信用
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)のみができる銘柄
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5288 アジアパイル

東証P
782円
前日比
+3
+0.39%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
12.9 0.65 5.75 105
時価総額 298億円
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明日の株式相場に向けて=高配当利回り株で勝つための戦略

 週明け6日の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比310円高の2万8237円と大幅続伸。前週末の欧州株市場がほぼ全面高に買われ、米国株市場でもNYダウをはじめ主要株価3指数が揃って大幅上昇となったことで、この世界株高の流れに東京市場も乗らない理由がないとばかりにニューマネーが流入。日経平均はボックス圏往来を繰り返してきた2万7000円台を踊り場に大きく上放れる格好となった。

 前週末の米国株市場をみても、ある意味正体不明の妙な強さがある。米ISM非製造業景況感指数は55.1と前月比ではわずかに低下したものの市場コンセンサスを上回った。にもかかわらず、インフレ警戒感は強まらなかった。米長期金利はむしろ低下し、終値ベースで米10年債利回りは3.95%台と再び4%台を下回っている。今週はパウエルFRB議長の米上下院での議会証言があり、タカ派的コメントが警戒され、週末には2月の米雇用統計発表も控えているのだが、そういったイベントリスクはお構いなしの上値指向だ。

 今週は日本でも週末にメジャーSQ算出日、そして日銀の金融政策決定会合がある。どちらにしても目先リスクを積極的に取れる状況ではないのだが、それは買い方の理屈であって、片側から見た相場の事情に過ぎない。売り方の側から見た場合はどうか。正体不明とはいえ世界株高現象のなかでやはりリスクを取りにくい状況には変わりない。信用売り残が2020年3月以来、約3年ぶりに1兆円を超えたというが、日経平均が2万7000円台でもみ合っている間「遅かれ早かれ下放れるであろうとみた投資家がショートポジションを積み上げてきた実態が反映されている」(ネット証券ストラテジスト)という。つまり、その手仕舞い買い戻しが一巡するまで、相場に浮揚力が働きやすいタームに入っている。今の相場はあくまで需給先行で、重要イベントも後付け解釈の具にされている。

 個別株物色意欲は旺盛だが、とりわけ、この時期特有の高配当利回り株の水準訂正高狙いの買いが活発だ。配当権利確保のためとはいえ、既に株価の位置的にはかなり高くなっているものが多い。だが、それを補っているのがPERやPBRなどの株価指標である。これが低い位置にあれば割安株のお墨付きということになり、下値リスクに対する恐怖が雲散霧消とは言わないまでもかなり緩和される。東証が今春をメドにPBRが継続的に1倍を割り込んでいる上場企業に対し、低PBR改善要請の動きを明示していることも手伝って、東京市場では「PER・PBR・配当利回り」このトラディショナルな3指標が、これまでになく輝きを放つ相場となっている。

 業種で言えば海運株が先駆し、その次に鉄鋼株への注目度が高まる格好となった。海運は日本郵船<9101>、商船三井<9104>、川崎汽船<9107>。鉄鋼は日本製鉄<5401>、JFEホールディングス<5411>、神戸製鋼所<5406>。いずれも大手3社の株価が木の葉のように舞う。ただし、既にこれらの銘柄は配当権利落ち日に向けたチキンレースのような様相ともなっている。

 つまり、ここまで勢いが強いと配当権利を確保しても権利落ち後の反動安が怖いという見方も出てくる。現実問題として3月期末を前にキャピタルゲインが取れるのであれば、インカムゲインを放棄して配当権利落ち前に利益を確定させるというのが、トレードの手法としては実践的である。前週土曜日4日の株探トップ特集「上昇ベル鳴り響く! 駆け込み買い『激騰・高配当株』10連弾」では、実践的見地から、実は値上がり益の方に重心を置いた高配当利回り株が10銘柄紹介されている。ポイントは株価トレンドと需給だ。同じ観点で、ここに紹介されていない銘柄としてマークしたいのは、明和地所<8869>、シキボウ<3109>、新家工業<7305>、アジアパイルホールディングス<5288>、リケンテクノス<4220>、有沢製作所<5208>などが挙げられる。

 あすのスケジュールでは、1月の毎月勤労統計、2月中旬の貿易統計が朝方取引開始前に発表されるほか、後場取引時間中には日銀から消費活動指数が発表される。また、30年物国債の入札も予定される。海外では1月の豪貿易収支、豪中銀の政策金利発表、1~2月の中国貿易統計、1月の米卸売在庫・売上高、1月の米消費者信用残高のほか、米3年物国債の入札が予定されている。また、パウエルFRB議長の米上院での議会証言にマーケットの関心が高い。なお、インド市場は休場となる。(銀)

出所:MINKABU PRESS

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