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【注目】26年に向けて積極的にポートフォリオを調整することが重要

 今年の米株式市場は2桁の上昇に向かっているものの、26年に向けて、積極的にポートフォリオを調整することが重要だと大手金融のCIOチームが述べている。今年のS&P500は年初来で約17%上昇し、通信サービスやITが相場を牽引。AI関連への期待からマイクロン<MU>やパランティア<PLTR>といった銘柄は3倍超となったが、それを評価しつつも、いまは新年に備える好機だと指摘している。

 同チームは、底堅いマクロ成長、堅調な企業業績、そして利益創出段階に入りつつあるAI投資が26年も株式を支えると見ており、まずは長期目標に沿って計画を見直し、IT・ハイテク株への偏りが強まっていないか確認することを勧めている。好調だった銘柄の一部は利益を確定し、出遅れセクターに再配分するリバランスは、下落局面の衝撃を和らげる効果があると述べている。

 また、利下げ局面に入ったとは言え、現金の金利はなお魅力的だが、インフレには勝てないため、過度な現金保有は避け、日常資金以外は一定の金利・信用・市場リスクを取って運用すべきだとしている。

 ポートフォリオの中核としては、株式と債券を組み合わせた分散投資が有効で、1945年以降のデータでは、株・債券の分散投資は1年間の約75%、5年間の約84%の期間で現金をアウトパフォームしてきたという。

 加えて、地政学リスクへの備えとして、1桁台半ばの割合での金への配分や、景気後退時に備えて高格付け国債も有効だと述べている。

 一方、流動性ある程度確保しておくことで、調整局面で割安な銘柄や地域・セクター分散の機会を捉えやすくなり、米国ではハイテク、公益、金融、ヘルスケア、欧州では銀行、公益、資本財、テクノロジーが有望分野として挙げられるという。

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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