昭和産業 Research Memo(2):2023年3月期は増収増益に予想修正。「中期経営計画 23-25」を策定
■今後の見通し
1. 2023年3月期の見通し
昭和産業<2004>の2023年3月期連結業績予想は、売上高338,000百万円(前期比17.5%増)、営業利益4,000百万円(同28.1%減)、経常利益5,500百万円(同16.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益7,000百万円(同74.7%増)を計画している。売上高・営業利益・経常利益については、2022年11月に下方修正した計画を据え置いた。親会社株主に帰属する当期純利益については、経営資源を有効活用し資金効率の改善を図るため、埼玉県上尾市にある商業ビルの譲渡益を特別利益に計上する。修正前予想は前期比20.1%減の3,200百万円で、一転増益となる。なお、第3四半期の営業利益は4,562百万円となり、既に通期予想の4,000百万円を超過達成している。これについて弊社は、原料穀物相場は引き続き高値圏にあるほか、為替相場の円安、エネルギーコストの上昇といったリスクを考慮して修正計画を据え置いているものと推測するが、足元の経済活動を勘案すると、保守的な予想であると考えている。
2. 「中期経営計画 23-25」の策定
同社は創立90周年を迎える2025年度(2026年3月期)のありたい姿として、長期ビジョン「SHOWA Next Stage for 2025」(2017~2025年度の9年間)を策定しており、2nd Stage「中期経営計画20-22」の最終年度を迎えた。2023年3月期に経常利益130億円を目指していたが、原材料高や為替の円安傾向などでコストが嵩み未達になる見通しである。2023年2月に開催した取締役会において、2023年4月に開始する「中期経営計画 23-25」の策定を決議した。3nd Stageとなる「中期経営計画23-25」においては、価格改定や高付加価値商品の拡販などを通じて、2026年3月期に改めて経常利益130億円を目指す計画である。
また、持続的な成長を実現するため、2023年4月1日付で組織改編を実施した。塚越英行(つかごしひでゆき)取締役常務執行役員が社長に就任し、新妻一彦(にいつまかずひこ)社長は代表取締役会長に就く。経営の若返りを図り、次期中期経営計画の着実な推進を図ることが狙いである。
「中期経営計画23-25」では5つの基本戦略「基盤事業の強化」「事業領域の拡大」「環境負荷の低減」「プラットフォームの再構築」「ステークホルダーエンゲージメントの強化」を推進する。これら基本戦略の下、同社は創業以来初となる抜本的な営業組織の改編を実施する。さらに、研究開発部門及び生産・技術部門は「テクニカル部門」に、管理部門は「コーポレート部門」にそれぞれ改編する計画である。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
《SI》
提供:フィスコ