貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
日経平均株価の構成銘柄。同指数に連動するETFなどファンドの売買から影響を受ける側面がある
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8035 東京エレクトロン

東証P
23,130円
前日比
+880
+3.96%
PTS
23,130.4円
13:18 11/25
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
20.3 5.98 2.47 17.40
時価総額 109,089億円
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明日の株式相場に向けて=市場席巻!「レーザーテック狂騒曲」

 名実ともに2月相場入りとなった1日の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比19円高の2万7346円と反発。反発とはいっても、朝方に200円あまり上昇して始まった後は漸次下値を切り下げる動きで、大引けの上げ幅はわずか。TOPIXはマイナス圏で引けており、全体論としては模様眺めムードの強い地合いであったといえる。

 日本時間あす未明に発表されるFOMCの結果とパウエルFRB議長の記者会見を見守る局面にある。今回の利上げ幅は0.25%でほぼ決定と思われるが、パウエルFRB議長が何を話すかという方にマーケットの関心が集中している。直近発表された米国の雇用コスト指数は賃金インフレが収まっていることを示唆しているが、これで安心するわけにもいかない。パウエル氏はマーケットフレンドリーな発言は極力封印するはずである。これまで年内利下げの可能性について微塵もコメントしていないのにもかかわらず、マーケットが勝手解釈で利下げを織り込み株価上昇に反映させている。今現在パウエル氏は、タカ派を印象づけるにはどういう表情で、何をコメントするべきかに思案投げ首の最中かもしれない。

 さて、国内でも企業の決算発表が本格化しているが、個別株によって明暗がくっきりと分かれているのが半導体関連セクターだ。半導体関連とひと括りに言っても企業ごとに収益環境がかなり異なる。例えば半導体製造装置メーカーは前工程と後工程の違いでも商機に大きなズレが生じるし、また、扱っている商品が違えば、当然需要の波も異なることになる。はっきりしているのは、中国への依存比率が高いメーカーにとっては向かい風が強いということ。これはゼロコロナ政策の影響による中国経済の減速という意味合いではなく、中国包囲網を敷く米国の政治的圧力による部分が大きい。

 きょうのマーケットの視線を釘付けにしたのは言うまでもなくレーザーテック<6920>である。同社株の流動性は群を抜いており、売買代金は常にトップで、しかも2位以下を大きく引き離し、まさに「野中の一本杉」状態にある。きょうはその傾向が一段と強まり3500億円近い売買代金をこなした。プライム市場で2位の三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>は600億円あまり、3位となった三井住友フィナンシャルグループ<8316>は500億円強で、4位以下は400億~300億円台でドングリの背比べという状況だったから、レーザーテクがいかに突出した存在であったかを証明している。

 このようにレーザーテクは大活況極まれり、の状況であったのだが、それは皮肉にも買い人気ではなく“売り人気”であった。前日の決算発表で今期の受注高計画について従来掲げていた3000億円から、1800億円に大幅下方修正したことで、これをネガティブ視する売りの洗礼を浴びる格好となった。終値で3500円あまりの急落。同社株には個人投資家が信用取引を活用して日々活発に売り買いを繰り返しているほか、AIアルゴリズム売買のターゲットにもなっていることが、今の大商いの背景にあるとみられる。ドラスチックな受注計画の減額発表で、アルゴ売りの餌食になってしまった感もある。同じく前日に決算発表を行ったアドバンテスト<6857>の方は、事前のコンセンサス通りということでアク抜け感から4%高に買われたが、この両銘柄のコントラストが際立った。

 レーザーテクに吹く逆風は米中摩擦のトバッチリと思いきや、会社側では「主要顧客がインテル<INTC>、TSMC<TSM>、サムスン電子であり、中国向け比率はもともと低く、減額は中国に絡む要因ではない」とする。前工程の東京エレクトロン<8035>は昨年11月に上期決算を発表した際に23年3月期の業績予想を下方修正しているが、タイムラグを経て、この時の風景が今回のレーザーテクの眼前に広がっているイメージである。今回減額した1200億円分については「今年後半以降、つまり24年6月期下期に取り返す形になるのではないかと考えている」(会社側)としている。マスクブランクス検査装置で世界シェア100%の同社にとって、中期成長シナリオに影響を及ぼす類いの減額ではないといえるが、株価はそうした事情を忖度してはくれない。信用取組は倍率1倍台で売り買いガップリ四つ。きょうは個人投資家にとっては悲鳴と歓喜が入り交じった1日となった。

 あすのスケジュールでは、1月のマネタリーベース、1月の財政資金対民間収支など。海外では英中銀が金融政策委員会の結果と議事録を開示、ECB理事会の結果公表のほか、22年10~12月期米労働生産性指数、12月の米製造業受注などが注目される。(銀)

出所:MINKABU PRESS

最終更新日:2023年02月01日 17時06分

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