【注目】話題株ピックアップ【昼刊】:オンコリス、地銀株、富士通
オンコリス <日足> 「株探」多機能チャートよりオンコリスバイオファーマ<4588>は急騰。11月28日につけた1197円を上回り、約1カ月ぶりに年初来高値を更新した。食道がん治療再生医療等製品として開発中の腫瘍溶解ウイルス「OBP-301」への期待が高まっているようだ。今月15日に同製品の製造販売承認申請を行ったことを発表。先駆的再生医療等製品指定制度に則り、申請後6カ月ほどで承認に至る見込みという。
■養命酒製造 <2540> 5,480円 +680 円 (+14.2%) 11:30現在 東証プライム 上昇率3位
養命酒製造<2540>が大幅高で7連騰。5000円の大台に乗せ、1990年1月以来の高値圏に浮上した。米ブルームバーグ通信が29日夜、「薬用酒メーカーの養命酒製造の非公開化に向けた入札で、米投資会社のKKRが優先交渉権を得た」と報じた。報道を受け、養命酒は30日にコメントを発表。「非公開化に向けた入札で米系投資会社のKKRに優先交渉権を付与したことは事実」と表明した。TOB(株式公開買い付け)の実施に向けて株価に上乗せされるプレミアム幅を期待した買いが優勢となっている。記事によると、これまでの2回の入札にKKR<KKR>を含む複数のファンドが応札していた。買収価格などの条件を詰め、2026年1月にもTOBを実施する方向で調整しているという。また、養命酒の筆頭株主で旧村上ファンド関係者が資金提供をする湯沢(東京都渋谷区)の出方が焦点だとしたうえで、「KKRは湯沢と協議し、条件が整えばTOBを実施する」と伝えている。養命酒は30日のコメントのなかで、26年1月に公開買い付けを実施する見通しは立っていないとしつつ、今後開示すべき事項が生じた際には速やかに開示する方針を示した。
■百五銀行 <8368> 1,175円 +34 円 (+3.0%) 11:30現在
三重県地盤の百五銀行<8368>や岐阜県地盤の十六フィナンシャルグループ<7380>、奈良県地盤の南都銀行<8367>など、地銀株の年初来高値更新が相次いでいる。日銀は12月、政策金利を30年ぶりの水準となる0.75%に引き上げた。これを受けて各行は短期プライムレートの上方改定を進めている。更に、29日に公表された12月の日銀会合の「主な意見」では、委員の一人から「日本の実質政策金利は群を抜いて世界最低水準」との意見が出ていたことが話題となっており、2026年も日銀が利上げ路線を進むとの見方が優勢となっている。貸出金利の上昇による収益改善シナリオが横たわる銀行セクターのなかでも地銀株はPBR(株価純資産倍率)が1倍を下回る銘柄がなお多く、投資家の買い意欲が高い状態が続いている。宮崎銀行<8393>や佐賀銀行<8395>も高い。
■アンドエスティHD <2685> 2,898円 +78 円 (+2.8%) 11:30現在
アンドエスティHD<2685>は大幅続伸している。29日の取引終了後、26年2月期第3四半期累計(3~11月)の連結決算を発表した。売上高が2273億7200万円(前年同期比3.3%増)、営業利益が138億9300万円(同5.9%減)だった。一方、第3四半期(9~11月)については売上高が780億2700万円(前年同期比2.8%増)、営業利益が59億1900万円(同21.4%増)となっており、足もとの好業績を評価した買いが集まっている。自社EC「and ST」をモール&メディアとして育成しているプラットフォーム事業で外部企業による参画が増え順調に推移した。
■富士通 <6702> 4,314円 +81 円 (+1.9%) 11:30現在
富士通<6702>が年初来高値にツラ合わせした。同社は10月にエヌビディア<NVDA>との戦略的協業を拡大すると発表。12月24日には協業の成果として、フィジカルAIやAIエージェントをシームレスに連携させる技術を開発したと公表している。エヌビディアとの協業関係に加え、量子コンピューターをはじめとする先端技術領域や防衛分野など、多岐にわたる投資テーマに関連する銘柄とあって、2025年の富士通の株価は年初来で50%を超す上昇となった。株式市場において26年もフィジカルAIやAIエージェントといったテーマに投資家の関心が寄せられるとみられるなか、大納会のこの日は国内大手証券による投資判断と目標株価の引き上げの動きも手伝って、同社株への選好姿勢が強まったようだ。
■住友金属鉱山 <5713> 6,432円 -243 円 (-3.6%) 11:30現在
住友金属鉱山<5713>が3日ぶりに急反落。一時、前日終値に比べ5%を超える下落となった。DOWAホールディングス<5714>や三菱マテリアル<5711>も安い。29日の海外市場で銀や金などの価格が急落したことが警戒された。シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループが、金や銀などの証拠金の要件を引き上げると発表したことが嫌気され、29日に銀先物は3月限が8%強急落し、金先物も2月限が4%強の下落となった。足もとの金銀銅などの価格上昇を背景に、住友鉱は29日に最高値を更新し非鉄株は人気化していただけに、この日は一気に売りに押される展開となっている。
■純金信託 <1540> 20,825円 -635 円 (-3.0%) 11:30現在
純金上場信託(現物国内保管型)<1540>、純銀上場信託(現物国内保管型)<1542>が安い。とくに純銀信託の下げがきつくなっている。前日に銀市況が急反落し、これを嫌気している。ここ貴金属市況の高騰が激しいため、前日にシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループの清算機関が貴金属先物の証拠金を引き上げると発表しており、これが金や銀の先物価格の急落につながった。東京市場でも両銘柄のように金のETFや銀のETFの範疇に含まれる上場信託は下げがきつくなった。信用買い残も高水準に溜まっており、その投げが下げを助長している。
■キオクシア <285A> 10,545円 -130 円 (-1.2%) 11:30現在
キオクシアホールディングス<285A>が続落している。NAND型フラッシュメモリーを製造する同社は、AIデータセンター向け需要の急増に伴う半導体メモリー市況高の恩恵を受ける銘柄として、幅広く投資家からの注目を集める銘柄となった。11月発表の26年3月期第2四半期累計(4~9月)決算で、直近四半期の業績が市場の高い期待に届かず失望売りに押されたものの、年末に向けて持ち直しの動きとなり、足もとで1万円トビ台での推移となっている。もっともキオクシアの株価は年初来で6倍を超す上昇となり、プライム市場の個別株で上昇率トップと好パフォーマンスが際立っていた。29日の米株式市場では協業関係にあるサンディスク<SNDK>の株価が下落したことも重荷となり、利食い売りが継続している。
■壱番屋 <7630> 917円 -11 円 (-1.2%) 11:30現在
壱番屋<7630>は小安い。29日取引終了後、夜パフェ専門店を運営するGAKU(札幌市)の全株式を取得し、連結子会社化すると発表した。新たな業態に展開することで企業価値向上を目指す狙いがあるとみられる。この発表に対する株価への反応は限定的となっている。
■Genky <9267> 5,010円 -30 円 (-0.6%) 11:30現在
Genky DrugStores<9267>は小動き。29日取引終了後、12月度の月次営業速報を発表した。既存店売上高は前年同月比3.3%増とプラス基調を維持。全店ベースでは同10.6%増だった。
■ブイキューブ <3681> 135円 +22 円 (+19.5%) 一時ストップ高 11:30現在 東証プライム 上昇率2位
ブイキューブ<3681>が急騰。29日の取引終了後、保有する投資有価証券の一部を売却するのに伴い、25年12月期第4四半期に投資有価証券売却益5億9800万円を特別利益として計上すると発表しており、材料視した買いが優勢になっている。なお、通期業績予想への影響はその他の要因も含めて精査中としている。
■セルシード <7776> 267円 +21 円 (+8.5%) 11:30現在
セルシード<7776>は大幅高で4日続伸している。同社は変形性膝関節症の治療を目的として「軟骨細胞シート」の開発に取り組んでいる。ジャパン・ティッシュエンジニアリング<7774>が29日の取引中に自家培養軟骨「ジャック」が2026年1月1日付で再生医療等製品として保険適用されることになったと発表し、ストップ高の575円に買われたことで膝の医療に関連する銘柄への物色人気が高まっているもようだ。軟骨修復材「モチジェル」を展開する持田製薬<4534>も3日続伸し、1月6日につけた年初来高値を更新している。
■イトーヨーギョー <5287> 1,140円 +76 円 (+7.1%) 11:30現在
イトーヨーギョー<5287>が急騰、一時前日比12%を超える上昇で1205円まで買われるとともに、5日・25日移動平均線のゴールデンクロスが目前に迫っている。同社はマンホールなどのコンクリート2次製品の製造・販売を主力とする。そのなか、ライン導水ブロックなどをはじめとした道路関連製品で優位性を持っており、国策である下水道老朽化に対応した道路工事などで商機を獲得する可能性が高い。株式需給面では貸株市場で調達先とした空売りが高水準に増加していたが、この買い戻しによる浮揚力が働きやすい点にも着目。ここにきて中小型材料株が相次いで急騰しているが、それは貸株市場を絡めたショートカバーによる影響が色濃く出ている。同社株は約2カ月前の10月下旬に2063円の年初来高値をつけており、直近安値もみ合い圏からの半値戻し水準である1400~1500円近辺がターゲットとして意識されやすい。
■ギグワークス <2375> 227円 +7 円 (+3.2%) 11:30現在
ギグワークス<2375>がマドを開けて上放れ、5日続伸している。29日の取引終了後、コラボレーション事業やフードデリバリー事業などを手掛けるspacetimes(東京都渋谷区)の株式の51.6%を取得し子会社化したと発表しており、好感した買いを引き寄せている。取得価額は非開示。業績に与える影響は精査中としている。spacetimesはアニメやゲーム、芸能人などのサブライセンスを取得、保有した上でのイベント企画やグッズ販売を手掛けているほか、対面型のカフェやグッズ販売店舗などの運営も行うエンターテインメントに精通した企業。ギグワークスは24年1月に作詞家の秋元康氏との共同出資により合弁会社Green Lightを設立し、イベントの企画・運営やスタッフィング事業(ライブエンタメ事業)などの実績を積み上げており、今回のspacetimes子会社化によるシナジーを期待する。ギグワークスはきょう30日、協業による第1弾企画として、アイドルグループ「日向坂46」とのコラボレーションカフェを2026年中に開設する予定と開示した。
■TORICO <7138> 426円 -99 円 (-18.9%) 一時ストップ安 11:30現在
TORICO<7138>は3日ぶり反落。東京証券取引所が30日から、同社株の信用取引による新規の売り付けと買い付けにかかる委託保証金率を50%以上(うち現金20%以上)にすると発表。これによって個人投資家からの資金流入が細るとの見方から売られている。また、日本証券金融も同日以降、貸借取引自己取引分と非清算参加者ごとの清算取次貸借取引自己取引分の貸借担保金率を50%(うち現金担保分20%)にすると発表した。
●ストップ高銘柄
アドバンスクリエイト <8798> 287円 +80 円 (+38.7%) ストップ高 11:30現在
大黒屋ホールディングス <6993> 111円 +30 円 (+37.0%) ストップ高 11:30現在
以上、2銘柄
●ストップ安銘柄
なし
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