利益成長“青天井”銘柄リスト【総集編】第3弾 33社選出 <成長株特集>
本特集では、10月下旬から11月中旬までの決算集中期間に配信した「利益成長“青天井"銘柄リスト」を、“全期間”を対象に再構成した総集編をお届けします。
総集編第1弾(12月18日配信)、第2弾(12月22日配信)に続き、今回は18日時点の時価総額100億円以上500億円未満の東証プライム上場銘柄を対象に、22年7-9月期に四半期ベースの過去最高益を更新し、かつ今期も最高益を見込む、いわゆる利益が“青天井”状況になっている銘柄をリストアップした。
下表では、本決算月にかかわらず、22年7-9月期に経常利益が全四半期ベースの過去最高益を3%超上振れて更新した銘柄をピックアップ。さらに、会社側が今期(通期計画)も過去最高益見通しを示している33社を選び出し、7-9月期の過去最高益に対する上振れ率が大きい順に記した。
上振れ率トップとなったのは三井松島ホールディングス <1518> [東証P]。22年7-9月期(第2四半期)は、石炭価格の上昇を追い風にエネルギー事業の利益が急増し、経常利益は89.7億円(前年同期比5.4倍)と4四半期連続の最高益更新を遂げた。業績好調に伴い、今期2回目となる23年3月期通期業績と配当予想の上方修正に踏み切った。年間ベースの配当利回りは9%前後で推移している。
2位のカナミックネットワーク <3939> [東証P]は主力である自治体・医療・介護に特化したクラウドサービスの新規顧客獲得が順調に進み、7-9月期(第4四半期)は売上高8.7億円(前年同期比66.7%増)、経常利益3.5億円(同90.4%増)といずれも四半期ベースの過去最高を達成した。併せて発表した23年9月期の経常利益は前期比17.3%増の11.5億円と12期連続で最高益を更新する見通しだ。
3位のスターティアホールディングス <3393> [東証P]はITインフラ事業で営業の回転率が向上し、主力の複合機が直販、パートナー販売ともに好調だったほか、情報セキュリティ製品であるUTM(統合脅威管理)を中心にネットワーク機器の販売も伸びた。決算発表前の10月28日に、23年3月期通期の経常利益予想を11.7億円→14.3億円(前期比2.6倍)へ上方修正し、従来の8期ぶり最高益見通しを更に上乗せした。
4位に入ったのは人材派遣や業務請負を展開する人材サービス会社のキャリアリンク <6070> [東証P]。7-9月期(第2四半期)は事務系人材サービス事業で地方自治体や大手BPO事業者からのスポット案件を含むBPO請負案件の受注が伸びた。BPO請負案件の収益性向上に加え、登録者募集費や採用費など経費削減の進展も寄与し、2四半期連続の過去最高益を達成した。
7位にリスト入りした国際物流大手の日新 <9066> [東証P]は世界的な経済活動の回復が続くなか、海上輸送、航空輸送ともに国内外で自動車関連貨物を中心に好調な取り扱いが継続し、7-9月期(第2四半期)の経常利益は前年同期比2.1倍の45.3億円と急拡大して着地。指標面では配当利回りが4%近辺で推移する一方、予想PER4.0倍、PBR0.5倍と割安感が強い。株価は年初来高値圏で頑強な展開となっている。
12位のサンワテクノス <8137> [東証P]は半導体・自動車関連業界などの活発な設備投資や部材の供給不足による生産影響を考慮した先行手配の継続を背景に、主力の電子部品や電子機器などの販売が大きく伸びた。好調な業績を踏まえ、23年3月期通期の業績予想を上方修正している。
半導体関連ではフォトマスク用電子ビーム測定装置を手掛けるホロンを傘下に持つA&Dホロンホールディングス <7745> [東証P]が14位、三菱電機系商社の菱電商事 <8084> [東証P]が29位にそれぞれリスト入りしている。
┌─ 四半期 経常利益 ─┐ ┌── 通期 経常利益 ──┐ 予想
コード 銘柄名 上振れ率 7-9月期 過去最高 上振れ率 今期予想 過去最高 PER
<1518> 三井松島HD 157 8973 3496 261 31000 8595 2.2
<3939> カナミックN 53.4 356 232 17.3 1150 980 33.2
<3393> スタティアH 47.8 696 471 62.9 1430 878 8.6
<6070> キャリアL 47.4 1579 1071 131 6410 2772 7.6
<8715> アニコムHD 29.2 1177 911 15.3 3650 3166 19.0
<3245> ディアライフ 27.6 3869 3032 5.9 6000 5666 6.4
<9066> 日新 21.3 4537 3740 42.0 14000 9859 4.0
<1301> 極洋 18.7 3151 2654 1.4 7000 6904 8.1
<9658> ビジ太田昭 18.7 1053 887 7.4 3000 2792 11.8 *
<9325> ファイズHD 17.2 293 250 52.4 890 584 16.7
<6333> 帝国電 17.1 1496 1278 31.9 5050 3829 11.5
<8137> サンワテク 17.0 1979 1691 28.0 6650 5195 5.2
<3676> デジハHD 17.0 890 761 18.4 3290 2778 17.2
<7745> A&Dホロン 16.4 2233 1919 11.0 6222 5604 6.6
<4662> フォーカス 16.3 642 552 13.8 1820 1600 12.4
<3561> 力の源HD 15.5 559 484 69.0 1830 1083 18.0
<3983> オロ 14.5 633 553 0.9 2050 2032 21.2 *
<7525> リックス 14.1 995 872 11.0 3350 3017 7.6
<7570> 橋本総業HD 14.0 1227 1076 8.1 3700 3424 8.1
<4687> TDCソフト 12.9 1102 976 8.9 3355 3082 15.3
<9310> トランシティ 12.5 2898 2575 1.6 8500 8368 5.3
<6381> アネスト岩田 12.0 1807 1614 11.3 6200 5572 9.5
<7092> FFJ 10.9 877 791 0.2 2950 2943 13.5
<4251> 恵和 10.2 2051 1861 68.0 5823 3467 6.4
<7191> イントラスト 10.1 404 367 29.8 1530 1179 18.8
<4674> クレスコ 9.5 1553 1418 7.7 5150 4782 11.1
<3963> シンクロ 8.0 230 213 6.3 730 687 21.6
<9769> 学究社 7.7 1437 1334 5.2 2529 2405 12.2
<8084> 菱電商 6.8 2702 2531 7.1 7800 7285 6.8
<2307> クロスキャト 5.7 425 402 1.6 1190 1171 26.1
<4718> 早稲アカ 5.1 1396 1328 18.2 2176 1841 16.0
<9055> アルプス物流 4.8 2607 2487 18.4 7300 6166 9.4
<3371> ソフトクリエ 4.8 1255 1198 2.5 4265 4161 15.4
※2021年10月以降に上場した企業と今期見通しを開示していない企業は除いた。四半期の過去最高益は原則、四半期決算の開示が本格化した2003年4-6月期以降の業績に基づいたものです。
※過去最高益は同一会計基準内が対象。「*」は国際会計基準を採用する銘柄。
株探ニュース