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証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
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2315 CAICAD

東証S
61円
前日比
-2
-3.17%
PTS
60.6円
23:56 11/22
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
4.80 13.37
時価総額 83.3億円
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決算発表予定日

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CAICAD Research Memo(2):金融機関向けシステム開発やブロックチェーン技術に強み


■事業概要

CAICA DIGITAL<2315>は、金融業界向けを主としたシステム開発や暗号資産に関するシステム開発等を行う「ITサービス事業」及び、金融商品取引法に基づく第一種金融商品取引業、暗号資産に関する金融商品の開発・販売、暗号資産交換所運営等を手掛ける「金融サービス事業」の両輪で事業を展開している。高い信頼性や処理能力などが求められる金融業界向けのシステム開発を中心として、長年にわたって蓄積してきた高度な技術やノウハウなどに強みがあり、同社グループ全技術者(約400名)がブロックチェーン技術者となる計画を実行しているところも特長的である。ブロックチェーン技術を活用したFinTech分野を戦略的注力分野に位置付けており、とりわけ暗号資産交換所向けのシステム開発や暗号資産関連の新商品の開発・販売など、暗号資産関連ビジネスに取り組むとともに、様々な分野で将来性が期待されているNFT分野、さらにはWeb3を活用した事業拡大を進めている。

また、暗号資産交換所「Zaif」を運営するカイカエクスチェンジとシステム開発会社であるCAICAテクノロジーズを自社グループ内に抱える、他に例を見ないユニークな事業基盤を生かすことで、金融とITをシームレスに統合したこれまでにないタイプの事業モデルの構築(金融プラットフォーマー構想)にも取り組む方向性である。

各事業の概要は以下のとおりである。

(1) ITサービス事業
創業来の主力事業であり、50年以上の実績を誇る(株)CAICAテクノロジーズにより、銀行・証券・保険といった金融機関向けシステム開発(コンサルティングや保守・運用を含む)をはじめ、流通・小売業、情報通信業等、多様な業種でシステム構築を手掛けている。特に、金融業界向けのシステム開発が70%程度を占め、同社グループの強みの源泉となっている。大手SIerからコアパートナーの認定を受け、大手SIerを通じた受注(2次請け)が中心であるものの、基幹システムを担っている金融機関向けは継続率が高く、事業基盤は安定している。また、大企業からの1次請け受注も増加しており、安定性はさらに増している。

一方、暗号資産関連のシステム開発については、同社グループ内の暗号資産交換所「Zaif」のシステムインテグレーションを担うとともに、他の暗号資産交換所システムも手掛け、新規案件の引き合いも増えているようだ。また、テレワークの広がりを受け、「セキュリティ・コンサルティング・サービス」※1の提供も開始し、自社ブランド製品の販売比率向上にも取り組んでいる。さらには、ブロックチェーン技術を用いたアートの登録・管理システムの開発なども展開しており、(株)レジストアート※2が提供する会員権プラットフォーム「crowd ART」※3を開発するとともに、NFTの発行・流通が可能なNFTプラットフォームの販売を開始し、アートや不動産取引などへの活用が期待されるNFT市場へいち早く参入した。2023年1月6日にはWeb3参入を支援するセミオーダー型NFTマーケットプレイス開発サービスの販売も開始している。

※1 現行のテレワーク環境の脆弱性診断や、課題の顕在化、課題対応方法の提案など、テレワークに関するあらゆるセキュリティ課題をサポートするサービス。
※2 ブロックチェーン技術による美術品登録サービス等を手掛けており、2018年3月に同社と資本業務提携を締結した。
※3 高額で資産性が高いアート作品等のコレクションに小口から参加できるプラットフォーム。


(2) 金融サービス事業
2018年2月に連結子会社となったカイカ証券(金融商品取引法に基づく第一種金融商品取引業)を中心に金融商品の企画・開発・組成・販売等を手掛けており、特に暗号資産関連商品の開発・販売に注力してきた。また、2021年3月には暗号資産交換所「Zaif」を擁するカイカエクスチェンジホールディングスを連結子会社とし、暗号資産関連ビジネスの拡大に向けて体制を整えた。カイカエクスチェンジグループは、主に暗号資産交換所「Zaif」における受入手数料や暗号資産売買の損益のほか、(株)カイカキャピタルによる暗号資産の自己勘定による運用益によって成り立っている。

カイカ証券については、これまで独自のワラント商品の他に、暗号資産関連商品の開発・提供も手掛けてきた。ただ、暗号資産市場の混乱による影響を受け、デリバティブ派生商品に対する投資家の意欲の衰退などもあり、予定していた商品の拡充が進まず、また業績も伸び悩んでいることから、サービスメニューの抜本的な見直し※と、大幅なコスト削減を含む構造改革に踏み切った。今後は、新規投資やコストを極力かけない運営形態により、グループシナジーを活用した富裕層向けプライベートバンキング事業への参入などを検討しているようだ。

※これまで展開してきたカバードワラント及び暗号資産に関する商品の新規の発行すべてを停止した。


一方、暗号資産交換所「Zaif」を運営するカイカエクスチェンジについては、次世代システムへの移行を進めるとともに、ストック収益の拡大に取り組んでいる。特に、後者については第一種金融商品取引業者登録を行い「暗号資産FX」サービスを開始するとともに、「自動売買おてがるトレード」サービスを開始した。加えて、商品ラインナップの拡充を図っており、「Zaifコイン積立」のリニューアル及び対象コインの追加、暗号資産の大口取引需要に対応するための専用の窓口「クリプトOTCデスク」の設置など、次々と新たなサービスを開始している。ただ、「Zaif」も暗号資産市場の混乱による影響を受け、足元業績は大きく落ち込んだ。しかしながら、今後の成長軸であるWeb3事業を展開していくうえで「Zaif」は重要な役割を担っており、戦略的な位置付けに変化はない。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)

《NS》

 提供:フィスコ

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