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6461日本ピストンリング

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日ピストン Research Memo(6):2023年3月期第2四半期累計は増収も、原燃料価格高騰等の影響を受け減益


■業績動向

1. 2023年3月期第2四半期累計の業績概要
日本ピストンリング<6461>の2023年3月期第2四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比9.0%増の27,788百万円、営業利益が同44.8%減の955百万円、経常利益が同25.5%減の1,384百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同55.1%減の573百万円となった。

売上高は、自動車関連製品事業で顧客動向に合わせて需要を取り込み、補修用の販売が増加したほか、為替影響等により好調に推移した。また、ノルメカエイシアの子会社化も寄与し、全体でも増収となった。

営業利益は、原燃料費高騰や円安等に伴う各種コストアップを価格転嫁や原価低減を推進することで吸収したが、減益となった。増益要因としては価格転嫁を含む原価低減で約5億円、増産効果で約3億円、減益要因としては原燃料費高騰で約10億円、労務費・販管費等の増加で約6億円であった。これに加え、為替円安効果により約50百万円の増益となった。これは主に対ユーロの円安効果であり、対ドルについては現地化の進展により為替感応度が小さくなっていることから為替影響はなかった。経常利益については、営業外収益(為替差益)が前年同期比220百万円増加したことから、営業利益と比較し減益幅は縮小している。一方、親会社株主に帰属する四半期純利益については、法人税等が同252百万円増加したことから、経常利益と比較し減益幅が拡大した。

2. セグメント別動向
(1)自動車関連製品事業
売上高は前年同期比8.1%増の23,628百万円、セグメント利益は同32.5%減の1,031百万円となった。車載半導体不足等の影響により、世界の自動車生産台数は前年同期比微増に留まったものの、市場環境を勘案しつつ顧客動向に合わせて需要を取り込み、同社として強みを持つ補修用の販売が増加したほか、為替影響等により増収となった。一方、セグメント利益は、原燃料費高騰や労務費・販管費増加などにより、減益となった。なお、地域別売上構成比は日本34.1%、アジア30.7%、ヨーロッパ10.7%、北米12.9%、その他の地域11.6%であった。

(2) 舶用・その他の製品事業
売上高は前年同期比13.1%減の1,103百万円、セグメント利益は同58.9%減の159百万円となった。

(3) その他
ノルメカエイシアの子会社化等により、売上高は前年同期比28.4%増の3,056百万円、セグメント利益は同71.4%減の25百万円となった。

3. 財務状況
2023年3月期第2四半期末の資産合計は前期末比3,412百万円増加し70,788百万円となった。これは主に、棚卸資産が1,859百万円、有形固定資産が1,389百万円、現金及び預金が821百万円それぞれ増加した一方、投資有価証券が812百万円減少したこと等による。棚卸資産の増加は、為替円安や原材料価格高騰の影響に加え、自動車メーカーの生産調整やサプライチェーン混乱を考慮して戦略的に増やしたもので、一時的である。負債合計は同205百万円増加し32,574百万円となった。これは主に、支払手形及び買掛金が1,058百万円、電子記録債務が346百万円それぞれ増加したこと等による。また、有利子負債が1,342百万円減少したことにより、ネットD/Eレシオは0.19倍(前期末は0.27倍)に低下した。純資産合計は同3,206百万円増加し38,213百万円となった。これは主に、為替換算調整勘定が3,245百万円、利益剰余金が169百万円それぞれ増加した一方、その他有価証券評価差額金が564百万円減少したこと等による。

この結果、自己資本比率は51.0%(前期末は49.2%)に改善した。特に大きな懸念は見当たらず、財務の健全性は維持されていると言えるだろう。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)

《SI》

 提供:フィスコ

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