ジェネパ Research Memo(5):2022年10月期は黒字転換。EC需要は堅調、子会社の工場稼働率が向上(1)
■業績動向
1. 2022年10月期の連結業績概要
ジェネレーションパス<3195>の2022年10月期の連結業績は、売上高15,979百万円、営業利益74百万円(前期比11.0%増)、経常利益396百万円(同175.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益343百万円(前期は90百万円の損失)となった。なお、2022年3月期の期首より「収益認識に関する会計基準」等を適用しているため、売上高の前期比増減率は記載していない。コロナ禍を背景としたEC需要・巣ごもり需要が引き続き増加したことから家具・家電・生活雑貨などの売上が好調となったほか、リベンジ消費の動きも見られており、高価格帯の家具などの売れ行きも好調であった。これにより、前期に続き実質過去最高の売上高を達成した。一方で利益面については、急激な円安及び国際的なエネルギー・原材料価格の高騰による仕入価格の大幅な上昇に伴う影響が大きかったことから「ECマーケティング事業」は減益となったが、「商品企画関連事業」において青島新綻紡貿易及びジェネパベトナムでの工場稼働率が向上し、売上が順調に拡大した。
月次売上動向を見ると、2022年12月度の連結売上高は好調に推移し、前年同月比で21.6%増となった。なお、数値については速報値を使用しており、次月以降の開示の際に修正する可能性があるほか、監査法人による会計監査を受けていないため、決算数値との差異が発生する場合がある。また、青島新綻紡貿易及びジェネパベトナムの売上高は、同社グループの連結決算に合わせておおむね1ヶ月遅れで同社の連結業績に反映される。
2. 「収益認識に関する会計基準」等の適用に伴う主な変更点
従来は売上計上に伴い、他社が運営するポイント制度において付与されたポイント相当額は、販売費及び一般管理費として処理していたが、売上高から控除する方法に変更した。「収益認識に関する会計基準」等の適用については、収益認識会計基準第84項ただし書きに定める経過的な取り扱いに従い、2022年10月期の期首から新たな会計方針を適用した。ただし、2022年10月期の期首以前までに行った契約については、従前の取り扱いに従って新たな会計方針を遡及適用していない。そのため、2022年10月期の売上高は298百万円減少、販売費及び一般管理費は298百万円減少し、営業利益、経常利益及び税金等調整前当期純利益に与える影響はない。また、利益剰余金の当期首残高への影響もない。
3. 営業外収益(為替差益)の計上
2022年10月期は営業外収益において、ジェネパベトナムが有する外貨建債務に係る為替差益として266百万円を計上した。同社において外貨建債務から発生する為替差損益は、ECマーケティング事業における仕入に関わる為替の影響と逆相関の関係にある。円安局面においては営業外の区分で為替差益が発生し、円高局面においてはECマーケティング事業の営業利益が増加する一方、営業外の区分で為替差損が発生することになる。結果として同社グループの為替リスクを一定程度回避する機能が有効に働いた。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
《NS》
提供:フィスコ