貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
日経平均株価の構成銘柄。同指数に連動するETFなどファンドの売買から影響を受ける側面がある
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8002 丸紅

東証P
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「ChatGPT」にマネー乱舞!「生成AI」で覚醒する変貌株を追え <株探トップ特集>


―米IT大手が大型投資に舵、チャットボットの革新的変化で巨大マーケット誕生か―

 対話型AI(人工知能)の「Chat(チャット)GPT」が秘める絶大なパワーに世界が身構えている。人間の問いかけにAIが極めて自然な文章で回答する新たなチャットボットを開発した米オープンAIに対し、米マイクロソフト<MSFT>が複数年にわたり数十億ドル規模の追加出資をすると発表。競合のIT大手も対話型AIを公表し、社会的な関心を集めている。今回の株探トップ特集では、ChatGPTをはじめとした対話型AIや生成AIの誕生で成長が加速しそうな銘柄を掘り下げていく。

●ユーザー数増加は「過去最速」

 ChatGPTのユーザー数は昨年11月下旬のローンチ以降、急拡大の一途にある。今年1月の月間アクティブユーザー数は約1億人に達したと推計されており、歴史上、最も速く成長したアプリケーションとなったようだ。その肝となるのは、AIが自らデザイン性の高い画像や自然な文章を作成する「生成AI」の技術だ。

 オープンAIはこれまでも画像生成AI「DALL・E2(ダリ・ツー)」を開発し、マイクロソフトのデザインアプリに採用されるなどの実績を構築。ダリ・ツーは、同社のクラウド基盤「Azure(アジュール)」での利用も可能となった。ChatGPTもアジュールでの利用を可能にする計画で、2月7日にはChatGPTの技術を応用し、マイクロソフトのインターネット検索エンジン「Bing(ビング)」を刷新する方針が打ち出されている。

 マイクロソフトばかりではない。ネットメディア運営の米バズフィード<BZFD>は、コンテンツ作成の一部についてオープンAIの技術を活用する方針だと1月下旬に報じられ株価が急騰した。トレーディングカードなどの販売を手掛ける米ファナティクスも新部門の立ち上げに際し、カスタマーサービスでオープンAIの技術を使う予定だと伝わっている。

 その利便性ゆえに、海外の高等教育機関ではChatGPTの使用を禁止する動きもある。競合のアルファベット<GOOG>傘下のグーグルの対話型AI「Bard(バード)」が不正確な回答をしたと報じられ、同社株が急落したことも記憶に新しい。サイバー攻撃のプログラムを作成するといった危険性も指摘されており、技術面で解決すべき課題は多い。

 それでも株式市場においては負の側面を脇目に、好影響を受けそうな個別企業に対する注目度が日増しに高まっている。「対話型AIや生成AIの技術革新はこれからも一段と進むとみられ、ChatGPTに関連するニュースリリースを発信した企業に対しても投資家の関心が集まりやすい」(国内投信ファンドマネジャー)との声も出ている。

●顧客対応で活用期待膨らむ

 ChatGPTが事業拡大の好機となると期待され始めているのが、既存のチャットボットの開発や導入支援などを手掛ける企業群だ。国内でその筆頭格とみられているのがユーザーローカル <3984> [東証P]である。1月19日、同社が提供する「サポートチャットボット」において回答内容を高速に自動生成する新機能を発表。オープンAIの対話AIモデルを組み込み、Q&Aの執筆期間を半分以下に短縮できるという。

 コンタクトセンター向けSaaS事業を手掛けるモビルス <4370> [東証G]もチャットボット「MOBI BOT」を製品群に持つ。1月の決算説明会で参加者からChatGPTによる事業への影響についての質問があり、そのやり取りが投資家向け情報としてホームぺージで公開されている。同社はAIがコンタクトセンターで正確にやり取りできるようになる時代は「少し早ければ5年程度、突拍子もない爆発的な事象が起きたら3年程度」と読む。巨大なマーケットが誕生するチャンスが到来しているとの認識のもと、商材の拡張などを検討しているようだ。

 ビジネスコミュニケーションツールのAI CROSS <4476> [東証G]も関連銘柄に含まれるだろう。同社は社内外の問い合わせに自動対応するチャットボット「QAロボット」を提供する。加えて、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)化の加速を支援する日立製作所 <6501> [東証P]の「Lumada(ルマーダ) アライアンスプログラム」にも参画。電機大手との生成AIを絡めた新たな事業が打ち出されれば、話題を集めるに違いない。

 DX関連に位置づけられるエフ・コード <9211> [東証G]が過去1年間で行った事業買収のなかには、自治体や大手企業に幅広く採用されているLINE活用型チャットボット「hachidori」や、チャットボット型のWeb接客ツール「sinclo」に関する事業が含まれている。買収事業と生成AIとの相乗効果の発揮が期待されそうだ。

●秘書代行もネットワーク保守も

 最近では一定の条件下で、顧客からの口頭での問いかけをAIが解析し、定型的な表現で回答する「ボイスボット」が普及している。生成AIの活用により人間の複雑な問いかけにも対応できるようになれば、ボイスボットの更なる普及に大きく貢献するかもしれない。

 ベルシステム24ホールディングス <6183> [東証P]は「ekubot Voice LITE」において昨年10月に、特定の利用場面に向けて機能や価格を抑えたプランの提供を開始した。中小企業や個人事業主からのニーズが高い「秘書代行」プランもまもなく実装する予定という。ソフトフロントホールディングス <2321> [東証G]は「commubo(コミュボ)」に関し、金融業界での支払い催促業務などに特化したパッケージの販売を開始するなど、ラインアップの拡充を進めている。今後の各社の追加情報をマークしておきたい。

 AIを通じたコンサルティングなどを展開するpluszero <5132> [東証G]も見逃せない。同社は昨年4月、丸紅 <8002> [東証P]傘下の丸紅情報システムズとネットワークオペレーションセンターの自動化に向けた業務提携を開始。AIを活用し人間が対応しているように感じられる「仮想人材」が、一部のタスクを自動で実行するサービスの構築に乗り出した。生成AIの技術進化にあわせて、同社と協働する企業が更に増えることも予想される。

●サイバー攻撃、半導体商社も関連銘柄に

 ChatGPTの誕生は、コンテンツ配信サービスにも多大な影響をもたらすと考えられている。note <5243> [東証G]は2月8日、ChatGPTの文章生成モデル「GPT-3」を採用した創作支援ツール「note AIアシスタント(β)」の公開にあたり、先行ユーザーの募集開始を発表。同日の株価は一時ストップ高まで買われた。今後のユーザー数の変化に注目が集まりそうだ。

 詐欺メールやサイバー攻撃プログラムの作成など悪用への対策が急務となっている点においては、電子メールフィルタリングのデジタルアーツ <2326> [東証P]、AI技術を活用したセキュリティーサービスを手掛けるサイバーセキュリティクラウド <4493> [東証G]などの事業に追い風になるとの想像が膨らむ。ChatGPTに活用される生成AIの普及で最も恩恵を受ける半導体メーカーは米エヌビディア<NVDA>といわれており、同社の国内正規代理店である菱洋エレクトロ <8068> [東証P]などにも事業拡大の思惑が広がりそうだ。

 このほか、1月30日にChatGPTを活用した顧客対応システムの提供について検証を始めると発表したポート <7047> [東証G]や、宿泊施設特化のチャットボットを手掛けるtripla <5136> [東証G]、企業・自治体に対話型AIプラットフォーム「Cognigy」を活用したサービスを提供してきたTDSE <7046> [東証G]、AIソリューションのエッジテクノロジー <4268> [東証G]などもマークしておきたい。

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