日本創発G Research Memo(6):グループシナジーとワンストップサービスで収益力向上を目指す
■成長戦略
日本創発グループ<7814>は中期経営計画を公表していないが、成長に向けた基本戦略として、グループ各社の専門性を生かしたグループシナジーと、クリエイティブサービス事業に係るワンストップサービスにより、一段の収益力向上を目指すとしている。
子会社の(株)キャドセンターに新設されたXR制作空間「SHIBA studio」は、プロフェッショナルアーティストのプロモーションビデオ撮影や動画配信など幅広い用途で活用されている。コロナ禍による行動制限が緩和されリアルイベントが増えつつあるものの、今後もデジタル配信に関わるITメディア分野は成長を続けると見込まれており、さらなる活用が期待できる。ブランディングコンテンツ制作だけでなく、グループ全体のソリューションを活用することで、リアルとデジタルを融合した施策を提供する。これにより、専門各社へ個別に依頼していたイベント運営、マーケティング、広告、ブランディング、プロダクツ制作をワンストップで提供することが可能となる。グループの専門性を高め、グループ内での連携を強化することで、顧客の事業を加速させるブランドスタジオ実現を目指す。
印刷関連市場はデジタルシフトによって新聞・雑誌・チラシなど紙の印刷が減少し、厳しい事業環境であるものの、広告業界の市場はSNS・動画配信などの大幅増加に伴い拡大している。このため同社は、高付加価値製品・サービスの拡充によって印刷分野の売上・利益構成比を維持しながら、ITメディア・セールスプロモーション分野及びプロダクツ分野の製品・サービスを拡大し、グループシナジーとワンストップサービスによって一段の収益力向上を目指す方針だ。多様なソリューションを提供する「クリエイティブをサポートする企業集団」としての競合優位性も考慮すれば、さらなる積極的な事業展開によって中長期的に成長するポテンシャルは大きいと弊社では期待している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
《SI》
提供:フィスコ