ファンペップ---ウイルス変異の影響を受けない新型コロナウイルスに対するユニバーサルワクチンの研究開発が進捗中
ファンペップ<4881>は25日、副反応が少なく、ウイルスの変異の影響を受けないユニバーサルワクチンを目指した研究開発を進めていることを発表した。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的蔓延に伴い、SARS-CoV-2に対するワクチンの開発が未曾有のスピードで進み、日本においても、ワクチン接種が行われている。ワクチンは、とても高い有効性を示す一方、強い副反応体験からワクチンの接種を希望しない人がいることが報告されている。
ワクチン投与から一定期間経過すると体内で中和抗体が減少することが報告されており、米欧や日本等において、ブースター接種(免疫を高めるための追加接種)が進んでいる。今後の定期的なブースター接種を視野に入れ、新型コロナペプチドワクチンには、1)免疫持続期間の延長、2)幅広い変異株への対応、3)強い副反応の低減など、既存ワクチンの課題を改良することが期待されているという。
同社は、ペプチドワクチンの一種である抗体誘導ペプチドの技術基盤を活用し、COVID-19に対するペプチドワクチンの研究開発を実施している。既存のワクチンは、ウイルス全体や標的タンパク質(mRNAワクチン、DNAワクチン、ウイルスベクターワクチン、組換えタンパク質及び不活性化ワクチン等)を抗原として用いて免疫を誘導するのに対し、同社は、ウイルスの変異の報告がないペプチド配列(エピトープ)を選択し、効率的に免疫を誘導するのが特徴であり、この特徴を活かして、高効率で副反応が少なく、ウイルスの変異の影響を受けないワクチンになることを目指して開発を進めているとしている。
新型コロナウイルスのヒト細胞への感染は、スパイクタンパクがACE2受容体に結合することから始まる。スパイクタンパクは受容体結合部位であるS1と、感染する細胞への融合を媒介するS2の2つのドメインで構成される。
同社のペプチドワクチンにより誘導される抗体は、S2ドメインの構造変化(ヘアピン構造の形成)を阻害することにより、ウイルスの細胞への融合、つまり、感染を阻害する。このエピトープ領域はコロナウイルスの中でも保存されており、さらに、新型コロナウイルスにおいても変異の報告がない領域であることから、次々と発生する新型コロナウイルス変異株に対して有効なユニバーサルエピトープワクチンとなることが期待されるという。
《ST》
提供:フィスコ