貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
日経平均株価の構成銘柄。同指数に連動するETFなどファンドの売買から影響を受ける側面がある
株価15分ディレイ → リアルタイムに変更

9433 KDDI

東証P
4,995円
前日比
+11
+0.22%
PTS
5,019円
23:51 11/21
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
14.5 1.96 2.90 1.62
時価総額 109,483億円
比較される銘柄
NTT, 
SBG, 
SB

銘柄ニュース

戻る
 

オプティム Research Memo(3):「Corporate DX」と「Industrial DX」を推進


■会社概要

1. 会社概要と沿革
オプティム<3694>は、現 代表取締役社長の菅谷氏が佐賀大学学生時代である2000年に友人らと起業したAI・IoT技術を得意とするベンチャー企業である。“ネットを空気に変える”がミッションであり、「OPTiM Cloud IoT OS」のデファクトスタンダード化を通じて、第4次産業革命の中心的役割を果たす企業を目指している。イノベーションの創造と実現こそ唯一の自社の存在意義と考え、創業当初から数多くの発明を行ってきたのも同社の特長で、菅谷氏は1993年~2020年「情報通信分野」特許資産個人ランキング1位を獲得している。総スタッフ数(協力会社含む)は645名(2022年4月1日時点)で、その約7割が開発系である。

当初はインターネット動画広告サービスを主体としていたが、2006年の東日本電信電話(株)(以下、NTT東日本)との技術ライセンス契約、AIを活用した自動インターネット接続ツールの提供を機にオプティマル事業(ネットを空気に変え、明日の世界を最適化することを目指す事業の造語)に転換した。2009年にはパソコン向け管理プラットフォーム「Optimal Biz」を提供開始する。なお、同社では、現在に至るまで様々な製品・サービスを展開しているが、“離れた端末をスマートに操作する”という提供価値は、対象分野や技術は変わっても一貫している。

2011年頃からは、世の中がPCからモバイルにシフトする流れに対応し、スマートフォン等を含むマルチデバイス対応の管理プラットフォームを開発した。そのプラットフォームを拡張・進化させた「OPTiM Cloud IoT OS」で、現在デファクトスタンダード化を推進する。2013年からはソフトウェアやコンテンツの使い放題サービスにも進出し、ビジネスモデルの幅を広げている。

2015年には、ITを使って業界に変革を起こす取り組み「〇〇×IT」が本格化し、建設や農業などの分野でパートナー企業・団体とのプロジェクトがスタートした。建設業界では、2017年にはコマツなど4社共同で建設生産プロセスの新プラットフォーム「LANDLOG」がスタートした。2020年には世界初となる、iPad Proを使って誰でも簡単に高精度3次元測量ができるアプリ「OPTiM Land Scan」(現 「OPTiM Geo Scan」)の提供を開始している。農林水産業では、2016年に農業分野でドローンを活用した害虫駆除の実証実験に成功している。また、2018年には同社が主導する“スマート農業アライアンス”が全国規模で行われ、米や大豆を始めとする作物が本格的に収穫された。医療分野でも進捗が著しく、メディカロイドが開発した国産初の手術支援ロボットシステム「hinotoriTM サージカルロボットシステム」のネットワークサポートシステムに、同社の技術が使われている。

広い業界の大手企業が同社のパートナーであり、技術力やポテンシャルは内外からも高く評価されている。2020年には(株)佐賀銀行と共同で、AI・IoTを活用したソリューションの企画・販売などを目的とした合弁会社「オプティム・バンクテクノロジーズ(株)」を設立、2021年にはNTT東日本等と国産ドローンサービスの利用を推進する(株)NTT e-Drone Technology設立に参画、また、KDDI<9433>とAI・IoT活用の商品企画で企業のDXを支援する合弁会社「DXGoGo(株)」を設立するなど、大手企業と連携した事業拡大の取り組みが加速している。

なお、2014年に東証マザーズ上場、2015年には同市場1部にスピード昇格した。また、2022年4月の同市場区分再編に伴いプライム市場へ移行した。

2. 事業内容
同社のサービスは、「Corporate DX」と「Industrial DX」に分けて整理することができる。

「Corporate DX」は全業種・産業を対象とした社内業務改善・効率化のためのデジタル化を提案する。「Optimal Biz」等の提供を通じて累計18万社以上の顧客基盤を有しているが、この顧客基盤に対して、「OPTiM Remote IoT」や「OPTiM Contract」(ともに詳細は後述)といった新たな提供価値を持つサービスを、販売パートナーを活用して提供する。ビジネスモデルは主にストック売上(ライセンス収入等、サブスクリプション)である。

「Industrial DX」は、「OPTiM Cloud IoT OS」を基盤に、個別産業を対象に事業創造のためのデジタル化を推進する。「〇〇×IT」のうち建設、医療、農業、ロボットが先行しており、建設分野での「OPTiM Geo Scan」や農業分野での農業DXサービスなど、既に確立されたサービスも多い。また、カメラにつないですぐに使えるクラウドAI画像解析サービス「OPTiM AI Camera」シリーズも業種別の取り組みとなるため、「Industrial DX」に分類される。ビジネスモデルはストック売上(ライセンス収入等、サブスクリプション)に加え、業種や企業に特有のフロー売上(カスタマイズ開発収入等)がある。

なお、売上高の構成はストック売上とフロー売上に分けることができ、その構成比はストック売上:フロー売上=3:1となっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)

《SI》

 提供:フィスコ

株探からのお知らせ

    日経平均