【杉村富生の短期相場観測】 ─テーマ性を有する元気な銘柄を狙う!
「テーマ性を有する元気な銘柄を狙う!」
●引き続いて、総論を語らず、各論勝負!
全般相場(日経平均株価などのインデックス)は高値しぐれ商状に陥るだろう。これはやむを得ない。急騰の反動に加え、3月決算期末を控え、法人売りが急増する。いつものパターン(彼岸底?)である。しかし、個別物色機運は極めておう盛だ。それに、セクター・銘柄的には躍動感があふれている。この局面は「森を見ず、木を見よ」の投資戦略が不可欠と思う。
NY市場は高値保ち合いだ。ハト派(早期の利上げ打ち止めを唱える)とタカ派(利上げ長期化を主張)がせめぎ合っている。パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長は両者の中間に位置する。この構図はリフレ派と反リフレ派が激しく対立、植田和男次期日銀総裁が中庸を行く日本銀行と同じではないか。
いずれにせよ、当面は「銘柄勝負」が有効だ。基本はテーマ性を有する元気な銘柄を攻める、これにつきる。テーマとしては東証改革第2幕の開演、パチンコ・パチスロ業界の大変革、コロナ禍克服、製造業の国内回帰、新工場の建設ラッシュ、深刻な人手不足、医療DX(デジタルトランスフォーメーション)などをピックアップできる。
さらに、「Chat GPT」がもたらすパラダイムシフト、アメリカでの自動車販売の好調、活況なインバウンド(1月は150万人、年間2000万人ペース)、半導体業界の復調、再生可能エネルギーなども見逃せない。テーマ性とは「世相にカネを集らせる」こと。これらの関連銘柄は2023年相場において、ロングランに買われるだろう。
●レイ、Abalanceなどに妙味あり!
具体的な銘柄としてはまず、各種イベント、テレビコマーシャル制作、映像機器のレンタル、展示会などを手掛けるテレビ朝日系のレイ <4317> [東証S]だ。2021年2月期は厳しい決算を余儀なくされた。当然だろう。なにしろ、コロナ禍に直撃され、仕事がない。しかし、2022年2月期から急浮上に転じている。
会社側は2月20日、2023年2月期の連結業績予想の修正を行った。非開示だった1株利益は46.1円(前期は38.0円)となる。配当は5円増配の15円とする。2024年2月期の見通しは明るい。コンサート、舞台が再開されているほか、テレビ朝日が地上波の放送を行うWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)が始まる。スポンサー筋のテレビコマーシャルが増えるだろう。
ベトナムでの子会社「VSUN」の太陽光発電パネル(第4工場は1月より順次稼働、セル工場を建設中)の増産を受け、Abalance <3856> [東証S]の業績は絶好調である。連結営業利益予想は2023年6月期が70億円(2022年6月期は16億9700万円)、2024年6月期が158億円(会社側中期計画)と公表している。来期の1株利益は何と、481.29円となる。
いや~、すさまじい。これこそがダイナミズムだろう。ゲームカード・ジョイコホールディングス <6249> [東証S]、FIXER <5129> [東証G]、monoAI technology <5240> [東証G]、ハイブリッドテクノロジーズ <4260> [東証G]は技術革新をテコに業容一変の可能性がある。
値動きの良さでは電子部品商社のミタチ産業 <3321> [東証S]、AI(人工知能)関連のnote <5243> [東証G]、パート・アルバイト紹介のツナググループ・ホールディングス <6551> [東証S]、医療DXのアンビスホールディングス <7071> [東証S]、読売新聞が主要顧客の光村印刷 <7916> [東証S]などに妙味があろう。
2023年3月2 日 記
株探ニュース