藤商事 Research Memo(10):SNSを活用したプロモーション実施も推進中
■その他の取り組み
1. CSRへの取り組み
藤商事<6257>はエンターテインメントを通じて、持続可能な社会の実現に向けて主体的に取り組むとともに、ステークホルダーの期待を超える企業を目指すことをCSRの方針として掲げている。また、具体的な取り組み内容については、E(環境)、S(社会)、G(ガバナンス)の観点から以下のとおり推進している。
(1) 環境
循環型社会実現に向けた取り組みとしては、製品の開発段階から部材のリユースを見据えた製品づくりに取り組んでおり、ホールから回収した使用済み部品の一部を新機種の部品としてリユースすることで、廃棄物の削減を実現している。また、パチンコ遊技機では「サイドユニットシステム」、パチスロ遊技機では「分離筐体システム」を採用し、ホールでの機種入替の際に本体枠や筐体をそのまま残し、必要な部分のみを交換することで資源の有効利用と廃棄物削減に貢献している。
省エネルギー化への取り組みとして、遊技機への節電モード※を搭載しているほか、すべての事業所でエコカーを導入、また、LED照明や省エネ性能の高い空調機を導入し、電力消費量削減に取り組むことで、地球温暖化対策としてのCO2排出量削減に貢献している。そのほか環境保全活動として、社内業務のDX(デジタルトランスフォーメーション)を進めることで、ペーパーレス化を推進している。
※遊技されない状態が一定時間続くと節電モードに切り替わる。
(2) 社会
遊技産業の健全な発展のため、法令を遵守した高品質遊技機の開発に取組んでいるほか、ファンに対してPSIO(遊技産業不正対策情報機構)やリカバリー・サポートネットワーク(パチンコ・パチスロ依存症問題の相談機関)に関する情報提供を通じて、遊技機の不正改造撲滅や依存症の抑制に取り組んでいる。また、法令遵守、共存共栄の観点のもと、サプライチェーンの取引先や新たな価値をともに創造する協力企業との連携を密にすることにより、パートナーシップのさらなる強化も図っている。
従業員に対しては、1人ひとりが持てる能力を最大限に発揮できる職場環境づくりに努め、従業員の成長を通じて会社の発展を目指している。具体的には、フレックスタイム制度や時差出勤制度の導入、育児休業や有給休暇取得推奨などによるワークライフバランスの推進や、働きがいの向上と個人の成長を支援するための自己申告制度の導入、「ハラスメントに関する基本方針」の策定により、ハラスメントの無い職場環境づくりなどに取り組んでいる。
地域社会への貢献については、各事業所周辺の清掃活動への参加等による地域の美化や環境保護に取り組んでいるほか、義援金の寄付やボランティア活動による災害支援活動などを行っている。
(3) ガバナンス
持続的な成長と中長期的な企業価値の創出を達成するため、コーポレート・ガバナンスの機能の充実が最重要課題と考えており、企業を取り巻く環境の変化に迅速かつ適切に対応するための経営上の組織体制や仕組みの整備、その他必要な施策を実施している。また、コンプライアンスやリスクマネジメントに対する取り組みについても強化している。
2. ファン層拡大に向けた取り組み
同社ではファンに向けた取り組みの一環として、イベント出展などを行っている。2019年度は8月に開催された「コミックマーケット96」、12月に開催された「コミックマーケット97」へのブース出展、9月に開催された日本電動式遊技機工業協同組合主催「パチスロサミット2019」への出展などを積極的に行った。2020年度はコロナ禍の影響でリアルのイベント開催が中止となったものの、SNSを活用したプロモーションを実施した。2021年度は日本遊技機工業組合とパチンコ・パチスロ生活向上委員会が主催する「みんなのパチンコフェスONLINE2021」に出展。同社にとっては初のオンラインイベントへの出展となった。2022年度についてもスマート遊技機の導入開始に向けて業界全体で各種イベントが実施されており、同社もファンに向けてイベントの様子や新機種の解説動画などをYouTubeチャンネルで公開している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
《NS》
提供:フィスコ