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3633 GMOペパボ

東証S
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前日比
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時価総額 82.0億円
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GMOペパボ Research Memo(10):ホスティング事業は計画を上回る進捗


■GMOペパボ<3633>の今後の見通し

2. 主要事業の見通し
(1) ホスティング事業
ホスティング事業の通期計画は売上高で5,059百万円、営業利益で1,561百万円となっており、旧会計基準ベースでは5%前後の増収増益を計画している。第2四半期までの進捗率を見ると、売上高で49.8%、営業利益で54.5%となっており、ストック型ビジネスモデルである「ロリポップ!」の顧客単価が下期も上昇が続くことを考えると、通期計画は上振れする可能性が高いと弊社では見ている。

下期の施策として、「ロリポップ!」では引き続き「ムームードメイン」との連携強化や同時登録キャンペーンの実施などに取り組むことで顧客単価の引き上げと契約件数43万件以上(第2四半期末42.6万件)を目指す。顧客単価については通期でも前期比13~15%の上昇が見込まれる。

「ムームードメイン」は、販売キャンペーンの実施により新規契約の獲得を強化し、契約ドメイン数で117万件以上(第2四半期末116.2万件)を目標としていたが価格競争が激化していることから、下期は収益性を重視した運営方針とし増収増益を目指していく。

(2) EC支援事業
EC支援事業の通期計画は売上高で3,826百万円、営業利益で1,390百万円となり、旧会計基準ベースで売上高は前期比17.3%増、営業利益で同24.4%増と2ケタ増収増益を計画していた。第2四半期までの進捗率は売上高で39.4%、営業利益で18.3%と低調に推移しており、第3四半期に入ってからも流通額の動向に大きな変化が見られないことから、計画達成のハードルは高くなっている。同社は下期に以下の施策に取り組むことで収益の回復を目指していくことにしている。

「カラーミーショップ」については、継続した食品カテゴリーの強化や販促支援アプリ等のオプション販売の強化、決済代行会社の乗換促進に取り組んでいく。食品カテゴリーについては利便性向上につながるアプリを投入するなどして顧客開拓を推進していく。アプリストアではInstagramショッピング機能や商品リコメンド機能、越境EC機能など販売支援につながる各種アプリを提供していることが強みとなっており、これらの利用促進を図ることで流通額の拡大と顧客単価の上昇につなげていく考えだ。また、地方金融機関との連携やWebプロモーション等の強化による顧客獲得についても継続して注力していく。

一方、「SUZURI」については流通額で前期比27%以上の成長(前期は31.2%増)を目指していたが、既述のとおり第2四半期までは前年同期比で減少が続くなど苦戦しており、第3四半期についても第2四半期と同様の傾向が続く見込みとなっている。こうしたなかで、流通額の回復施策として新規アイテムの追加とリピート購入施策を実施していく。新規アイテムについてはアクリルキーホルダーやクッション等を追加したほか、今後も需要が見込めそうなアイテムを適宜追加していく。また、NFT作品をアイテム化した商品の取扱も2022年5月より開始している。リピート購入施策については6月のテレビCM実施等により獲得した新規会員に向けて、クーポンを配布していく予定にしている。また、サイトへの訪問者数増加施策としては、インフルエンサーを使ったYouTube連携などによる認知度向上に継続して取り組んでいく方針となっている。そのほか、2022年7月よりオンデマンドプリントサービスでは国内初となる「AR機能」(スマートフォンブラウザ限定)を実装し、スタンダードTシャツに対応したことを発表している。同機能を活用することで購入前に商品の使用イメージを知ることができ、クリエイターにとっては商品のPRに活用することができるため、流通額の活性につながる取り組みとして注目される。

(3) ハンドメイド事業
ハンドメイド事業の通期計画は売上高で2,041百万円、営業利益で262百万円となっており、旧会計基準ベースでは売上高で前期比20.7%増、営業利益で同16.5%増と2ケタ増収増益を計画していた。流通額は同14%以上の成長(前期は1.6%増)を目指していたが第2四半期までは伸び悩んでおり、業績進捗率も売上高で42.1%、営業利益で25.6%と低水準となっている。

下期は作家登録者数と購入者数の獲得に取り組むことで流通額の拡大を目指している。具体的施策としては、越境EC商品購入代行サービス事業者の連携先を増やすことで海外販路を拡大していくほか、夏の特別販売企画の実施や非物販の取り組みも開始する。非物販については、ものづくりの活動・楽しみをより広げるための教材やデジタル素材の取扱いを開始する予定となっており、今後の動向が注目される。なお、競合が導入している広告サービスについてはまだ検討段階にあり、導入時期は未定となっている。プロモーションについてはWebプロモーションを予定しているが、大型プロモーションの計画は無い。

(4) 金融支援事業
金融支援事業の売上高は前期比159.4%増の552百万円、営業利益は4百万円(前期は139百万円の損失)を計画している。FaaSの導入企業をさらに開拓し、3者間取引の請求書買取件数を拡大していくことで大幅増収を見込んでいる。第2四半期までの進捗率は売上高で40.0%だが、売上高は第1四半期の90百万円から第2四半期は129百万円と急成長しており、第3四半期以降も同様のペースで成長すれば売上高で6億円程度まで拡大する可能性がある。

下期の取り組みとしては、FaaSの導入企業をさらに拡大していくほか、2022年2月より開始した「GMOフリーランスファクタリング」のプロモーション強化を図っていく。同サービスは会員登録が不要で審査時間も業界最短の30分で完了、手数料率も一律9.5%に設定されている点が特徴となっている(既存サービスの平均手数料率7~8%に対してやや高くなるが、業界平均と比べると低い)。現金が急に必要となったユーザー向けのサービスとなる。そのほか、保険会社と共同でフリーランス向け保険商品の開発も進めており、収益の多様化を図りながら事業拡大を目指していく戦略だ。今後もフリーランス市場は拡大が続くものと予想され、同市場を主なターゲットとした金融支援事業については本格的な成長ステージに入ったものと見られ、連結業績の成長に貢献する見通しだ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《ST》

 提供:フィスコ

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