シュッピン Research Memo(7):2023年3月期の期初予想を据え置き、通期でも増収増益を見込む
■業績予想
1. 2023年3月期の業績予想
2023年3月期の連結業績についてシュッピン<3179>は、期初予想を据え置き、売上高を前期比11.1%増の48,260百万円、営業利益を同11.6%増の3,507百万円、経常利益を同9.1%増の3,477百万円、当期純利益を同8.6%増の2,399百万円と引き続き増収増益を見込んでいる。
好調に推移している「カメラ事業」が期を通じて増収に大きく寄与する想定である。一方、「時計事業」については免税売上の低迷が続いているものの、「カメラ事業」の伸びでカバーし、売上高全体ではほぼコロナ禍前(2020年3月期)の水準にまで回復する見通しとなっている。
利益面でも、引き続きAIMDの導入効果により売上総利益率は19.0%(前期は18.5%)に改善する想定である。一方、販管費については、今後の事業拡大に向けたスタッフの増員などにより一旦増加するものの、売上総利益の伸びで吸収することで営業増益を実現し、営業利益率も7.3%(前期は7.2%)に改善する。
2. 弊社の見方
弊社でも、免税売上の低迷がしばらく続く可能性が懸念されるものの、上期業績の進捗のほか、引き続き好調な「カメラ事業」の伸びを勘案すれば、同社の業績予想の達成は十分に可能であると見ている。特に各EC施策が奏功し、情報発信力や顧客接点が強化され、会員基盤の拡大やアクティブ率の確保につながっている状況から判断すれば、下振れのリスクは小さいと言える。いずれにしても、例年、季節要因(繁忙期)として業績が拡大する年末商戦の行方が結果を大きく左右することになるだろう。注目すべきは、2024年3月期以降の業績拡大に向けた動きである。特にグローバル展開については、円安の影響を含め、「Buyee」の導入が越境ECの伸びにどのような変化をもたらすのか、今後の成長性を占ううえでも重要な判断材料となる可能性がある。また、レディースブランドサロンとしてリニューアルオープンした「BRILLER」についても、新たな市場への展開余地として捉えることができ、そういった視点から今後のポテンシャルを探りたい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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提供:フィスコ