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証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
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3544 サツドラHD

東証S
792円
前日比
-3
-0.38%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
22.9 1.21 1.26 12.71
時価総額 113億円
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復活する「ドラッグストア」、リオープンで成長回帰の銘柄群に熱視線 <株探トップ特集>


―高まるインバウンド需要思惑+業績回復基調鮮明でギアチェンジへ―

  ドラッグストア関連株の業績回復基調が鮮明だ。政府がリオープン(経済再開)に舵を切り、経済正常化の動きが加速するなか、水際対策の大幅緩和も支援材料にドラッグストア関連株にも物色の矛先が向かった。一時はインバウンド関連の雄として株式市場でも一世を風靡しただけに、中国の春節に伴う大型連休(21~27日)を前に思惑が高まっている。ただ、こうした強い追い風が吹くなかにあって株価を上昇させた銘柄がある一方、出遅れ銘柄は存在しており、こうしたところには目を配っておく必要がありそうだ。成長ロードに復帰するドラッグストア関連株のいまを点検した。

●統合効果を発揮するマツキヨココ

 人流の回復に加え、昨年10月の水際対策の緩和によるインバウンド需要の拡大期待もドラッグストア関連株へ向ける投資家の視線を熱くさせている。業績も好調だ。業界大手のマツキヨココカラ&カンパニー <3088> [東証P]は昨年11月、23年3月期の連結業績予想について、営業利益を530億円から578億円(前期比40.7%増)へ、純利益を350億円から381億円(同10.8%増)へ上方修正するなど統合効果を発揮している。また、ドラッグストアを巡っては、中国国内においてゼロコロナ政策の終了で新型コロナウイルスの感染が急拡大しかぜ薬や解熱鎮痛薬などが不足となり、日本で大量に購入しようと奔走する中華系訪日客や在日中国人の姿がテレビなどで伝わり話題にもなった。

●インバウンド需要拡大思惑も春節特需はおあずけ

 10月から日本政府が、個人旅行の受け入れや査証免除措置の再開などを実施したことを受け、昨年12月に発表された11月の訪日外客数は、93万4500人となり、前月から2倍近い伸びになった。コロナ禍前の2019年同月との比較では4割近くまで回復している。こうしたなか、中国の大型連休が始まろうとしているだけに、かつてインバウンド需要の恩恵を享受してきたドラッグストア関連株にも更なる活躍期待が高まりそうだ。ただ、関係者からは「中国では海外への団体旅行は停止されたままだけに、春節需要に関してさほど期待感はない」との声が多く聞かれた。ゼロコロナからの大転換はあったが、中国政府は現在のところ海外への団体旅行の停止措置の撤廃はしていないため、期待薄といったところだろうか。とはいえ、旅行先として日本は人気上位にあると伝わるだけに、個人客需要については「取り込む」構えを見せている。

●ツルハHDは業績回復基調

 ツルハホールディングス <3391> [東証P]も業績が回復基調をみせている。同社の23年5月期通期営業利益は前期比5.3%増の427億円を計画するが、昨年12月20日に発表した第2四半期累計(5月16日-11月15日)決算で、売上高が前年同期比4.7%増の4841億600万円、営業利益は同8.8%増の247億円と増収増益となった。また、12月度既存店売上高が前年同月比5.0%増と3ヵ月連続で前年実績を上回っている。9月上旬には7000円台だった株価が、12月27日には終値で1万円大台を突破。前述のマツキヨココ同様に目先上昇一服になっているが、ここからの動きには注目が必要だ。

●スギHD、急落後の反転攻勢へ

 注目度が高まっているドラッグストア関連だが、12月後半を境に足もと株価が冴えない銘柄も少なくない。再び勢いを増す国内の新型コロナの感染、資源価格の高騰、加えて物価上昇など不透明要因は山積するものの、人流の回復など目に見える形で事業環境が好転しているだけに、タイミングを計り押し目買いも一法と言えそうだ。

 スギホールディングス <7649> [東証P]は昨年12月27日に大幅高で6670円まで買われたが、翌日は一転して急落。今月5日には、5520円まで一気に売られ直近安値をつけることになった。12月27日取引終了後に発表した23年2月期第3四半期累計(3-11月)の連結決算は、収益認識に関する会計基準の適用で前年同期比の増減率の記載はないが、営業利益は219億円だった。通期の計画に対する進捗率は73%とやや低調だったことに加え、決算発表を前に急ピッチで株高が進んだこともあり反動減が大きく出たとの見方だ。ただ、今月10日に発表した12月度のスギ薬局の既存店売上高は、前年同月比8.4%増となり、増収基調の継続を確認。株価は5日を底値に、底打ち感から反転攻勢の気配も。

●クリエイトS、サンドラッグなどにも注目

 クリエイトSDホールディングス <3148> [東証P]も上値が重い展開が続く。今月10日に23年5月期の連結業績予想について、売上高を3713億円から3768億円(前期比7.4%増)へ、営業利益を169億7000万円から189億5000万円(同4.3%増)へ上方修正し、2期ぶりに過去最高益を更新する見通しとなったが株価の反応は鈍い。上期において、新型コロナ流行で感染対策商品、抗原検査キットや総合感冒薬などの需要増に加えて、生活必需品を始めとした物販売上高が大幅に伸長したことが業績に寄与した。

 また、首都圏中心に全国展開するサンドラッグ <9989> [東証P]は、昨年11月に発表した第2四半期累計(4-9月)連結決算で、営業利益が前年同期比3.2%増の185億1100万円となり、従来予想の177億5000万円を上回って着地。新型コロナ関連商品の反動減の影響はあったが、食料品などは引き続き堅調に推移したほか、酒などの値上げ前の駆け込み特需があったことが寄与した。株価は12月27日に4080円まで買われた後は軟調展開で、現在は3600円台に位置している。ウエルシアホールディングス <3141> [東証P]が今月10日に発表した23年2月期第3四半期累計(3-11月)の連結営業利益は、前年同期比5.5%増の314億6800万円と通期計画の470億円に対する進捗率は約67%となった。株価は、昨年12月27日には3285円まで買われたものの、その後は急速に売られ、きょうは2900円割れとなった。

●地方地盤でコスモス薬品、クスリアオキなど

 一方、地方を地盤とするドラッグストア関連株も業績の回復基調を強めている。九州を地盤とするコスモス薬品 <3349> [東証P]は前週末13日に決算を発表。23年5月期第2四半期累計(6-11月)の連結営業利益は前年同期比2.7%増の153億8500万円となり、従来の同0.4%減益予想から一転して増益で着地している。株価は下値模索の展開が続くが、きょうも大幅安となり1万3000円割れ寸前となっている。

 北陸中心に商圏を広げるクスリのクスリのアオキホールディングス <3549> [東証P]が、昨年12月28日に発表した23年5月期第2四半期累計(5月21日-11月20日)決算は、売上高が前年同期比14.3%増の1842億8100万円、営業利益が同21.6%増の82億7800万円だった。2ケタ増収増益と好調だったものの、第1四半期決算発表を受けて足もと好業績期待が高まっていたこともあり、29日には目先好材料出尽くしとの見方から大きく売られることになった。現在は7300円水準に位置し、この近辺でもみ合い商状となっている。今月5日には、12月度の月次営業速報を発表しており、既存店売上高は前年同月比4.8%増と7ヵ月連続で前年実績を上回ったが、株価は反応薄の状況が続いている。

 そのほかでは、北海道地盤のサツドラホールディングス <3544> [東証P]、岩手県を地盤とする薬王堂ホールディングス <7679> [東証P]、福井県中心のGenky DrugStores <9267> [東証P]などにも注目しておきたい。

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