【特集】リバウンドはGAFAMより期待も! 億り人に導いた最強の10銘柄
登場する銘柄
ビザ<V>、ナイキ<NKE>、コストコ・ホールセール<COST>、ロッキード・マーチン<LMT>、マコーミック<MKC>、ホーム・デポ<HD>、ユニオン・パシフィック<UNP>、ユナイテッドヘルス・グループ<UNH>、ダナハー<DHR>、チャーチ・アンド・ドワイト<CHD> |
投資歴約30年で、現在は専業投資家。会社員2年目から株式投資を始め、ファストリ株投資の成功で「バイ&ホールド」型の長期投資を本格化させる。05年からはアメ株投資にも乗り出し、16年からさらに強化。アメ株の「最強の10銘柄」へのウェートを高めるやり方で資産拡大に拍車がかかり「20年までに早期リタイア」の夢を1年前倒しで実現してしまう。21年には『【エル式】米国株投資で1億円』(ダイヤモンド社)を出版、ブログやメディア登場で情報発信を行う。
「システムトレードが幅を利かせているとはいえ、株式市場も結局は人の集まり。皆がヒステリックになっている時に冷静に考え、行動できる人が勝つ」
こう語るのが、今回から登場する億万投資家エルさん(ハンドルネーム)だ。
3月に入り日経平均株価は一時2万5000円を割り込み、昨年9月高値の3万795.78円から6000円以上も落ち込んだ。米国の利上げにウクライナ情勢の深刻化という不安材料が加わり、投資家心理(センチメント)は2年前の今頃に襲ったコロナショックを思い出させる場面もあった。
だが、エルさんはこれまで通り、平常心を失うことなく、フルインベストメントを貫いている。振り返れば、コロナショックの真っ只中も、冷静さを欠くことはなかった。当時に行っていたのは、「成長を続ける素地があるのに、売られ過ぎとなった銘柄」を見極める作業だ。
米国でのサーキットブレーカー、つまり、株価が一定以上暴落した際に、証券取引所が投資家の頭を冷やす目的で一時的な取引停止を行うブレーキ機能があちこちで発動される混乱時にも、考えていたのは「自分が今仕込むべき株はどれか」。ここに意識を集中させ、実行に移した。
その勇断が実を結び、コロナ暴落後の3月下旬頃から始まったリバウンドの波に乗ることに成功。さらなる資産拡大へとつなげる。現在も当時のように、売られ過ぎ銘柄はないか、冷静に観察している最中だ。
そんなエルさんが実践する投資法は、アメ株の個別銘柄を標的とした自称「最強の10銘柄」に資産の半分以上のコア部分を投入するやり方。加えてサテライトとして、アメ株ETF(上場投資信託)、日本株で脇固めをしていく。
もともと、40歳の時に「2020年までに1億円の金融資産を築いて早期リタイアを実現させる」と目標設定していたのだが、アメ株、特に「最強の10銘柄」シフトの成果が貢献し、1年前倒しで見事にそれを達成できた。
投資をパワーアップさせた「最強の10銘柄」投資とはどんなものなのか。複数回にわたるエルさんシリーズ初回では、まずこの詳細から見ていこう。
最強の10銘柄、それぞれ500万円以上を投入
昨2021年6月、アメ株資産だけで100万ドル超、日本円換算すると1億2000万円近くまで投資資金を拡大させたエルさん。その中で、ポートフォリオの主力となる「最強の10銘柄」には、現在は各銘柄に平均4万ドル以上、日本円で500万円超のウェートを置いている。
その10銘柄とは以下の通り。近年のアメ株市場を牽引したGAFAM*のようなキラキラ銘柄は出てこず、本人曰く「奇をてらったラインアップでなく、アメ株の王道的な銘柄」がズラリと並ぶ。
米国ではよく知られる、大型株中心の構成だ。
*GAFAM(グーグルの親会社のアルファベット、アップル、旧FBのメタ・プラットフォームズ、アマゾン・ドット・コム、マイクロソフト)の略
■エルさんが選ぶ最強の10銘柄
銘柄名 <コード> | 保有株数 | 主な商品・ サービス | ポイント |
マコーミック <MKC> | 500 | 調味料 | 35期連続増配 |
チャーチ・アンド・ドワイト <CHD> | 500 | 家庭用品 | 成長性に優れる |
ナイキ <NKE> | 350 | スポーツ用品 | 高いブランド力 |
ビザ <V> | 240 | クレジットカード | 高いブランド力 |
ユニオン・パシフィック <UNP> | 200 | 大手鉄道会社 | 経済活動に不可欠 |
ダナハー <DHR> | 180 | 医療等の専門器具等 | 生活必需 |
ホーム・デポ <HD> | 160 | 住宅関連商品等 | ノウハウ、品揃え豊富 |
ロッキード・マーチン <LMT> | 120 | 防衛用航空機 | 最大手で堅調 |
コストコ・ホールセール <COST> | 100 | 会員制小売り | 景気に左右されにくい |
ユナイテッドヘルス・グループ <UNH> | 100 | 医療・介護など | 生活必需 |
エルさんは、アメ株投資は16年から本格化させ、これら10銘柄への投資もこの年から順次スタートさせてきた。以降、銘柄入れ替えは行わず、基本は買ったまま持ち続ける「バイ&ホールド」のスタイルで長期投資を継続する。
足元の実績は、21年2月から同年12月までの10カ月間は、S&P500のパフォーマンスを10%上回る好調ぶりを見せた。
■コストコの月足チャート(2015年~)
注:出来高・売買代金の棒グラフの色は当該株価が前期間の株価に比べプラスの時は「赤」、マイナスは「青」、
同値は「グレー」。以下同
成長力や競争力など、6つの着眼点で選定
では、どんな考えでこの最強10銘柄を選んだのか。
選別の根底にあるのは、以下の6つ、
Ⅰ 自身が良く知るサービスや商品を提供
Ⅱ 確固たる地位のある著名企業で情報が得やすい
Ⅲ 参入障壁が高く、収益性が高い&強い競争力がある
Ⅳ 成長性が高い
Ⅴ 10年以上の連続増配の実績あり
Ⅵ 売上高営業キャッシュフロー比率が20%以上~「営業キャッシュフロー÷売上高」×100
――となる。この条件に該当する銘柄を意識して、エルさんは、米国のあるスクリーニングサイトを活用し、過去のトラッキングレコードを市場平均と比べながら銘柄検索を行った。試行錯誤の末、米国の主要指数である米S&P500種株価指数に比べ、良好なパフォーマンスが見られる組み合わせがこの10銘柄となり、投資対象とした。
10という数は、当初からこだわっていたわけではない。だが、あまり多すぎると観察の目がいき届かなくなるし、少なすぎるとリスクが集中してしまう。これらを念頭におき、効率よく成果を上げられる落としどころを探り、キリがよく管理しやすい10銘柄とした。
※当該情報は、一般情報の提供を目的としたものであり、有価証券その他の金融商品に関する助言または推奨を行うものではありません。
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