミルリンク<4372>の2023年12月期の業績は、売上高で前期比10.1%増の2,400百万円(うちストック売上が同10.3%増の2,351百万円、スポット売上が同0.2%増の48百万円)、営業利益で同10.4%増の575百万円、経常利益で同10.5%増の575百万円、当期純利益で同10.3%増の396百万円を見込んでいる。売上高に関しては、9期連続の過去最高、営業利益に関しては、5期連続の過去最高更新を計画している。
インターネット、SNS、スマートフォンなどの普及によりデジタルマーケティング市場がさらに拡大するなど、好調な外部環境の継続が想定されるなか、主力製品である「CuenoteR FC」、「CuenoteR SMS」の新規顧客開拓に注力していく。メール送信サービスの「CuenoteR FC」に関しては、大規模配信ニーズを持っている顧客に対して、同社の大規模・高速配信を可能にする技術力を訴求しながら新規顧客の獲得に注力していく。
「CuenoteR SMS」に関しては、市場が普及期にあり、SMSの有用性が認識されつつあるなかで、新規顧客の契約数にこだわって事業を推進していく。加えて、2023年12月期にはLGWANに対応したサービスのリリースを予定している。LGWANとは「総合行政ネットワーク」のことであり、「CuenoteR SMS」がLGWANに対応することにより、地方自治体関係者が普段使用している端末やシステムからセキュアな環境でSMSを送信することが可能になる。従来は、セキュリティの観点から行政ネットワークとは区分された別の端末からSMSを送信する必要があったが、「CuenoteR SMS」がLGWAN対応になることにより、顧客の利便性が向上する格好だ。地方自治体などの行政においても、SMSを通じた住民への通知が拡大しているなかで、同社の事業機会が拡大することが期待される。加えて、SMSの送信時に発信元の番号が大手キャリア4社で同一の番号を利用できる共通番号にも対応する予定であり、消費者保護を重視する企業などからの引き合いが増えることが想定される。
また、2022年12月期下期から、営業人員の役割分担を明確化した。これにより、契約数が拡大しているという。2023年12月期においても、営業体制の再構築が業績の拡大に寄与することが期待される。
インターネット、SNS、スマートフォンなどの普及によりデジタルマーケティング市場のさらなる拡大が見込まれること、2022年12月期に同社売上の83.3%を占めたメール送信サービス市場の2021~2026年度のCAGRが8.0%と高い成長が見込まれていること、同期間のSMS送信サービス市場のCAGRも14.8%と急伸が見込まれていること、デジタルマーケティングの拡大に伴い顧客が保有するメールアドレス数が増え、大規模・高速配信に対する需要拡大が引き続き見込まれること、などを踏まえると、2023年12月期においても業績は好調に推移すると弊社は見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)
《NS》
提供:フィスコ