ポエック Research Memo(8):2023年8月期は、8.1%の増収、3.3%の営業減益を予想
■今後の見通し
ポエック<9264>の2023年8月期の業績は、売上高が前期比8.1%増の6,276百万円、営業利益が同3.3%減の265百万円、経常利益が同9.4%減の265百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が141百万円と黒字転換を予想している。2022年8月期に営業利益の水準を保ったものの計画未達であったため、2023年8月期の業績予想は慎重な前提とした。
2023年8月期の懸念事項も、引き続きコロナ禍による影響と半導体不足となる。中国における1日当たり新規感染者数は、2022年11月時点で上海市がロックダウン(都市封鎖)された同年5月の水準に戻った。同市の規制は解除されたものの、冬場に入るためゼロコロナ政策は2023年3月まで継続されるとの観測も出ている。日本では2022年11月に北海道の新規感染者数が過去最高を記録するなど、自治体によってコロナ第8波の到来を確認している。半導体不足は改善の兆しがあるものの、短期間に解消されることを前提としていない。
事業別の売上高では、環境・エネルギー事業が前期比13.2%増の3,603百万円、動力・重機等事業が同7.4%増の2,384百万円、防災・安全事業が同28.0%減の288百万円を計画している。環境・エネルギー事業におけるポンプ等の水処理機器やオゾンガス発生装置は安定した需要が見込まれる。大型受注案件はブレ幅が大きいため、計画には含めていない。熱交換器等の拡販には、子会社化したマリンリバーの寄与を見込む。「SEAWALL」は、用途が港湾から河川へと拡大している。動力・重機等事業は、船舶用エンジン台板や精密部品、プラント関連機器の受託製造が大手メーカーからの安定受注を見込む。防災・安全事業は、過去2期の業況を踏まえ、引き続きコロナ禍の影響を受けるため大幅な減収を見込む。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
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提供:フィスコ