電算システムHD Research Memo(9):同社グループの事業を通じてSDGsの取り組みを推進
■SDGsの取り組み
電算システムホールディングス<4072>では、事業を通じてSDGsのゴールに向けた取り組みを推進している。
(1) 収納代行サービス
社会のニーズに応える幅広い収納代行・決済サービスを提供することで、どこにいても支払いが可能となり、信頼できる決済インフラを提供する(ターゲット9:産業と技術革新の基盤をつくろう)。電子地域通貨などほかのサービス等との連携により、利便性の向上及び地域の活性化が期待される(ターゲット8:働きがいも経済成長も)。紙の払込票を使用しない「電子バーコード決済」「SMSを利用した決済」では、紙を使用しないため、森林減少の阻止にも貢献できるとしている。
(2) BPO事業
企業の業務プロセスの一部を専門的な技術、ノウハウにより安全・確実に処理する。特に事務処理部門においてはセキュリティを確保しながら、膨大な情報を扱う際の業務改善や情報を適切に取り扱うことで企業の生産性に貢献する(ターゲット8:働きがいも経済成長も)。請求書作成代行サービス(「DSKマルチインボイスサービス」)では、ペーパーレス請求書への対応を推進することで廃棄物の発生防止、気候変動の緩和・影響軽減に貢献できるとしている(ターゲット12:つくる責任 つかう責任/ターゲット13:気候変動に具体的な対策を)。
(3) 東濃IDCの取り組み
顧客の情報資産を預かるため、東濃IDCでは高度な災害対策・情報セキュリティ等に対応したビジネスインフラを構築している。多様なクラウドサービスにも適応しており、生産性に貢献し企業を支援している(ターゲット8:働きがいも経済成長も/ターゲット13:気候変動に具体的な対策を)。また同センターは、環境に配慮した設備となっている。外気を取り入れた高い冷却効率を実現し、資源利用効率の向上とクリーン技術及び環境に配慮した技術を導入した「グリーンデータセンター」である。同センターを通じて持続可能な環境の提供に努める(ターゲット7:エネルギーをみんなに そしてクリーンに/ターゲット9:産業と技術革新の基盤をつくろう)。
(4) スマートグラスによるDX推進支援
スマートグラスとは、カメラやマイク、通信、GPSなど様々な機能が搭載され、メガネのように装着して使用するウェアラブルデバイスの1つである。電算システムが販売している。実際に見ている光景に文字や資料などの情報を重ねて表示でき、視野を確保しながら両手が自由に使える利点から製造業を中心に実用化が進んでいる。こうしたデジタル化を推進することにより紙の使用を削減し、森林減少の阻止に貢献ができるうえ、スマートグラスに同社の技術・インフラを組み合わせたフィールド業務のDX推進を支援し、産業と技術革新の基盤となる業務インフラを提供することができる(ターゲット9:産業と技術革新の基盤をつくろう)。遠隔地への作業支援の実現は、都市部と地方との格差の解消、地域の企業の活性化につながる。都市部、都市周辺部及び地方との良好なつながりを支援し、住み続けられるまち作りの実現に貢献することも可能となる(ターゲット11:住み続けられるまちづくりを)。さらに遠隔作業支援アプリなどの活用で作業初心者のサポートを実現することで人手不足の解消や、言葉では伝えることが難しいノウハウをスマートグラスで指導することができる。これにより技術継承に貢献し、機器の点検・修理や物流現場など、様々な業務への適用により業務の効率化を実現することも可能となる。
(5) 新しい時代の教育を創造する
「Google for Education」を通じて「個別最適な学び」や「協働的な学び」の実現を支援する(ターゲット4:質の高い教育をみんなに)。そして効果的なICTの活用を提案し、持続可能な社会の創り手の育成に貢献する。また、音声情報を文字情報に変換する機能などを付与するなど同社のソリューションと組み合わせ、聴覚障がい者の快適かつ円滑なコミュニケーションを支援し、多様性を受け入れ尊重し合うことのできる社会実現も支援していく。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
《YI》
提供:フィスコ