オプティム Research Memo(8):2023年3月期は期初予想を据え置き、創業来23期連続過去最高売上の見込み
■今後の見通し
オプティム<3694>の2023年3月期の連結業績については期初予想を据え置き、売上高で前期比10.0%増の9,140百万円、営業利益で同10.1%増の1,690百万円、経常利益で同7.1%増の1,590百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同0.4%増の947百万円を見込んでいる。2021年3月期に投資回収が始まったが、今後も第4次産業革命の中心的な企業になるべく、潜在市場規模約160兆円の開拓に向けた積極的な研究開発投資を継続する計画である。
売上高については、前期と同水準の成長率(前期は10.5%)で、創業来23期連続となる過去最高売上高を目指す。同社の売上高の構成は約8割をストック売上が占めている。EMM及びMDM市場が堅調に拡大するなか、同社の主力製品・サービスは優位なポジションにあり、ストック売上が増加する傾向は、2023年3月期下期も継続すると想定される。展開中のサービスについては、優先度の高い“キラーサービス”を選定したうえで、積極投資及び販売強化を実行し、将来的な安定成長を支えるストック売上の底上げを図る方針である。通期予想に対する進捗率は45.4%(前年同期は42.4%)と前年同期を上回っている。2023年3月期はフロー売上も好調に推移していること、下期に売上が積み上がるストック型ビジネスの特長などを考慮すると、上振れて着地する可能性が高いと弊社では考えている。
利益については、一定の利益を確保しながらも積極的な成長投資を行う基本方針だ。売上高営業利益率が同社ビジネスモデルの実力値としての利益率(20%以上)より低いことからも、投資意欲を読み取ることができる。また、同社は第4次産業革命において中心的な役割を果たす企業になることを標榜しており、期中において優良な投資機会が生じた場合(M&Aなども含む)は、柔軟かつ積極的に成長投資を行う方針である。通期の営業利益予想に対する進捗率は33.9%(前年同期は37.3%)と前年同期を下回るが、積極的な成長投資を継続しながらも十分達成可能な計画であると弊社では考えている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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提供:フィスコ