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証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
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7419 ノジマ

東証P
2,271円
前日比
-40
-1.73%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
10.3 1.17 1.76 13.47
時価総額 2,330億円
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テリロジーHD Research Memo(5):ネットワーク、セキュリティ、モニタリング等の4部門で事業を展開(2)


■テリロジーホールディングス<5133>の事業内容

5. ソリューションサービス部門
ソリューションサービス部門は主にテリロジーサービスウェア、IGLOOO(テリロジーサービスウェアの子会社)、クレシードが展開している。2023年3月期第2四半期累計の売上高は698百万円と全社売上の28.2%を占めている。主な取扱プロダクト・サービスは、1) テリロジー開発ソフトウェアRPAツール(EzAvater、RPA:Robotic Process Automation)、2) 多言語リアルタイム映像通訳サービス(みえる通訳)、3) クラウド管理型マネージドVPNサービス(MORA VPN Zero-Con)、4) 法人向けインターネット接続サービス(MORA光)、5) 高速モバイルデータ通信サービス(MORAモバイル)、6) Web会議ツール(MVC、Zoom)、7) 人工知能(AI)と拡張現実(AR)を活用した映像による非接触型のリモートサポートサービス(TechSee)、8) IGLOOOによる「旅マエ・旅ナカ・旅アト」関連事業、9) クレシードによる情報システム業務支援・代行事業である。

「EzAvater」は働き方改革や業務効率化の実現に向けて注目されるRPAツールであり、究極的にカンタン(誰にでもロボット=定型業務自動化のシナリオが作成できる直感的な操作性)、止まりづらい(システムのスピードに合わせてロボットが作動、例外処理をテンプレート化し安定稼働を実現)、アプリを問わない(画像認識技術を採用することでWindows上の動作であればアプリを問わず自動化可能)、スモールスタート可能(PC1台から導入可能)、といった特長を持っている。これらの特長により「EzAvater」は、IT専門部署でなければロボットの作成が困難で導入コストやメンテナンスの負担も大きいという多くのRPAツールが持つ弱点を克服し、各部署において現場のニーズに沿ってロボットを作成し、日々の運営を行うといった活用方法を可能にしたソフトウェアである。実際、「EzAvater」はアイティクラウド(株)が運営する法人向けIT製品・クラウドサービスのリアルユーザーが集まる国内最大級のレビューサイト「ITreview」で高評価を多く集め、「ITreview Grid Award 2022 Summer RPAカテゴリー」において「LEADER」を受賞している。

また、「EzAvater」の販売に関しては、幅広いユーザー層に浸透させたいとのねらいからパートナリング戦略を積極活用(ゴールドパートナー制を導入)しており、2019年中に(株)ネクス・ソリューションズ、パナソニックソリューションテクノロジー(株)、(株)レゾナゲート、(株)山崎文栄堂、(株)ネクステージ、ウチダエスコ(株)、2020年以降も(株)日立システムズ、シーイーシー<9692>、ペブルコーポレーション(株)、(株)キャリアプランニング、(株)ラスティックシステム、(株)オフィス・モア、(株)インストラテジと販売代理店契約を締結し、販売チャネルの拡大を図っている。同社によると、他社製RPAツールから「EzAvater」に取り扱い商材をスイッチする販売代理店も散見されるとのことであり、「EzAvater」の魅力度を示す証左と捉えられる。

「みえる通訳」はタブレット・スマートフォンを利用した映像通訳サービスで、いつでもどこでもワンタッチで、通話オペレーターが接客等をサポートするもので、英語、中国語、韓国語、タイ語、ロシア語、ポルトガル語、スペイン語、ベトナム語、フランス語、タガログ語、インドネシア語、ネパール語、ヒンディー語、日本手話の通訳に対応している。利用料は定額制(9時-21時対応のライトプランが15千円/月、24時間対応のスタンダードプランが25千円/月)で医療通訳プラン(英語、中国語、韓国語、ポルトガル語、スペイン語、ベトナム語のみ、35千円/月)も用意している。

元来、「みえる通訳」はインバウンド対応をターゲットとして立ち上げられたサービスだが、医療現場や災害時の避難所及び行政窓口における在留外国人向け対応や、通訳を必要とするWeb会議のほか教育現場(GIGAスクールタブレットを活用)等で活用可能なサービスへと進化している。2023年3月期第2四半期末累計(4-9月)の「みえる通訳」の導入先は、自治体40件・238ID(東京都、宮城県、千代田区、文京区、八王子市、日光市、福岡市、長岡市等)、医療機関5件・7ID(横浜市立市民病院、ミエルカクリニック等)、その他21件・2,425ID(西武鉄道、近鉄百貨店、資生堂ジャパン、つるや、福岡国際空港、イオンリテール、Zoff、ヨネザワ等)、ワクチン接種会場18件・29ID(札幌市、神戸市、座間市、新潟市、台東区等)となった。

なお、「みえる通訳」はテリロジーサービスウェア(以下、TSW)が展開するサービスである。TSWはテリロジーが2017年12月に買収したノジマ<7419>グループのアイ・ティー・エックス(株)の法人向けICTサービス事業を商号変更した連結子会社であり、このM&A戦略で新たな事業ドメインと従来手薄であった中堅・中小規模のエンタープライズ顧客基盤や全国に店舗展開しているチェーン店、業務店等のリテール顧客基盤を獲得(大企業を含むTSWの現在の顧客数は1,000社超)している。

TSWは、2020年5月にインバウンドメディア事業を運営するIGLOOOを子会社化した。IGLOOOは、欧米豪向け訪日旅行インターネットメディア「VOYAPON(ヴォやポン)」の運営を核に海外向けコンテンツ制作及びプロモーション事業という「旅マエ・旅アト」型サービスを手掛ける企業であり、これまで主に訪日外国人観光客を対象にした「旅ナカ」領域で多言語リアルタイム映像通訳サービス「みえる通訳」を提供し業界最大手のポジションを確立してきたTSWとの補完性・相乗性は高い。ウィズコロナ時代においても「観光立国日本」を目指した国策が何らかの形で再起動されることは間違いないと思われるだけに、厳しい局面において逆張り的に攻めの一手を打った同社の決断は評価に値する。

同社グループ入り後、IGLOOOは、1)(株)ミキ・ツーリスト/(株)ITPと共同で欧米豪を中心としたオンライン旅行博出展支援サービス「海外旅行博オンライン出展サポートパッケージプラン」の提供を開始(2020年8月)、2)欧米豪向けインバウンドメディア「VOYAPON(ヴォやポン)」のリニューアル(同年8月)、3)“外国人目線”に立ったストーリーテリング型越境ECサイト「VOYAPON STORE(ヴォやポンストア)」の開設(同年9月)、4)中国向けデジタルマーケティング事業の(株)unbotと中国市場における欧米豪向け観光プロモーションの独占パートナーとして業務提携(同年11月)、5)沖縄県読谷村と連携し初の欧米豪向け越境ECプロジェクトを始動(2021年4月)、6)中東向けに山梨県のPR動画を作成、プロモーションを実施(同年5月)、7)全世界17億以上のデジタルIDを保有する米国ADARAと訪日観光分野におけるデジタルマーケティング支援強化で業務提携(同年6月)、8)海外に向けて「音楽の街」浜松市のPR動画を制作(2022年4月)、と事業推進を加速しており、将来的にソリューションサービス部門の一翼を担う存在に育つ可能性を秘めている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)

《SI》

 提供:フィスコ

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