ステップ Research Memo(5):自己資本比率は80%以上を堅持し、ネットキャッシュも増加傾向が続く
■業績動向
2. 財務状況と経営指標
ステップ<9795>の2022年9月期末の財務状況を見ると、総資産は前期末比782百万円増加の27,573百万円となった。主な変動要因を見ると、流動資産では現金及び預金が707百万円増加し、固定資産では減価償却の進展により有形固定資産が61百万円減少し、長期前払費用が102百万円増加した。
負債合計は前期末比1,141百万円減少の2,774百万円となった。前受金が317百万円増加した一方で、有利子負債が1,156百万円、未払法人税等が299百万円それぞれ減少した。同社は2020年9月期にコロナ禍による影響の長期化に備えて3,050百万円の借入れを実施したが、その後段階的に返済を進めており、ここ数年で最も低い水準となっている。また、純資産は配当金支払いで792百万円の支出があったものの、当期純利益2,563百万円を計上したことにより、前期末比1,924百万円増加の24,798百万円となった。
経営指標を見ると、自己資本比率は有利子負債の減少及び純資産の増加によって前期末の85.4%から89.9%に上昇した。有利子負債比率も1.5%まで低下し、ネットキャッシュ(現金及び預金-有利子負債)は前期末比1,864百万円増加の8,992百万円と過去最高水準に積み上がっている。なお、財務の健全性を見る指標の1つである固定比率(固定資産÷自己資本)について見ると、2017年9月期末の94.1%から2022年9月期末は72.0%と低下傾向が続いている。従来は、生徒たちの学習環境をより良いものにするため、地域によっては賃借するよりも自社物件化した方が合理的であるとの判断の下、条件に適う不動産物件があれば購入して校舎を建設してきたため高水準であったが、ここ数年は横浜市や川崎市でのスクール展開に注力していることが要因となっている。これらエリアは土地代も含めたコストが高いため、賃借物件での展開が主になっている。今後も横浜市、川崎市での出校が増えていくことを考えると、固定比率の低下傾向が続き、財務の健全性も一段と向上していくものと弊社では見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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提供:フィスコ